Brian EnoがTime Out Sydneyに語ったように、「音楽が(水より安く手に入り)事実上無料になった今、複製できないものの価値こそが認められつつある」のです。彼は、「例えば、ライブです:今、英国では、これまでになくライブが増えています。そしてバンドは、ライブに重きをおいています。我々は、レコードを売るためにライブをやっていたのですが、彼らはライブのプロモーションとしてCDを作っているんです」と続けます。

複製ができないライブこそ、今や重要なのだ、というわけです。

このBrian Enoのインタビューの別の部分を、ちょっと意訳してまとめると「レコードが高かった時代には、苦労してレコードコレクションを増やしていった。そんな時代には、レコードに対する思い入れも強く、ライフスタイルの中心がレコードであり得た。しかし、音楽が簡単に安く手に入るようになると、日々の生活におけるその重要性は薄まっていく。以前なら、どのバンドを好きと言うかで人格も評価されたが、もうそんな時代ではない。それは、それでいいことなんだ」とも言っています。

Brian Enoは、音楽業界におけるライブの重要性の高まりを評論家のように分析してみせました。デビッドバーンやデビッドボウイなど、同様に、将来はレコード(CD)の比重が下がることを予言するアーティストは多くいます。そして、彼らのほとんどはもう10年くらい前からそんな話をしていますから、少なくとも海外では、この流れは急に始まったものではなく、また着実にその方向へ進んでいるということでしょう。

それを実践する人達もいます。マドンナ、プリンス、ボブディラン、オアシスなど、数え上げたらきりがありません。彼らが、ツアーの前に新譜を無料で配布したり、安価にデジタル販売だけしたり、ツアーのチケットを付けて販売したことは、indierevolution.jpでもとりあげました。まさにCD(およびダウンロード販売)は、ライブのプロモーションのためにあるという考えです。

特にボブディランは、「CDは死んだ音楽。ライブの音楽にこそ価値がある」といった趣旨の発言をしていて、ライブ重視の姿勢をより強く打ち出していて興味深いでしょう。

インディももっとライブをやるべきです。もちろん物理的あるいは経済的な問題もたくさんあります。でも、そんな問題を1つずつ解決して、ライブで生計を立てる手段について、考えていきたいと思います。

ちなみにライブは一切やらないというインディもいます。1人で多重録音していたり、単に人前で演奏したくない、とか、理由はいろいろです。もったいないことですが、それを否定するつもりもありません。そんなインディには、作品のライセンスをお勧めします。ライセンスについては、またいずれ別の項でとりあげたいと思います。