謹賀新年

あけましておめでとうございます。

今年は、中高生バンドのためになる情報源へのさらなる進化を目指します。

SplitGigs.comの補足情報

先日、イタリアのSplitGigs.comについて触れたところ、面白そうだが使い方はよく分からないという問い合わせをたくさんいただいた。

近日中に使い方について書きたいと思うが、それまで不明な点があれば
splitgigs.japan(at)gmail.com宛に日本語で問い合わせすることもできる。

新春のご挨拶

あけましておめでとうございます

本年もよろしくお願いします。

indierevolution.jp

Tunecoreの契約改訂問題

最近、米Tuncore(日本のTunecore Japanではありません)が2013年12月12日に行ったPublishing Administrationオプションの契約内容改訂に起因した問題が、次のページなどで指摘されています:

An Artist Finally Gets the Guts to Take on TuneCore…

INDMusic is ripping musicians off w/Tunecore and Content ID

詳細は省きますが、
Publishing Administrationオプションを申し込んでいると、自動的に自分の曲がYouTubeのContentIDシステムに登録されてしまい、YouTubeからの売り上げがTuneCoreとINDMusic経由で徴収されてしまうというものです。

Tunecoreでは、アーティスト自身のYouTubeチャンネルを対象から除外するためのオプションを用意しているので、多くの登録アーティストにとって大きな問題にはならないでしょう。

しかし、この契約内容改訂について、次のような問題が指摘されているわけです:
  1. 契約改定についてアーティストに事前の通知がなかった。
  2. 自分のチャンネル以外は除外できないので、第三者が自分の曲を使った場合は、売り上げがTunecore/INDMusic経由で徴収される。

契約内容改訂が気に入らない場合は、
Publishing Administrationオプションを解除することもできます。

米Tunecoreを利用しているアーティストは、自分の契約内容について念のため調べておいた方がよいかも知れません。

3回理論という思いつき

最近、indierevolution.jpの周辺では、3回理論と言うのが話題です。

なお、3回理論と言う名称は、きちんとした技術用語でなく、indierevolution.jpで勝手に付けたものです。そして、理論と呼んでいますが、学術的な裏付けがあるわけでもありません。

3回理論を簡単に説明すると、自分の曲を未知のオーディエンスに購入してもらうには、最低でも3回の接触が必要だ、と言うことになると思います。

indierevolution.jpとその周辺の経験から言うと、未知のアーティストの楽曲を聴いたとき、それがいかに良い曲だと認めても、初めての接触では購入には至りません。そして2回目の接触でも購入しない。そして3回接触して、やっと購入する可能性が出る、というわけです。

例えば、Twitterで自分の曲のYouTubeビデオを宣伝します。ファンがそれを拡散します。

すると未知のオーディエンスにも届いて「面白そうだな」とビデオを観ます。で、「なかなかいいじゃないか」と思っても、それで終わりです。

しばらくしたら、Facebookで同じ曲のiTunes Storeのリンクを宣伝します。友達が「いいね!」してくれて、拡散します。

すると未知のオーディエンスにも届いて「面白そうだな」とiTunes Storeのリンクを開きます。で、「あれ、この曲、知っているな。なかなかいいよね」と思うけど、それで終わりです。

次にミュージックブログに同じ曲をレビューしてもらいます。ネット上にリンクが露出します。

すると未知のオーディエンスの知るところとなり、「面白そうだな」とあなたのホームページを訪問してきます。「あぁ、この曲、何回か聞いたよ。結構、気に入っているんだよな」と買ってくれる、というわけです。

このように、短期間に異なるルートで同じ曲に最低3回出会って、はじめて購入に至るというのが3回理論です。3回出会ったら必ず買うという意味ではないので、注意してください。

このような購買行動は、何度も出会ったものに対して親近感が湧くという、単純接触効果と似ているように思われます。

単純接触効果の詳細については、ネットで検索すれば出ていると思うので割愛しますが、簡単に言えば、何度も同じ曲を聴くことで、その音楽を好ましく思うようになるということです。

単純接触効果というものがあるのであれば、この3回理論という思いつきも、あながち的外れとは言い切れないでしょう。

曲やアルバムをリリースしたとき、複数の媒体で一気に情報を露出させるのはよくあることです。しかし、3回理論では、一度に露出するのでなく、短期間に繰り返し露出させる必要があります。しかも、そのルートは異なっていなければなりません(Twitterに何度もしつこく投稿したり、宣伝メールを繰り返し送りつけても、効果は望めないと思われます)。

なお、このアイデア自体は、目新しいものではありません。メジャーアーティストの新曲がラジオでヘビーローテーションされたり、CMでバンバン流れたり、よく見かける光景です。

それをインディアーティストも、ネットの力を駆使して、効果的に再現してみようという話です。

短期間に、3通りの異なるソーシャルネットワークを使って曲を宣伝して情報を拡散させるのは、インディアーティストでもできることです。それだけで売り上げへの貢献が期待できるとなれば、試して損はないと思います。

PayPal Here用カードリーダが実質無料に

バンドやレーベルがCDやTシャツなどを物販する際に、対面でクレジットーカード決済できるPayPa Hereで使用するカードリーダが、実質無料になるキャンペーンが2013年8月1日から始まる。

扱いのあるソフトバンクショップでPayPal Hereのカードリーダを購入すると、1,500円がプレゼントされるというもので一種のキャッシュバックと言えるだろう。

キャンペーンと言っているが、同様のサービスを展開し、すでにカードリーダを無料で提供している
Squareに対抗する措置なので、今後ずっと無料になるのかも知れない。

