無料で曲を配る、という話題に関連して、以前、このフリーミアムという考え方のページを書きました。その後、曲を無料で配ることの限界についても、ヒント/無料で配る(懸賞)の冒頭で触れました。

「無料で配る(懸賞)」では、曲以外のものを配ってプロモーションするために、懸賞というアイデアを持ち込んだわけです。

しかし、実際に懸賞を実施し、それを周知し、滞りなく完了させるには、お金もかかるし、時間もかかるし、人手もいるし、案外と大変です。

そこで、やはり曲以外のものを無料で配るんだけど、何か、もっと簡単で、オンラインだけで完結し、できるだけお金のかからないものを考えてみるのが、このヒント4です。

これは、欧州で実際に成功した例ですが、ギタリストが、ギターの弾き方を教える教則ビデオをYouTubeで公開したのです。初級から始まり、徐々にレベルアップするシリーズなのですが、教習で使われるサンプル曲が、彼自身のオリジナル曲なのです。

彼は、ビデオの最後で「この曲の完全版はiTunes Storeで売られているので、参考にしてください」とさりげなく宣伝します。

曲を練習してきた「生徒」は、お手本となる実際の演奏を「勉強」のために買うわけです。iTunes Storeで曲を買っても約150円ですから、ギター教室自体が無料だと思えば安いものです。実際、この曲は、今もよく売れているそうです。

このやり方には、4つの利点があります:

1)オリジナル曲だから、使用料を払う必要がない:許諾を取る手間と無駄な出費がありません。

2)ギターの教則ビデオを検索する初心者は常にいるので、ビデオをアップしておくだけで、新たな「生徒」に見いだされる;未知のファンにいつでも露出する機会を得たわけです。

3)一人一人の生徒は150円しか払わなくても、世界中の膨大な数の「生徒」が買えば、相当の金額になる;無料で配ったものが、利益を生むということです。

4)こうしてギターを弾くようになった卒業生が、ギターの先生である彼の曲を今後も定期的に買う確率が高い;ファンベースを確保したわけです。

大事なことは、一般に人々がオンラインで検索して探していそうなコンテンツを無料で配ることで、未知のファンに露出し、興味を引き、その結果、本当に自分が売りたいものへ誘導する、ということなのです。

これは、色々と応用が利きます。

ギターはもちろん、ベースでもドラムでも、同様の教則ビデオシリーズが可能ですし、自分の曲を題材に講義するというのもありそうです。

ギターの教則ビデオは世の中に溢れているから競争が激しいですが、民族楽器とか、資料映像が少ないものの実演ビデオなんかは、検索されれば自分のビデオが試聴される確率が高いんじゃないでしょうか。演奏にはオリジナル曲を使い、さりげなくURLを入れて、オンラインストアに誘導するわけです。

ここから先は、もうアイデア次第ですね。知恵を絞り、既存の概念を一ひねりして、独自の方法論を発見してください。発見したら、すぐに実行して試してみましょう。うまくいかなかったら、形を変えて、再度挑戦しましょう。これを繰り返すことが大事です。何でも思いついたことを試し、挑戦できることが、インディの強みなのですから。