インディがインターネットを使って露出しようとした時、プロモーションビデオ(PV)についても検討するでしょう。でも、PVには時間とお金がかかりそうだ、って、最初からあきらめてませんか? そんな必要はありません。
今や、携帯電話、PSP、iPod
Touchや他の携帯プレイヤで、YouTubeやニコニコ動画、U-Streamの動画が楽しめる時代です。インディの明暗が、ネットでの露出の正否にかかっている以上、できる限り、
ありとあらゆる方法でバンドと楽曲をプロモートする必要があります。以前なら、動画を観られる人は限られていましたが、すでにPVを無視のできない時代に入ったことは確実です。
YouTubeに投稿した動画で成功を収めたOk Goの例を引くまでもなく、PVがインディミュージシャンの正否を分ける一つの大きな要因となる時代が来たのです。
PVと言っても大仰なことをする必要はありません。監督や編集担当をおいて、ビデオ編集ソフトで何日もかけて動画を仕上げるというのは、ほとんどのインディには現実的でないし、実際無理でしょう。できないことを目指すより、できることから確実にこなしていくのがインディ流です。
そこで、とにかく安直な方法でPVを制作することをお勧めします。
最も簡単な方法は、ライブの演奏をビデオで録画しておいて、それをそのまま使うことです。最近では、Zoom Q3やXactiなどというYouTube用といっても過言ではないビデオカメラもありますから、ライブの演奏を録画して、そのまま流用してしまいましょう。特にQ3は、H2やH4n譲りの高音質PCMレコーダとしても使えるので、バンドには最適です。
なおXactiには、フルハイビジョンでも実売2万くらいで買えるDMX-CG100やDMX-CS1がありますが、ハイビジョン品質では4GBのSDカードを使っても数十分しか録画できないことがあるので注意が必要です。
注意:Xactiシリーズは、決して音がいいとは言えませんので、別にPCMレコーダで音を録音しておいて、パソコンの編集ソフトで同期させる必要があるかも知れません。またQ3でも、ロックやヘビメタのように激しい演奏が続く場合、ゲインを著しく低くしておかないと音割れすることがあるため、録音後にノーマライズする必要があります。
ライブの演奏を使うのも良いけど、やはりスタジオ録音された音源のPVを公開したいということなら、静止画を使うことをお勧めします。静止画なら、デジカメや携帯電話で、とにかく写真を撮りまくれば、数だけは集まるでしょう。
でも静止画を使うと言っても、単純なスライドショーのようなものではありません。俗にKen
Burnsエフェクトと言われる効果を使って、静止画を動画にするのです。
Ken Burnsエフェクトを文字で説明するのは難しいですが、BGMに合わせて、静止画の一部にズームインしたリズームアウトしたり、静止画が回転したり、パン(横移動)したりする動画、というと、ちょっとは分かってもらえるでしょうか。
Ken Burnsエフェクトは、動画とはいえ、動きが少ないですから、どちらかというと、ジャズやフォーク、バラードなどの楽曲に向いています。もちろんアイデア次第では、ロックでもメタルでも、何でも応用は利くでしょう。
写真から制作されたビデオで最近ちょっと話題なのが、Changing ClocksのI'll Be Back This Summerです。実体は、Ken
Burnsエフェクトに限らず様々なトランジション(画面転換)エフェクトなどを使ったスライドショーですが、面白いのがFilckrという誰でも写真をアップロードできるサービスにアップロードされた写真の中から歌詞にマッチする写真を選び、さらにCreative
Commonsというライセンスにより自由に使用できるものだけを使って制作されているということです。世の中、まさにアイデア次第と言うことでしょうか。
また、2010年にMySpaceでOLYMPUS PEN Lite
E-PL1というカメラの機能を使ってPVを制作するための楽曲を募集するコンテストが開催されたのですが、その応募作品は、写真から作ったビデオがどんなものかを知るいい見本にもなると思います。
Ken Burnsエフェクトを使って作成するソフトは、市場にいくつもありますが、楽してPVを制作しようと言っているわけですから、とにかくソフトの使い方を一から勉強しなければならないようなソフトでは本末転倒してしまいます。
とにかく使い方が簡単で、曲の長さに合わせて勝手に動画を調節してくれる機能を持つ、Macintosh用のApple
Design Award (ADA) 2008の次点となったFotoMagicoという製品があります。FotoMagicoのCustomersページにはKen
Burnsエフェクトの例が掲載されているので、参考になるでしょう。
ソフトがどんなによくても、買うお金がない、ということであれば、最近のMacを買った時に付いてきたiMovieを使ってください。それなりに高機能なので、使い方を会得するまで時間がかかりますが、無料で付いてきたソフトですから、使わなければ損です。
さて、Windowsで同様のソフトはないのか?、というと、ないこともありませんが、これといってお勧めできるソフトが見つかりません。あえて言えば、Windows版とMac版の両方があるPhoto To Movieになりますが、決して簡単なソフトではありません。Windowsと「Ken
Burnsエフェクト」辺りで検索して、自分に一番あったソフトを探してください。WindowsにもiMovieみたいに無料のソフトが付いてくればいいんですけどね。
PVが作れたら、YouTubeにアップして、MySpaceや自分のホームページに埋め込んで、Podcastを制作して、と色々な媒体へ流用が効きます。そういった話は、また別の項で取り上げたいと思います。