PayPal Hereの導入を検討しているなら、とりあえず8月1日まで待つのが得策だ。

SplitGigsが日本からの登録受付開始

これまで日本からは利用できなかったイタリアのSplitGigs.comで、日本からの登録が可能となった。

SplitGigsは、バンド同士が互いのギグを「スプリット」するプラットフォームだ。

例えば、バンドが自分たちのライブの対バンをSplitGigsで募集し、応募してきたバンドの音源や動画をチェックして、気に入ったバンドを選ぶという仕組みになっている。

「俺のライブで演奏させてやるから、次のお前のライブでは演奏させてくれ」という、互助精神のようなものが基本になっている。

そのため、現在のSplitGigsには、ビジネス臭が一切なく、お金のやり取りもサービス内では一切発生しない。

バンド以外にも、ライブハウスや主催者がイベントを登録して、参加者を募るためにも使える(ただし、主催者の登録は、まだ受付開始していない)。

欧州では、少しずつテリトリーを広げており、昨年は英国にも進出した。徐々にだが、認知度も高まっていると言えるだろう。

日本でもバンドが主催のイベントは、決して珍しいことではないので、案外と普及するかも知れない。

なお、現状、日本からは英語で使うことになるが、日本に需要があるようなら日本語化も可能なようだ。

ダウンロード販売で音源が音飛びしたりする

時々、「CD Babyなどのアグリゲータ経由でiTunes Storeなどのデジタル販売サービスに音源を転送すると、音飛びしていたりする。しかし、アグリゲータでは、それを修正してくれない」といった相談が来ることがある。

詳細は、個々の音源に当たってみないと分からないが、このようなケースでは、大体、オリジナルの音源の「音量」がでかすぎるのが原因だ。

このような問題が起きた音源を波形編集ソフトで開いてみて、最大レベルが0dbとかギリギリになっていたら、iTunes Storeなどのデジタル販売サービス側ではほぼ確実に音飛びすると思ってよい。

最近では、コンプレッサなどを使って音源の最大レベルを0dbにノーマライズするアーティストが多いし、それを自動で行うソフトウェアもある。

ところが、これをやってしまうと、オリジナル音源(多くの場合、WAVやAIFF)では問題がなくても、MP3やAACに変換するときに劣化が起きるのだ。結果として、音飛びのような状態の音源が販売されることになる。

これは、アグリゲータでもデジタル販売サービスでも修正はできない。

なので、iTunes Storeなどで販売するつもりなら、レベルには少しでよいので余裕を残して編集するように注意しておこう。

PayPal Hereのすすめ

PayPalが、2012年5月に発表したPayPal Hereの国内での本格展開を発表(PDF)した。

PayPal Hereは、ソフトバンクのiOS端末およびスマートフォンを使ってクレジットカード決済するための、スマートフォンに装着する小さな三角のカードリーダだ。

PayPal Hereがあれば、バンドやレーベルが、物販の際に、100円以上の販売でクレジットカードを扱えるようになる。例えば、ライブ会場や即売会でCDを売るにしろ頒布するにしろ、Tシャツを売るにしろ、同人誌を売るにしろ、クレジットカードでの決済に対応できるわけだ。

カードリーダは購入する必要があるが(オープン価格だが、実売は1,000円強)、初期費用も月間使用料も不要なので、物販の予定があるバンドは、とりあえず用意しておくと、いざという時、販売の機会を逃さずにすむ。

なお、バンドやレーベルがPayPal Hereを導入するには、PayPalのプレミアムアカウントかビジネスアカウントが必要だが、ファンは有効なクレジットカードさえ持っていれば、PayPalアカウントを持っている必要はない。

PayPalについては、ネット上を検索すれば膨大な情報があるが、
indierevolution.jpの次のページでも簡単に説明している。

2013年3月5日付の上記の発表では、全国約 2,700 のソフトバンクショップで販売開始、と書いてあるが、まだ扱いが始まっていないショップもあるので、導入を検討しているインディは、ショップに行く前に在庫があるのか、手続きは滞りなく行えるのか、確認しておいた方がよい。

なお、米国のPayPal Hereの決済手数料(2.7%)より日本の決済手数料(5%)が高い点を問題視する向きもあるが、元々、米国のPayPal Hereでもドル以外の通貨の決済では手数料(2.5%)が上乗せされるので、日本だけ特段に手数料を高く設定したと言うわけではないだろう。

また、当たり前の話だが、購入者のクレジットカードの請求書には、PayPalアカウントの登録名が記載される。店やレーベル名とアカウントの名前が異なっていると、後日カードの請求書を見た購入者から、利用した記憶がないと言ってキャンセルを申し立てられる可能性もある。

購入者が要らないと言っても、必ずレシートはメール送信することをお勧めする。念のため、商品に請求書に記載される名称に関する注意書きのメモを同封しておくのも、良いアイデアかもしれない。

FacebookよりTwitterのがよい4つの理由

CD BabyのDIY Musican Blogの4 Reasons Why Twitter is Better than Facebook for Music Marketingという記事は、興味深い。

音楽のマーケティングには、FacebookよりTwitterのが効果的という内容だ。

大ざっぱに言えば、Facebookをマーケティングに有効に使うには有料広告が必須だが、Twitterは無料で、かつ拡散しやすいからと書いてある。

インディミュージシャンがソーシャルネットワークを使う場合、あれもこれもとはいかないので、どちらか選ぶならFacebookよりTwitterに比重を置いた方がよいですよ、と言うことになるんだろう。

