プレスリリースを書く上で、ちょっと気を使うだけで、内容が格段に良くなる技があります。

まず、単なる特徴を特長に変える、というやり方です。

YAHOO! JAPAN辞書の大辞泉という辞書を見ると、

特徴=他と比べて特に目立つ点。きわだったしるし。「
のある声」
特長=他よりも特にすぐれている点。特別の長所。「
を生かす」「この機種のは操作しやすいことだ」「水に強く軽いのがこの生地のだ」

となっています。つまり同じことを書くにしても、普通なら他との違いを説明するだけのところを、他よりどう優れているのかに変換して書くということです。

ちょっと例を挙げてみましょう:
バンドを説明する上で、「東京のバンドです」と書けば、それは説明でしかありません。香港でも、大阪でも無いという、その所在地/活動拠点を説明しただけですね。それを「アジアにおける音楽の中心地東京で活躍するバンドです」と書けば、様々な最先端の音楽が集まり、融合して新しいものが生み出され続ける大都市で積極的に活動するバンドという印象が強調されます。

別の例を挙げると:
「iTunesで発売中」は、説明です。しかし「iTunesだから今すぐダウンロードして聴けます」と書けば、iTunesで販売することの利点が伝わります。

似たような感じで:
「CD発売中」も、「デジタル販売より高品質なCDでも発売中」と書けば、CDの長所が分かります。

しかし、よくある勘違いで「今までに無い音楽」といった表現を特長だと思って多用するインディがいます。「今までに無い音楽」は、本当に「特長=他よりも特にすぐれている点」でしょうか? ジャズファンが「今までに無い音楽」を探すでしょうか? フォークファンが「今までに無い音楽」を探していますか? 彼らは、優れたジャズやフォークとの出会いは期待しているかもしれませんが、「今までに無い音楽」なんて探していません。リスナーの視点が欠ければ、特長も意味の無い説明でしかなくなるよい例です。

特長だと思って書いた文章が、実際のところ特長とは言えないというのは、よくある勘違いです。「今までに無いジャズ」なら少しましかも知れませんが、「今までに無い」というのは、「他と比べて違う」という説明でしかなく、他より優れているという意味にはなりません。ここにリスナーの視点を持ち込むのです。例えば、「ボブデュランとハービーハンコックが出会ったような新しいジャズ」と書けば、ジャズファンもフォークファンも、自分たちの嗜好に合いそうな新しい音楽と出会えるかも知れない、と期待します。これで、そのリスナーには特長と受け止められるでしょう。

そう特長というのは、主観的なのです。そして誰の視点で特長を書くか、ということが大事になるのです。自分のリスナーはどういう人達なのか? 自分はどういう人達に向かって音楽を発表するのか? いわゆるターゲットを明確にして、その視点でプレスリリースを書いてこそ、最大限の効果が期待できるわけです。ターゲットを明確にする手法としては、
インディプロファイリングも参考にしてください。

こうした点に注意して、プレスリリースに書く文章を見直して、単なる説明になっている部分は、リスナーの視点に立って、必ず特長に書き換えるように努めましょう。

なお、これはプレスリリースだけでなく、ホームページの文章でも同じですから、すでにホームページで宣伝を行っているインディも、もう一度文章を見直してみてください。