ライブが終わったら、来場者との関係は終わりでしょうか?多くのインディの回答は、「終わり」でしょう。せいぜいブログにお礼や感想を書いたり、逆に一部のファンがブログに感想を書き込んでくれたりする程度でしょう。

せっかく足を運んでくれたお客さんと、そんなに消極的な接点しか見いだせなくてよいのでしょうか?いえ、もっと積極的に交流し、CDを買ってもらったり、次のライブに来てもらったりするための足がかりを強固にしていくべきです。

多くのインディはホームページを持っています。ライブ会場では、URLが記載されたフライヤーを配ったりしていますから、来場者が家に帰ってホームページを見てくれる可能性があります。しかし、その可能性ってどれくらいでしょうか?よほど気に入ってくれたか、以前からのファンなら、当然、ホームページを見てくれるでしょう。でも、たまたま友達に連れられて行ったライブだったり、思った程よいパフォーマンスでなかった場合、ホームページなど見てもらえません。そのライブは、お客さんの記憶の中では、色々と行った内の、その他大勢のライブの一つになってしまい、じきに忘れ去られてしまいます。

でも、インディにとってCDを売ったり、次のライブを告知したりする、最も費用対効果の高い場所はホームページです。そこで、無理矢理にでもホームページへ来てもらう手段を考えなければなりません。

ここでindierevolution.jpでは、いくつかの提言をしたいと思います。お客さんは、インディが思っているより、自分たちが観たライブに思い入れがあります。あの時、共有したあの空気を家でも再現して堪能したい、といつも思っていますから、そこをくすぐってみるのが効果的です。また、自分は特別扱いされていると感じて悪い気分になる人はいませんから、音楽に限らず、すべての商品で言えることですが、自分のためだけに用意された製品や情報、経験だと思ってもらえる仕掛けがあれば、その目指す効果は高くなります。

1)ライブを録音し、その音源を公開する:ライブに来てくれた人は、そのパフォーマンスを観るためにすでにお金を払っています。ちょっと乱暴な言い方をすると、ある意味、そのライブの内容について権利を持っていると言えるでしょう。そこで「今日のライブを録音した音源を、自分たちのホームページで公開するので、一週間くらいしたらホームページをチェックしてください」とライブで発表します。この時、音源を販売してはいけません。あくまで、すでにお金をもらったお客さんの権利であるという立場で無料で配ります。しかし、永久に無料で配る必要はないので、一ヶ月とか期間限定にして、その後は、公開をやめるなり、デジタル販売へ移行するなりすればよいのです。ようは、ライブに来てくれたお客さんとの関係性を持続させ、その接点を維持するための手段なのです。当然ながら、ライブ音源を公開するときには、多くの訪問者を見込み、ホームページのトップページでは大々的にCDを宣伝したり、将来のライブ情報に誘導するようにしておきます。一週間以上も経つと、バンドのこともライブのことも忘れられる可能性が高いので、発表する際に必ず「一週間もしたら、僕らのバンド名も忘れちゃうかも知れませんけど、googleで『インディレボリューション』を検索すればすぐに見つかりますから」などと強調しておきましょう。

2)メーリングリストの活用:ホームページへ定期的に来てくれないお客さんとも常時接触を図る手段としては、メーリングリストが有効です。メーリングリストと言っても大仰なものを考える必要はありません。ファンの電子メールアドレスを集めておいて、何か通知したいことがあるときに、同じ文面のメールを一括してメール発信できるようにしておけばよいのです。このとき、自分で一括送信処理を行うと、操作を間違ったり、場合によっては隠さなければならない相手のメールアドレスを公にしてしまうなど、ミスがあり得ます。できれば、
まぐまぐのような無料で使えるメーリングリストを活用してください。無料のメーリングリストは、googleにもありますし、yahooにもあります。定期的にメーリングリストで通知を送れば、ホームページのURLやバンド名を忘れちゃったお客さんの記憶も更新されますし、同時にCDやライブの宣伝にも使えます。ただし、あまり頻繁に送ったり、文章が長かったり中身がなかったり、そんなメーリングリストでは、解除要求ばかりくることになるので、有益な内容を効率よく、タイミングを狙って配信することが重要です。

3)電子メールアドレスの収集:前出のメーリングリストとも関連しますが、メールアドレスがあれば、何かの時に簡単に連絡や通知を行うことができます。ファンのメールアドレスは、必ず収集して、データベースに管理しておきましょう。なにしろ相手のメールアドレスが分からなければ、メールの出しようもないわけですから、必ずライブに来てくれたお客さんのメールアドレスを集めるように心がけましょう。ただし、その場でメールアドレスを書いてもらうのは効率が悪いのでやめましょう。

一つの手段としては、ホームページに上記のメーリングリストへの参加希望を募るリンクを設けることです。この方法なら、自分でアドレスを転記したりする手間がないので理想的です。それ以外の方法としては、例えば、上のライブ音源の公開をクローズにして、メールアドレスを送ってくれたお客さんだけに秘密のURLを通知する、といったやりかたでメールアドレスを提供してもらうやり方があります。これはライブ音源でなくて、Tシャツやアクセサリなどのオリジナルグッズのプレゼントを定期的に開催してもいいでしょう。とにかくアドレスを集め、メーリングリストで定期的に情報提供することを、一つの流れとして構築します。