Fan-Boはもっと注目されていいと思う

ここには、あまりに周知のことは書かないようしているので、Fan-Boについても、どうせすぐに注目されるから放っておこうと思ってたけど、何か、あんまり盛り上がっていない風でもあるし、ちょっと書いておくことにします。

バンドがアルバム制作などのプロジェクトを企画し、サポータによる支援金を募るというFan-Boの仕組みは、最近流行りのクラウドファンディングということになります。

バンドが使うクラウドファンディングとしては、米国の
KickstarterやドイツのSellabandが有名だけど、「支援金」の額でサポートコースが分かれていることを考えると、Fan-Boは、英国のPledgemusicに近いです。

クラウドファンディングのサービスは、国内にもいくつかあるし、アーティストも利用していますが、Fan-Boがそういうサービスと異なるのは、運営しているのが
Electric Eel Shockというバンドのベーシスト、つまりミュージシャンだと言うことです。

そして、このバンド(のメンバー)がクラウドファンディングをやっていることに意味があるのは、
2008年に書いたように、バンド自身にSellabandでクラウドファンディングによるプロジェクトを成功させた体験があるからです。

indierevolution.jpでは、ミュージシャンのためのサービスは、ミュージシャンによって運営されるのが理想、と考えているので、Fan-Boを陰ながら応援せずにはいられません。

またFan-Boのシステムを見てみると、例えば、バンドが半年先のライブを企画し、そのチケットに対してサポータを募り、十分な人数が集まればライブ開催、集まらなければキャンセルというプロジェクトも可能なように見受けられます。

このライブの前に予約を取り、その人数次第で、開催かキャンセルを決定するというアイデアは、indierevolution.jpがここ5年くらい研究しているシステムで、Fan-Boは、その実現に非常に近い感じがするのです。

最近の海外の事例から、このように事前にライブの予約をとる場合、ファンクラブや
ストリートチームに任せるとうまくいくことが分かっていますので、ある程度のファンベースがあるバンドであれば、ファンのリーダ的存在と協力することで、プロジェクトが成功する可能性は高いと考えられます。

そこまで組織的にやらなくても、これまでに集めたファンのメーリングリストで告知/宣伝してもある程度の効果は見込めるでしょう。

なお、Fan-Boは英語にも対応しているので、海外のツアーを企画し、海外で支援金を集めることで、世界ツアーなんてのも可能かも知れません。

いずれにしろ、ミュージシャンがミュージシャンのために始めたサービスなのに、あまり話題になってないみたいなのが寂しいので、取り上げてみました。

New Myspaceが一般公開

ついにNew MySpaceが一般公開となった。

最初に書いておくが、まだベータ版で正常に動作しない機能もたくさんあるので、急いで使用開始する必要はないと思う。

以前、MySpaceにアカウントを持っていたアーティストは、旧アカウント情報でSign Inすることで、旧アカウントのユーザ名やURLが使える(すでにNew MySpaceで使われている場合は、使用できないことがある)。

このユーザ名やURLは、New MySpaceでまだ使われていないものへ変更できるようだ。好みのユーザ名をキープしたいなら、今のうちにSign Inしてユーザ名を確保するのも手ではある。

また旧アカウントにアップロードしていた楽曲ファイルは再利用できるが、それ以外のコンテンツは再利用できない。

上部のTake me back to Classic Myspaceをクリックすれば、旧MySpaceにログインすることもできるが、今更旧MySpaceを積極的に使う人もいないだろう。

誤解を恐れずに言えば、New MySpaceは、音楽版の
PinterestにFacebookの知り合いや友人との緩やかなコネクションを付け加えたような世界観だ。

アーティストやエンターテイナー、楽曲やアルバムを検索し、気に入ったものとConnectしていくと、自分のホームに追加されていく。逆に言うと、Connectしないと、基本的にホームは真っ白けだ。

これに、好みのジャンルの楽曲が再生されるラジオ(はっきりとは言えないが、日本向けにストリーミングする権利が取得できていないためか、現時点では日本では正常に動作しないようだ)や、気に入った楽曲のプレイリストのようなものを作って再生する機能があるので、Pinterest+Facebook+Spotifyのような感じとも言える。

自分のページを自由にカスタマイズする機能がないので、以前のMySpaceのようにアーティストがホームページ代わりに使うのは難しいだろう。

また、現状、アップロードして管理できるコンテンツは楽曲だけで、写真やビデオへの対応は、今後と言うことらしい(写真については、ストリームあるいは新しく作ったMixにアップロードすることはできる)。

せめて他のオンラインストアが提供するウィジェットや外部ストアへのリンクが貼り付けられれば、プロモーションとしての使い道も見えてくるのだろうが、今のところHTMLコードをコピーしたり、プラグインを追加する機能はないので実現できない。

楽曲をアップロードし、他のメンバーにせっせと宣伝していくら聴いてもらっても売り上げに繋がらないことは、旧MySpaceで証明されているから、今後の機能の拡充に期待するしかないだろう。

なお、楽曲再生にFlashが使われているので、スマートフォンでの利用には、モバイル版が出るまで待たざるを得ない。実際のところ、iPhoneでSign Inしようとすると、モバイルアプリを開発中とメッセージが表示されて先へは進めない。

