その日のライブを、その場で録音し、その音源を複製して、観客に販売する、というアイデアは簡単ですが、実際にやってみると、どうしてもネックになる問題があります。それが音源の複製です。

一人一人のお客さんに音源を売るには、買ってくれる人の数だけ複製するわけですが、
音源ファイルの項で触れたように、もし2時間のライブの音源を複製するのに2分かかっていたら、10人目のお客さんが音源を手にするのは、20分後ということになります。それも理想的に想像した最短の時間です。さすがにライブが終わって、御土産音源の販売開始まで20分も待っていてくれる律儀なファンは、そうそういないでしょう。そう思うと、手間も複製の時間もかかり、一度に複製できるUSBメモリの本数にも限界があるパソコンを使った複製は論外ということになります。

そこで、ボタン一発で、一度に複数のUSBメモリへの複製が必須となります。実は、そういう機械はあって、日本でよく見かけるのは、
USB写楽という製品です。この製品は、形状や外観からして台湾のU-Reachというメーカの製品と思われますが、国内でも別名で見かけることがありますし、CD Babyの親会社であるDiscmakersが販売しているReflexFlash7とも同じメーカの製品だと思われます。また似たようなデュプリケータは、他のメーカからも出ているようなので、色々と調べてみてもよいでしょう。

USB写楽を例にとると、マスターのUSBメモリを一度に7本あるいは11本のUSBメモリに複製できます。1本に2分かかるとして、7本を順番に複製すると14分かかるところを、一気に2分で7本複製してくれるわけです。一回のライブで数百本も売れる場合は別ですが、20人くらいのお客さんなら、11本を二度複製するだけなので、5分程度でさばけますから、何とかなる感じでしょう。

なお、この手のデュプリケータを使う際には、マスターのUSBメモリより小さいUSBメモリ/SDカードへの複製はしてはいけません。技術的にできないわけではないのですが、エラーになる可能性があります。マスターが512MBなら複製用も512MB、マスターが1GBなら複製も1GBにしてください。

例えば、マスターのSDカードのサイズが1GBだけど、保存されている音源ファイルのサイズは500MBだから、複製も512MBに複製すればいいのではないか、と考えるかも知れませんが、それでうまくいかないことがあるのです。技術的な制限からそういうケースがあり得るのですが、詳細に説明すると、混乱するだけだと思いますから、常にマスターと複製用のサイズは同じサイズにするのだと覚えておいてください。前述の通り、USBメモリ/SDカードのサイズが大きくなると、複製に時間がかかるので、必然的に可能な最小サイズを選ぶことになります。そして今なら、512MBか1GBということになるのです。