業界情報

OnesheetがV2に

FacebookやYouTube、MySpaceなど、複数のサイトに散逸する情報を、一つのホームページにまとめてくれるOnesheetが、V2にアップグレードした。

V2の目玉は、Amazon MP3やCD Babyなどのストアウィジェットへの対応だろう。

また、ミュージシャン以外にも、映画やTV番組、コメディアンなど、あらゆるエンターテイメントのジャンルで対応できるようになった。

インディミュージシャンにとって嬉しいのは、これまで有料だったカスタムドメインが無料になったことだ。これで、ホームページを持っていないミュージシャンがOnesheetをホームページとして利用することも可能になる。

英語のサービスで、対応するサイトも海外のものばかりだが、無料でほとんどの機能が使えるので、海外展開を視野に入れているインディは、試してみても良いだろう。

FostexがiPhone 4用オーディオインタフェースを発表

Fostexが、iPhone 4用のオーディオインタフェース、AR-4iを2011年7月28日に発売すると発表した。

ポータブルレコーダに期待されるほとんどの機能を網羅しており、仕様的にいえば、これまでに出たPCMレコーダのイイトコ取りみたいな感じだ。

マイクとラインの2系統同時入力によるミックスにも対応しているようなので、高音質なライブ録音が可能だろう。

まだ値段も分からないし(市場価格は13,000円程度が予想されている)、音質や各種設定の効果も試さないと、評価はできないが、Fostexというメーカはプロ指向が強いので、大いに期待したい。試す機会があれば、ここで結果を報告させていただく予定だ。

インディによる利用という点から考えると、録音フォーマットとアップロード機能が重要になるだろう。特に、
おみやげ音源のパソコンと併用するのページで紹介したような、MP3で2時間録音して、録音完了後、即サーバにアップロードといった使い方ができないと、他のレコーダと大きな差別化はできまい。

CD BabyがAirPlay Directと提携

AirPlay DirectがCD Babyのメンバーに対して、年間契約料金を通常の半額の$25にすると発表した。

提携と言っても、現時点では、具体的にカタログなどが連動するわけでなく、料金割引のキャンペーンを行っているだけのようだ。

AirPlay Directについては、いつか、ここでも書いてみたいと思っていたが、日本向けにサービスを提供していないので、保留にしておいたものだ。

AirPlay Directのサービスとは、簡単に言えば、アーティストおよび楽曲のラジオ局への売り込みだ。このラジオ局には、地上波とインターネットラジオが含まれている。

ラジオ局の担当者は、見知ったアーティストの名前やジャンル、あるいはAirPlay Directが提供するリアルタイムのチャートから、面白そうな曲を見つけると、専用のリンクから放送用品質のファイルとしてダウンロードして、そのまま放送できる仕組みだ。

なおアーティストが楽曲と一緒に登録したデジタルプレスキットは、ラジオ局だけでなく、ブッキングエージェントやプロモータ、メディアにも転送される。

登録した楽曲をプロモートするサービスは、ネット上に山ほどあるので、AirPlay Directもその他大勢のサービスの一つかと思ったら、大間違いだ。

それは、
Dolly Partonとのエクスクルーシブな契約やRoy OrbsonのThe Last ConcertやPaul McCartneyの息子、James McCartneyのデビューミニアルバムなどをエクスクルーシブに提供していることでも分かる。

日本では、放送局とJASRACの間の包括契約にまつわる問題が壁となって、JASRAC信託していないインディの曲がラジオでかかる可能性は、ほぼ皆無という現状だが、このようなシステマチックで簡単で合理的なサービスが登場すれば、日本の状況も、インディにとって改善するかも知れない。

アルバムの値段を100円にするべき!?

英国Warner Musicの元幹部Rob Dickins氏がBBC Newsに対し、アルバムの値段を1ポンド(現在の為替レートで約130円)にすればファイル共有などによる違法コピーの問題は解決する、と語って話題になっている。彼は、これを「革命」と表しているようだ。

現在、英国のヒットアルバムの値段は、約7ポンドから6ポンド位だから、これは1/7の値段だ。

Dickins氏は、値段を1ポンドにすることにより、ヒットアルバムなら2億枚売れると予想している。これは、現在のヒットアルバムの約25倍程度の枚数だ。値段を1/7にすれば25倍売れるのであれば、確かに勘定としては合っている。

アルバムが100円なら、興味のあるアルバムがリリースされた際に買おうかどうか迷うことがなくなり、欲しければその場で買う、衝動買いのような購買行動が起きると言うのがその根拠のようだ。

ニューアルバムが100円なら、確かにファンは躊躇なくそのアルバムを買うだろう。そしてトップアーティストのファンは、世界に億単位で存在するから、すぐに数億枚売れることもあり得る。

またPrinceが2007年にPlanet Earthアルバムを、新聞の読者に無料で配ったケースをとり上げ、結果として、比較的安価な新聞代でアルバムを販売することによって話題となり、ロンドンのO2アリーナでのライブを21日間完売させた、とその二次効果も指摘している。

問題は、アルバムを大量消費材と同じように扱って良いのか、ということだ。

音楽は、芸術であり、まな板とは違う、という意見もある。同時に、録音された音楽は死んだ音楽で、価値はない、という意見もある。後者の立場に立てば、アルバムを100円で売ることに抵抗は無いだろう。

すべてのアルバムが100円であるべきと言うのは、ちょっと極端というか、行き過ぎな意見だが、そんなマーケティングがぴったり来るアーティストやジャンルと言うのが存在する可能性は否定できない。