おめでとうございます

あけましておめでとうございます

本年もよろしくお願いします。

indierevolution.jp

headliner.fmについて

どういうわけか、急に「headliner.fmって使えますか?」という問い合わせが増えてきた。

基本的にindierevolution.jpでは、日本から利用ができない、あるいは日本からの利用で効果がほとんど見込めないサービスについては、取り上げないことにしているが、headliner.fmについて、国内で興味が高まっているようなので、今回は例外的に少しだけ触れることにしよう。

インディミュージシャンなら、ネット上のソーシャルネットワークを使ったプロモーションについて、日々試行錯誤していることだろう。

ソーシャルネットワークを使って何かしらプロモーションを行えば、ファンベースの拡大や売り上げの増大に繋がることは確かだが、その効果をはっきりと実感することは、なかなかできないはずだ。

MySpaceでフレンドが3,000人いますとか、Twitterでフォロワーが10,000人いますとか、Facebookページで「いいね」が1,000を超えましたとか、ソーシャルネットワークの「つながり」を表す数字をせっせと稼いでも、その数字が売り上げにどのように反映するのか、その数字に本当に「価値」があるのか、それが分かりにくいのが実情だ。

headliner.fmは、このソーシャルネットワークのつながりの数に、具体的な「価値」を与えたはじめてのサービスと言ってよいだろう。

headliner.fmがどのように動作するか、その手順を単純化して説明しよう:

  1. 自分のイベント、楽曲、アルバムなどを宣伝するための短い宣伝文句を書く。
  2. 他のメンバーに対して、上記の宣伝文句をそれぞれのソーシャルネットワークへ転送してくれるようにリクエストを出す(自動)。
  3. リクエストを受け取ったメンバーは、宣伝文句の内容を読み、問題がなければ、自分のソーシャルネットワークにそのまま転送する(半自動)。

あなたが自分のソーシャルネットワークを使って宣伝を配信しても、結局、すでにつながりがあるファンにしか届かないが、上記のように他のアーティストのソーシャルネットワークを使って拡散すれば、今まで接点のなかった、新しい音楽ファンにメッセージが届くということなのだ。

Twitterで1,000人のフォロワーがいる10人のアーティストが転送してくれれば、単純に考えて、本来届かなかったはずの10,000人の音楽ファンにメッセージが届くというわけ。

しかも、特定のアーティストとソーシャルネットワークでつながっているのは、ほとんどがそのファンである。そんなファンは、自分が好きなアーティストが「これ聴いているよ」や「これ気に入った」と書いたアーティストや曲について興味を持ち、チェックする可能性が高い。

リクエストを受け取ったアーティストが宣伝文句を許可して転送すると、Karma Cashというポイントがもらえる。このポイントがたくさんあると、自分がリクエストを出す時に、より多くの他のメンバーへリクエストを出すことができる(ポイントを買うことも可能)。

余談だが、登録時にFacebookページ、MySapce、Twitterのつながりの数に応じてポイントがもらえるので、登録後、即座にリクエストを出すこと(キャンペーン)も可能だ。

ちなみに宣伝文句は、他のアーティストが自分のアカウントからそのまま投稿できるように、最初から「今、このバンドの新曲聴いてます。癒されます」のようなそのアーティスト視点で、かつ宣伝色を排除しなければならない。「俺たちの新曲聴いてくれ。もう最高!」などと書けば、間違いなく、誰も転送してくれないだろう。

ここまで読むと、それってステルスマーケティングじゃないの?、と思うかも知れない。

確かに、あなたが自ら書いた宣伝文句を、他のメンバーに、あたかもそのメンバーが書いたかのようにソーシャルネットワークに投稿してくださいとお願いするわけだから、ステルスマーケティングと誤解されるかも知れない。

しかし、headliner.fmは、ある一点において、ステルスマーケティングとは一線を画している。それは、宣伝文句の転送を行うのも、アーティストであると言うことだ。

つまり、リクエストを受け取ったアーティストは、ポイント欲しさに無条件に宣伝を転送するのではない。なぜなら、その宣伝文句は、そのアーティスト自身のアイデンティティに関わってくるからだ。

例えば、フォークシンガーがラッパーのリクエストに応えて「indierevの最新ラップ、魂のライム、心にくさび打ち込む」などという宣伝文句を自分のTwitterに投稿するだろうか?

また、仮にジャンルが同じであってさえ、今ひとつのバンドについて「このバンド、最近で一番良い」などと嘘を投稿するだろうか?

そんなことをすれば、アーティスト自身の感性が疑われるだけだ。

つまり、リクエストを受けたアーティストは、そのバンドの情報を確認し、ホームページを確認し、楽曲を試聴し、確かに良いじゃないか、と確信を持ち、その宣伝を転送しても恥ずかしくないと判断して、はじめて転送を許可するのだ。

これは、ステルスマーケティングとは、まったく異なる。

つまり、アーティスト同士が互いの宣伝を助け合うという、一時MySpaceなどの音楽系ソーシャルネットワークに期待されたようなシステムを、限りなく簡便で効率のよい方法で実現したら、結果として、ちょっとステルスマーケティングっぽくなったということだろう。

で、どれくらいの効果があるのか、ということなのだが、ジャンルや宣伝文句の内容、キャンペーンの規模にもよるので一概には言えないが、indierevolution.jpが約2年間試した感じでは、一般的な一回のキャンペーンで、少なくとも3,000人から10,000人くらいにはリーチするという感触だ。

こんなに素晴しいサービスだから、どんどんお薦めしたいところだが、いかんせん、ほとんどのメンバーが米国人のため、そのソーシャルネットワークのつながり先も、米国人ということになってしまい、日本から効果的に利用できる可能性がほとんどない。

