インディが音楽で生活するには、毎週のようにライブを行うことが近道です。常に数百人の集客があれば、チケット代で数人のメンバ全員の生活に必要十分な利益を出すことができるでしょう。しかし活動地域が限られている場合、どんなに人気があっても、頻繁にライブを行えばいずれは飽きられてしまいます。すると活動範囲を少しずつ広げて、遠出すること、つまりツアーが必要になります。

でも、音楽で生活できないインディは、他に仕事をしなければならず、仕事があればツアーには出られません。ツアーに出られなければ、ライブのチケット代で生活はできない。いつまで経ってもこの悪循環から抜け出せません。まさしく鶏と卵の理論です。

そこで、毎回のライブで少しでも売り上げを上げて収益性を上げる努力が必要になります。少しずつ利益が上がるようになれば、ある時点で仕事を離れ、ツアーに出られるようになるでしょう。

マーケティングの世界から見ると、限られた資源で、短期間に利益を増やす方法は、1)商品の価格を上げる(粗利を増やす)、2)顧客数を増やす、3)同じ顧客に販売する商品を増やす、のいずれかになります。

つまり、観客数が同じであれば、利益を増やす最も簡単な方法は、チケット代を上げることです。でも、それはファンに負担を押し付けることであり本末転倒です。

観客の数を増やせばいいのですが、これが一朝一夕で実現するものではないことは、すべてのインディがご存知でしょう。

残るのは、ライブに来てくれた観客に、チケット以外の何かを買ってもらって、売り上げを増やすことです。これは実現できそうじゃないですか?

例えば、ライブ会場で、CDを売ったり、バンドのロゴや写真がプリントされたTシャツを売るのはよく見る光景です。金銭的に余裕があるなら、必ず抑えたい商品です。

でも、CDにしろTシャツにしろ、そこそこ元手がかかる商品です。自由になるお金が少ない学生や、毎回のチケット代が赤字のバンドでは、なかなか難しい選択肢でしょう。

そこで、元手のかからない商品を売ることを考えます。indierevolution.jpでは、いくつかの商品を提案したいと思います。なお
御土産音源(おみやげおんげん)のページでも同様の話題に触れているので、そちらも参照ください。

1)ライブ音源:過去のライブ音源を録音しておいて、それをメディアにコピーして販売します。USBメモリースティック、SDメモリカード、オーディオCD-R、などのメディアが適当でしょう。ただし、これらのメディアはパソコンで聴くことが前提になっています。今後、
Mo-Sicのような、iPodあるいは携帯電話でそのまま聴けるメディアが登場したら、そのようなメディアを大いに活用しましょう。

2)レア音源:未公開の曲や発表した曲のデモバージョンや別バージョン、インタビュー、などのレア音源をメディアにコピーして販売します。ライブ音源同様に、USBメモリースティック、SDメモリカード、オーディオCD-R、などのメディアが適当でしょう。今後、
Mo-Sicのような、iPodあるいは携帯電話でそのまま聴けるメディアが登場したら、そのようなメディアを大いに活用しましょう。

3)ミュージックカード:ミュージックカードは、iTunes Storeのプリペイドカードのようなものです。ミュージックカードを買ったファンは、対応するオンラインストアでカードに印刷された番号を入力して、楽曲をダウンロードできます。これなら、販売するのはカードだけで、メディアは不要です。元手もあまりかかりませんし、カードの価格は自由に設定できます。しかもストアに来てくれたファンが、他の楽曲を聴いて、余分に買ってくれることも期待できます。残念ながら、今のところ日本では、ミュージックカードと連動するオンラインストアは聞いたことがありませんが、海外にはいくつかサービスが存在し、日本にもいずれ進出してくるでしょう。

ライブで販売できる商品には、上記以外にも色々なものがあるでしょう。とにかくチケット以外に、いかにして売り上げを増やすか、ということを考えるのです。

ライブの収益性をあげることが、音楽だけで生活するための近道なのですから。

最後に、話が脱線して恐縮ですが、最近海外では、ライブでCDを販売する時に「定価はxxx円だけど、好きな価格で買ってくれていい。今日お金がないなら、今日は無料で持って帰ってもいい」とやると、いつもより多くの人がCDを「買ってくれる」という話題が出ています。しかも無料で持って帰る人はあまりいなくて、結果として、売り上げの合計は増えるそうです。CDを焼いたはいいけど、思うようにさばけなくて、いっそ無料で配ろうか、などと悩んでいるバンドは、こんな手段も試してください。