既存のメーリングリストサービスを使わないとなると、メールアドレスは自分で集め、メール一斉送信できるように集まったメールアドレスをデータベース化する必要があります。メールアドレスを集めたはいいが、それをメールソフトウェアのアドレス帳で管理できないため、メール一斉送信ができず、宝の持ち腐れと終わったという話はよく聞きます。

このメールアドレスの収集と管理を簡単に行う方法があるので紹介しておきましょう。まずGoogleのアカウントを作ります。GMailやYouTubeのアカウントでも共用できるはずなので、すでに持っている人はそのアカウントを使ってください。
Googleを開いたら、右上から「ログイン」してください。次に「便利なツール」タブをクリックします。次にドキュメントをクリックします。ここからは、英語のページに移動しますが、操作自体は簡単ですので、英語が苦手なインディもがんばりましょう。

左上のNewポップアップメニューからSpreadsheetを選びます。ブランクの表計算書類が開くので、左上のFileポップアップメニューからSaveを選びます。書類に名前をつけるように促されるので、「メールアドレス」のような名前をつけます。

右上のShareタブをクリックします。「invite people」オプションから「to fill out form」を選び、「Preview and send form」ボタンをクリックします。

Send this form to othersというウインドウが開きますが、そのウインドウの右上の×をクリックしてウインドウは閉じます。

「You can include any text or info that will help people fill this out.」には、「ここでメールアドレスを登録すると、僕らのバンドの新譜情報、ライブ情報、最新情報、その他の連絡、プレゼントなどの得点情報満載のメールが定期的に届きます。」のような説明を入力します。

「Question Title」に「メールアドレス」のようなテキストを入力し、「Help Text」には「最新情報を送るためのあなたのメールアドレス」のような説明を入力します。

「Question Type」は「Text」のままにして、下部の「Make this a required question」にチェックします。必要なら、左上のAdd Questionsポップアップメニューから、入力してもらう項目を増やすこともできます。

最後に「Done」をクリックすると、フォームがプレビューできます。この時、下部の「You can view the published form here:」の部分のリンクをコピーしておいてください。

次に右上のMore Actionポップアップメニューから、「Edit confirmation」を選びます。これで入力と送信が完了した際に表示される、確認テキストの内容を指定できます。「メールアドレスの登録ありがとうございます」とか「ありがとうございます。お礼に、我々の曲を1曲プレゼントいたします。次のリンクからダウンロードしてください」など、何かしら感謝の意思表示をします。

これで終わりです。確認として、上でコピーしておいた「You can view the published form here:」の部分のリンクをウェブブラウザで表示してみます。自分でメールアドレスを入力して登録できるか確認してください。登録した内容は、Googleのドキュメントでいつでも確認できます。ちゃんと動作していることが確認できたら、コピーしておいたリンクを自分のホームページのHTMLコードに埋め込めば完了です。

登録されたアドレスは、表計算書類に次々に追加されていきますから、FileポップアップメニューからExportを選び、.csvあるいは.txtファイルとして書き出して、メールソフトに読み込ませれば良いでしょう。

4)口コミの利用:メーリングリストが運用できているという前提ですが、来場してくれたお客さんの口コミを利用させてもらいます。例えば、次回のライブに何人か連れ立ってきてくれたら、CDプレゼントとか、料金を割引とか、特典を設けて、できるだけ友達や知り合いに声をかけて、CDをまとめ買いしたり、ライブに徒党を組んで来場してもらうのです。分かりやすい例では、CDを10枚まとめて買ってくれたら、1枚分を無料にするといったやり方です。この方法で一人のファンが10枚のCDを買って、学校へ行って、9人の友達に割引価格で売っても、本人は損にならない価格設定ができれば、せっせとまとめ買いして友達にCDを売って小遣い稼ぎに使ってくれる可能性もあります。ライブチケットについても、同様の仕組みを導入できれば、さらに効果は高まるでしょう。

5)ローディとして参加してもらう:ライブやメールを介して、特定のファンとある程度親密な関係性を築けたら、ライブを手伝ってもらいます。ファンは、バンドとの個人的な付き合いを望んでいます。行き過ぎれば問題になりますが、自分たちもライブの成功に寄与したという連帯感を生み出すのはよいことです。こうしたファンは、自分たちが手伝っているライブについて友達に宣伝してくれますし、少し有名になったら「このバンド、無名時代によくライブを手伝ったよ」といった、思い出話でも間接的に宣伝してくれるのです。

まとめると、ライブに来てくれたお客さんを、いかにして次回のライブにも来てもらうか、というアイデアを練ろうということです。そのために、最も効率の良い方法がホームページであり電子メールだということです。さらに、その先でホームページを見たり、メールを受け取ったファンが、口コミで宣伝してくれる、ライブ/販売を手伝ってくれる、というところまで行けば、万々歳と言えるでしょう。この目的を達成する方法は、いろいろとあると思いますが、とりあえず、上に書いた方法をすべて試してみてください。試すだけなら無料だし、効果が少なくても、損するのは、ほんのちょっとした時間だけですから。

以上