唯一、効果が期待できるのは、海外のiTunesや他のオンラインストアでダウンロード販売をしており、海外の音楽ファンに訴求する音楽を作っているアーティストが、海外の新たなファンの開拓を目指す場合だけだろう。

海外で比較的受けやすい、ヒーリング、ビジュアル系、アニソン系、エレクトロ、などのジャンルなら、試してみても良いのかも知れない。

ただし、まちがっても宣伝文句を日本語で書かないように。

Android向けFlash Playerの終了

2012年6月にAdobeが発表した通り、この8月15日で、モバイルブラウザ向けFlash Playerの提供が終了した。

今後、AndroidでFlashの再生はできなくなる(Adobe Airを使う道は残っている)。

リッチでインタラクティブなコンテンツの再生に重宝したFlashがAndroidに対応しないとなると、代替技術を探す必要があるが、欧米主要国のネット利用者の過半数がパソコンでなく携帯端末という時代を迎え(日本では、以前から過半数が携帯端末だ)、俄然注目されているのが、モバイルウェブだろう。

モバイルウェブは、通常のホームページと同じようにURLを指定すると開くが、開いたページは、スマートフォンのネーティブアプリ同様の動作をするという、携帯端末を想定した技術である。

ブラウザが対応していれば、パソコンでもスマートフォンでも、プラットフォームに関係なく、同じように動作する点も特長だ。

とはいえ、モバイルウェブのHTML5+CSS3+Javascriptという開発環境は、誰でもすぐに使用できるものではない。また、FireFoxやOperaなど、完全対応していないブラウザもある(これは、HTML5自体が、まだ確定した業界標準仕様ではないこととも関係しているだろう。確定すれば、すべての主要ブラウザが完全対応するはずだ)。

いずれにしろ、Flashを使ったウェブサイトをAndroidで利用することは、今後できなくなるわけだから、これからホームページを作る、あるいはリニューアルを予定しているインディは、モバイルウェブの使用も検討したほうが良い。まだまだネット上に情報は少ないが、「モバイルウェブ」と「バンド」と「アプリ」などで検索して調べてみるとよいだろう。

モバイルウェブについて

先日、モバイルアプリについて書いたところ、すでに公式ホームページもあり、ブログもあり、Mixiもあり、Facebookもあり、Twitterもあり、と、最新情報を発信するために更新し続けなければならないメディアがたくさんありすぎて、さらにモバイルアプリも扱うなんて無理だ、という反応がありました。

一つ誤解して欲しくないのは、indierevolution.jpでお勧めしているモバイルアプリは、iOS端末やAndrodi端末専用の、いわゆるネーティブアプリではなく、モバイルウェブと言う手法で開発されたアプリであるという点です。

モバイルウェブは、HTML5、CSS3、Javascriptという技術で開発された、新しい形式の「ウェブサイト」です。だから、HTML5、CSS3、Javascriptに対応しているiOSやAndroidのようなスマートフォンで開くと、どちらでも同じように、あたかもネーティブアプリであるかのごとく動作するのです。

そして、最近では、Google ChromeやApple Safariのようなウェブブラウザが、HTML5、CSS3、Javascriptに対応しているので、PCでもMacでもモバイルウェブをChromeかSafariで開けば、スマートフォンで開いたようにアプリとして使用できます(パソコンの画面は大きいので、サイズのバランスは少し変になるでしょう)。

IEとFirefoxについては、HTML5、CSS3、Javascriptに完全対応していないため、正常に表示させられませんが、こうしたウェブブラウザも遅かれ早かれ、完全対応するでしょう。

つまり、モバイルウェブで開発されたモバイルアプリなら、近い将来、スマートフォンに限らず、パソコンでも普通に利用できるようになるのです。

となると、先を見越して、今からモバイルウェブを用意しておき、時機が来たら、公式ホームページをモバイルウェブに統合するというのは、よいアイデアのように思われます。

すでに使っているメディアにさらにモバイルアプリが増えるのでなく、冒頭で触れた「公式ホームページ」をモバイルウェブに置き換えるわけですから、手間が増えるということはないでしょう。

おめでとうございます

あけましておめでとうございます

本年もよろしくお願いします。

indierevolution.jp

おめでとうございます

しんねんあけましておめでとうございます

本年も、よろしくお願いします。

indierevolution.jp

USA Todayが歌を募集

米国の全国紙、USA Todayがメキシコ湾の原油流出事故に関する歌をアマチュアソングライターから募集中だ。日本からの応募が可能なのか、明記していないが、
http://content.usatoday.com/communities/ondeadline/post/2010/06/songwriters-send-us-your-original-song-on-the-tragedy-in-the-gulf/1?csp=obinsite
のビデオを観て、その内容と長さに合うオリジナルソングをMP3として、このページに記載されたアドレスに、歌詞と一緒に、2010年8月1日(米国時間)までに電子メールで送付すれば応募できる。

優秀作品は、USA Todayのキャンペンなどに使われるようだ。その際、USA Todayに対して、無償で利用できるライセンスを与えることになるので、注意して欲しい。すべての権利は、オリジナルの作者に残るので、話題になれば、録音し直して世界で発売と言うこともあるかもしれない。

いずれにしろ、名前を売るにはいい機会かもしれない。

なおプロの応募はできないので、念のため。

オンラインでいくら売ればいいか

Information is Beautifulが、How Much Do Music Artists Earn Online?という面白い記事をアップした。

これは、米国の最低賃金である$1,160(約10万円)/月を稼ぐのに、特定のオンラインサービスで、どれだけ月間の売り上げればいいかを視覚化したものだ。

例えば、1枚$9.99(約千円)の自作CDの場合、143枚売ればいいらしい。ちなみにCD Babyが例に出ていて、CD Baby経由なら、155枚だそうだ。

これが、いわゆる流通経由となると、アーティストの取り分はがくんと減るので、1,161枚が必要だ。

iTunesとNapsterでのアルバムのダウンロードは、1,229枚だ(これはレーベル経由の場合なので、CD Babyのようなアグリゲータを通せば、150枚くらいになると思う)。

Rhapsodyのストリーミングは再生回数が849,817回で、Last.fmでは1,546,667回、Spotifyに至っては4,549,020回だ。

こうして見ると、やはり自作CDを自分で売るのが一番効率が良い。月に150枚くらいというのは、決して夢物語ではないだろう。

現実問題として、在庫の管理や出荷などを考えれば、ライブで手売りしつつ、CD Babyのようなオンラインの委託販売を使うのが、最も効率よく、効果的だと思われる。特にCD Babyを使えば、iTunesなどの主要なデジタル流通パートナーが利用できるので、そのメリットは大きい。

同時に、Last.fmのようなストリーミングは、売り上げという点から見ると、非常に効率が悪い。オンラインラジオもラジオである、という考えに立てば、これは当たり前なのだろう。もともとテレビもそうだが、ラジオなどのメディア媒体は、プロモーションとしての価値は高いが、ヒットでもしなければ、それ自体の売り上げはほとんどないのが普通だ。

デジタル優勢の時代ではあるが、CDを無視するのは早計だし、メジャーなサービスも特徴を理解せずに使っていては、いつまでだっても音楽で飯は食えない、ということが分かる記事だ。

Cheap Trickが新譜を8トラックで発売

Cheap Trickは、新譜、The Lastestを8トラックテープで発売するそうだ。アメリカのロックバンドの新譜が、日本で8トラックで発売されるとは思えないので、詳細は省くが、狙いは「話題性」ということだ。

話題性を狙う、というのは、無名バンドの戦略のように思うが、Cheap Trickのマネージャ、Dave Freyによれば、バンドの心境は「違法コピーされるより、無視される方が怖い」ということらしい。

SHM-CDを試す

Indie Revolutionでは、通常のCDと異なる液晶パネル用ポリカーボネート素材を使うことで、音質が向上するとされるSHM-CD(Super HIgh Material CD)が発表された時から注目してきた。それは、このような素材がCD-Rにも使用できるようになれば、高音質な音源を希望するリスナー向けに、インディがCDを作り続ける意味が出てくると考えたからだ。

ユニバーサルミュージックでは、誰もが簡単にその効果を体験できるように、「これがSHM-CDだ! ロック/ソウル/ブルースで聞き比べる体験サンプラー」、「これがSHM-CDだ! ジャズで聞き比べる体験サンプラー」、そして「これがSHM-CDだ! クラシックで聞き比べる体験サンプラー」という3枚のサンプラーを各1,000円で発売している。このCDは通常版とSHM-CD版の2枚組構成で、様々なアーティストの曲をコンピレーション方式で収録してある。この2枚を同じ環境で聞き比べて、その違いを身を以て体験してほしい、というわけだ。実は、今年の5月にも「これがSHM-CDだ! ロックで聞き比べる体験サンプラー」を同じく1,000円で発売しているが、その時は、すぐに売り切れたそうで、SHM-CDの注目度の高さが分かる。

しかし素材を変えただけで、本当に音質が向上するのだろうか? 実際、インターネット上をSHM-CDで検索すると、「確かに高音質」、「音は違うが高音質とは言えない」、「全く変わらない」、など、様々な感想や意見が書かれていて、万人がその効果を認めているわけではないことが分かる。また多くの人が色々な実験や分析を行っていて、記録されているデジタルデータはビット単位で同じことが分かっている。

なお、「SHM-CDは、通常版とマスターが違う」とか「SHM-CDは、通常版とスタンパーが違う」などと書かれていることがあるが、それは嘘、あるいは不確かな噂であり、メーカーもその辺を意識しているのか、今回のサンプラーの雑誌広告などでは「同じスタンパーを使っている」と明記している。同じスタンパーを使っている以上、違う音が鳴れば、それは素材の差ということになる。

まず「これがSHM-CDだ! ロック/ソウル/ブルースで聞き比べる体験サンプラー」を聴き比べてみたが、何となく音が違うように思えるが、確信が持てない。思い込みを考慮して判断すれば、「同じ」と言わざるを得ない感じだ。ところが、次に「これがSHM-CDだ! ジャズで聞き比べる体験サンプラー」を聴き比べてみると、明らかに音が違う。SHM-CDの方が空気感というのか、音に奥行きと臨場感があり、よりナチュラルでアコースティックな感じがする。CDというよりアナログレコードに近い感じだ。

と言っても、耳で聞いている限りそれは主観以外の何ものでもない。そこで通常版とSHM-CD版を同じパソコンで再生し、その音声出力がスピーカから出力される直前で横取りしてソフトウェア的に録音してみた。その波形データを比べてみると、確かにところどころ微妙に違っている。

単純に言えば、波形データに違いあるというのは、音量に違いがあるということだ。波形が所々違うということは、楽曲の特定の場所でなっている楽器の音量が違っていると考えられる。波形データをつぶさに分析すれば、どの楽器で音量が違っているのか分かるだろう。そこから特定の周波数を持つ楽器の音量が引き上げられた(あるいはその逆)ことも分かり、結果、SHM-CDが持つある種の再生特性も知ることができるはずだ。

しかし、そこまでやる時間がないので、手っ取り早く波形データをスペクトラム分析してみると、どうも中音域では厚みが増しているが、極端な低音と高音は薄くなっているように感じられる。もっと徹底的に調べてみたいが、とりあえずはSHM-CDは通常のCDと音が違うということが分かったのでここまでにしておく。

なお
CD-Rの説明でも書いたが、もともとCDは素材を変えれば音が変わることはよく知られており、当たり前のことだから、SHM-CDと通常のCDの音が違うからと言って、即SHM-CDの方が高音質ということにはならない。そこで、難しいのではあるが、耳で聞いた感じから、SHM-CDの特徴を説明してみよう。

前述の通り、「これがSHM-CDだ! ジャズで聞き比べる体験サンプラー」を聴いてみると、空気感というか臨場感が通常版より高まっているように思える。誤解を恐れずに書けば、ホワイトノイズのような雑音が増えたような気がするのだ。

宅録をやっているアーティストなら、マスタリングの際に、中音域の周波数帯にあるノイズを嫌って中音域を下げると音が痩せていく、という現象を経験していることだろう。かといって、中音域を上げていくとノイズが増加する。あるいはデジタルレコーダを複数使っているアーティストなら、R-09HRはクリアな音で録音されるが、MR-1だと全体にざわざわしたノイズまで拾って録音してしまう、という感覚を知っているだろう。しかしその臨場感では、MR-1の方が圧倒的に上だ。あるいはギタリストなら、アンプのボリュームを最大にするとノイズが乗り始めるが、その状態でギター側のボリュームとトーンを調整することで、より厚みのある暖かい音を出すテクニックについて読んだり、聞いたり、実際に実践したりしていることだろう。SHM-CDの音もそんな感じのノイズが乗っており、それがナチュラルでリアルな雰囲気を生み出している。

これはジャズやクラシックなどアコースティック系のアーティストにとって重要な事実だろう。なぜ「これがSHM-CDだ! ロック/ソウル/ブルースで聞き比べる体験サンプラー」では、この感じがしないのか、ということは、想像するしかないが、ロックなどでは元々の音源に「空気感」というものが定着されていないものと思われる。これは録音方式やマスタリングの方向性にも関係しているのだろう。仮に小さなライブハウスで簡単な設備と機材で録音したような音源ならば、ロックであってもジャズと似た結果になっていたのかも知れない。

なおSHM-CDの話をすると、「明らかにCDより高音質のSA-CDやDVD-Audioがあるではないか」と言う人がいるが、それは全く違う話だ。SHM-CDは、普通のCDプレイヤで再生できる点こそが重要であり、SA-CDやDVD-Audioと比較することに意味はない。

SHM-CDがそれなりにCDの音質を向上させてくれるのだとして、問題は、インディがそれを自由に使えるようになるか、ということだが、今のところCD-Rに採用されるという話は聞いたことがない。なお、SHM-CDの対抗馬として
HQ-CDというものも登場している。近い将来、このどちらかがCD-Rで流通するようになることに期待したい。

おめでとうございます

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

これはためになる、佐野元春氏のブロガーミーティング

本来、indierevolution.jpでは、他のブログや特定のアーティストのウェブページへ参照のためだけのリンクを貼ることはしないのだが、先日行われた「佐野元春 ブロガーミーティング」の報告だけは、無視することができなかった。他のブログでも紹介されていると思うが、ナタリーが詳細だったので、リンクさせていただく。ここで語られている内容は、アーティスト、クリエータ、ソングライター、プロデューサ、エンジニア、マーケッタを問わず、プロ、アマ、メジャー、インディを問わず、音楽を制作するすべての人に有意義なものだ。音楽とは誰のものなのか、また、誰のために音楽を作るのか、とう問いに対する、一つの、そして重要な回答でもあると言えよう。

The Eaglesの新譜が発売間近

ここのところ、Radiohead、Prince、Paul McCartney、Madonnaと、メジャーレコード会社を離れる動きが加速化しているが、今月末にWal-Martだけ(The Eaglesの公式ページでも販売されるようだし、Wal-Martと流通提携している他のストアにも並ぶようだ)で発売になるThe Eaglesの新譜も詳細が決まって来たようだ。長らく曲数と価格は未定だったが、全20曲で、$11.88(ダウンロードは$10.88)になったらしい。ここまで来ると、すでに新しい時代は始まってしまったことを実感せざるを得ない。レコード会社は、長らく、アーティストの発掘と育成、プロモーション、そしてCDの流通が仕事と言い張っており、育成とプロモーションも請け負うことで、アーティストに対して強い立場を堅持し続けて来た。

しかし、よく考えてみると、アーティストの発掘や育成は、もう数十年行われていない気がする。確かにレコード会社は、プロモーションに莫大な予算を計上しているように見えるが、それは元が取れることが分かっているメジャーなアーティストに対してだけで、その他大勢については、プロモーションなど格好だけというのが実情だ。逆に、今やインディアーティストがインターネットで見出され、インターネット上にコミュニティが構築され、アルバムやライブのプロモーションもインターネットで行われる時代だ。するとレコード会社の仕事は、CDの流通しか残らなくなる。それさえも売り上げが毎年落ち込んでおり、アーティストの活動に対する影響力は低下の一途をたどっている。

こうなると、もうレコード会社との契約が本当に必要なのか、疑問を持つアーティストが続出するのは当然だ。特に、逆説的だが、レコード会社の恩恵にあずかりやすい、メジャーなアーティストこそ、レコード会社なしでも十分に活動できる環境が整いつつある。ちょっとお金を持っているWal-martやStarbucksなどが、アーティストの意思を尊重する独自のレーベル機能を提供し始めれば、アーティストに取ってはメジャーなレコード会社との契約を更新する必要は無くなる。

いくらレコード会社の影響力が低下したとは言え、アーティストがアルバムを録音し、プレスし、CDを流通させ、デジタル販売も行うには、そこそこお金もかかる。メジャーなアーティストがメジャーレコード会社を離れたと言っても、誰かがそうした仕事をしなければならない。そこで中小のレーベルや、異業種から参入して来る新世代のレーベルにビジネスチャンスが巡って来ることが予想できるのだ。

インディレーベルも積極的にインターネット時代のプロモーションスタイルに挑戦し、早い内にノウハウを身につけることが重要だ。

Nine Inch Nailsに見るインディの必然性

すでにご存知の向きも多いと思うが、Nine Inch NailsのTrent Reznorは、彼らのアルバムYear Zeroのオーストラリアでの定価が34.99豪ドル(3,500円程度)に設定されたことで、今年5月に、自身のブログを通じてレコード会社UMG(ユニバーサル)に対して文句を言っている。レコード会社が自ら招いた苦境を消費者から搾り取ることで乗り切ろうとする考え方は間違いだというわけだ。オーストラリアは日本同様に、英米よりもCDが高いが、この価格設定は、多分、最高値の部類だ。しかも5月に行われたこの抗議に対して、UMGの幹部は、コアなファンはいくらでも金を払うんだからいいんだ、といった回答をしたと伝えられている。

そのTrentが、この9月16日にシドニーのホーデーンパビリオンで行われたNine Inch Nailsのライブで、観客に向かって、レコード会社が消費者から搾取し続ければ音楽は盗まれて当然だ、というニュアンスで「俺たちのアルバムをどんどん盗んで友達に配れ、そして盗み続けろ(
Steal it! Steal, steal, and steal some more and give it to all your friends and keep on stealing.)」と煽動した。その怒りの大きさが計り知れる事件だろう。なお一部の報道で「(CD)を盗め」と言ったとされているが、彼の過去の「レコード会社が消費者から搾取を続けるから、音楽を盗むファンが出て来ても仕方ない」といった発言から推すと、CDを万引きして配れと言ったのではなく、P2Pで音源を配りまくれ、と言ったと考えるのが妥当だろう。

この5月の騒動でも、ファンから搾取することになるマキシシングルはもう出さないと言っているし、その後の一連の流れから、Nine Inch Nailsが遅かれ早かれUMGを離れ、インディレーベルでの活動に移行するものと考えられる。

レコード会社がアーティストの意向を無視して、アーティストと全面戦争になった例は、Princeや
George Michaelの例を出すまでもなく、日常茶飯事だ。しかし、以前なら世界的な成功にはメジャーレコード会社との契約は必須だったが、今は時代が違う。ファンを大事にし、ライブを活動の中心に据えるなら、そこにインディたる必然性が生まれる時代だ。日本でも、夢はメジャーデビューというインディが多いようだが、この機会に一度、インディとしての活動の真の意味を見つめ直して欲しいものだ。仮に今見つめ直さなくても、海外では、時代がインディの方を向いていることは事実で、遅かれ早かれ日本でもインディのパラダイムシフトが起きることは避けられないから、否応無しにインディの再定義は迫られることになる。

ugayatvの第19回が公開

インフォバーン社の月刊誌サイゾーの2006年4月号に掲載されたオリコンに関する記事の情報提供者でしかないジャーナリスト、烏賀陽氏を、オリコンが名誉毀損で訴えた民事裁判について、烏賀陽氏本人がビデオで解説をするugayatvの第19回、「不可解な訴訟のせいでオリコン株価暴落」がこの17日に公開された。indierevolution.jpでは、この裁判にずっと注目してきた。それは言論封殺とか、乱訴とかそう言った権利や法律の問題としての側面に興味があるからではない(そう言う問題は、裁判所で自ずと結論が出ることだから)。音楽チャートの仕組みそのものについて常々疑問を持っているからだ。音楽に限らないが、チャートの多くは、操作されている。それは厳然たる事実で、「独自」の調査とか係数とか判断といった言葉で説明されている。チャートというのは、総合的に市場の動きを表す必要もあるので、独自の調査や過去の経験、統計的にはじき出された係数などを使って操作することは、必ずしも悪いことではない。問題は、今回のように、本来民事訴訟の相手にはならない情報提供者だけを訴え、文句を言うものは社会的に抹殺する、という態度をあからさまに見せる会社のチャートが、信頼できるものなのか?、という点だ。実際、この裁判が始まってから、オリコンの株価は急落している。オリコンの多角化戦略の失敗が見え始めていた時期でもあるので、裁判だけで株価が下がったとは思わないが、裁判を続けることで信用を失い続けていることは事実だろう。このような裁判を続ければ、総合的に判断されているはずのチャートも、どこか恣意的に操作されていたのではないか、という疑問が出るのは当然だ。メジャーなメディアでは、全く扱われない訴訟なので情報が少ないが、ネットを検索すれば、インディの皆さんも、今一度チャートというものについて考える機会となる様々な資料や意見が見つかるだろう。