メジャーレーベルがいきなりニューアルバムを100円で売り始めるとは思えないが、何でも自分で判断し、自由に実験できるインディ側から、そんな動きが出て来て、まさにインディによる革命が始まれば面白いことは確かだ。

The Indie BibleをCD Babyメンバーに30%引き

The Indie Bibleが最新版のThe Indie Bible 2011をCD Babyメンバー向けに30%引きで提供中だ。

The Indie Bibleには、インディの作品に興味を持つ、全世界(主に北米)の4,200の出版物、3,600のラジオステーション、600のレーベルおよびディストリビュータ、500のウェブサイトの合計9,000以上のコンタクトがリストされている。

なお、印刷版は10月発売だが、その電子版(The Indie Bible 12th Edition)がすでに購入可能で、日本への送料もかからないことを考えると、この電子版を注文するのが賢い選択だろう。

英語のページで
PayPalクレジットカードで購入すると、PDF版をダウンロードするウェブページのURLが電子メールで届くので、そのページの指示に従ってCLICK HERE to open your copy of The Indie Bibleをクリックしてダウンロードすることになる。ブラウザがAdobe Readerを使ってこのPDFファイルを開いてしまう場合は、左上のフロッピーディスクアイコンをクリックして、ファイルをハードディスクにダウンロードして保存すれば良い。

また、カナダと米国のバーや劇場を含む32,000のライブハウスと3,500のブッキングエージェントの連絡先がリストされたThe Indie Venue Bible(電子版のみ)も同様に提供されている。その中には3,000以上のフェスティバルと2,000以上のカレッジも含まれている。

北米でのプロモーションを考えているインディには、まさに必携のバイブルだ。

MIDEM Knowledgeが公開

毎年初にフランスで開催される音楽業界のイベント、MIDEMの今年のコンファレンスやパネルの内容などがMIDEM Knowledgeで公開となった。世界の音楽業界の動きに興味がある人は、要チェックだ。

Danger MouseがブランクのCD-Rを発売

EMIによるDanger Mouseの新譜、Dark Night Of The Soulの「法的な問題」を理由にした発売中止を受け、Danger Mouseは、このアルバムを通常のジュエルケースにライナーノーツと共に収められたブランクCD-Rとして発売すると発表した。

ブランクCD-Rを買ったファンは、インターネットから無料で楽曲をダウンロードして、自分でCD-Rに焼いてオリジナルCDを制作できるということだ。

例外的なケースだから、これが何か新しいビジネスモデルを示唆するかどうかはまだ分からないが、ダウンロードの利便性と自由度を活用しつつ、好きなアーティストの作品をメディアとして所有したいというファンの欲求を満たす面白い試みになるかも知れない。

Mobbaseに注目

しばらく前に、SpinAppというインディアーティストがiPhone Appを作って公開できるサービスを紹介したが、似たようなサービスで、MobBaseというのも面白い。

MobBaseは、SpinAppやFacebookと比べて、初期費用が圧倒的に安いのが特長だ。興味があれば、アカウントを作ってアプリケーションをデザインするところまでは無料で試せるので、とりあえずアカウントを開いて、デザイナを触ってみるのがいいだろう。

初期費用が安いと言っても、ファンの数が増えると毎月の費用は高くなっていく仕組みで、多くのファンがいるアーティストは、事前によく計算して必要な費用の予測を出した方が良い。

なお、Facebookは、もちろんFacebookという有名なサービスがバックにあるし、SpinAppは
Fizzkicksの兄弟サービスだからいずれFizzkicksの資産がそのまま流用できるようになるはずという、付加価値がある。その点を考慮すると、MobBaseのメリットはとにかく料金の安さに尽きるとは言える。

ナップスタージャパンがサービス終了

米NapsterとNTTの子会社であるタワーレコードとの合弁で始まったナップスタージャパンが、2010年5月31日で約4年間続いたサービスを終了すると発表した。

Napsterは、大成功しているとは言えないが、海外のデジタル音楽販売サービスとしては、iTunes、Amazon、Walmartに続く売り上げがあり、まだ挽回の余地が残っていると思われるだけに、日本からの撤退は残念だ。

Napster本体は、すでに欧米でミュージックをDRMフリーのMP3で販売しているが、ナップスタージャパンがそれに追随するには、超えなければならない様々な障害が予想されるわけで、撤退も仕方ないのか知れない。

Naspterが、WMAのDRMの呪縛から抜け出すことで、Macintoshユーザにも門戸が開放されたのは、Napsterにとってよいことだと思われる。というのも、Macintoshユーザは、Windowsユーザよりもネット上の滞留時間が長く、ソフトウェアも含め、デジタルコンテンツに支払う額もWindowsユーザの数倍あるということが各種調査で再三指摘されているからだ。

日本でもMacintoshに対応すれば、復活の目はあったと思うが、国内の主要レコード会社がDRMに固執している現在、サービスの継続は望むべくもなかったということなのだろう。

レーベルゲートがmora touchを発表

すでに旧聞に属するが、レーベルゲートがAndroid携帯向けの音楽配信サービス、mora touchをこの4月から開始すると発表した。

アンドロイド携帯向けとは謳っているが、実際には、Docomoが4月から発売するソニーエリクソンのスマートフォン、Experia(tm)用のサービスで、他のAndroid携帯との互換性については、現時点では明言されていない。Android携帯のDRMについては、国内でも春までに相当試験が行われるということなので、サービス開始時点では互換性も確保される可能性はある。

Docomoが販売するくせに、子会社であるNapster用のAndroidアプリを用意しないところからして、SONY主導の製品であることは明らかだろう。

興味深いのは、DRMとしてATRACでなく、AndroidのDRMを採用した点だ。Androidというくくりである以上、選択肢はなかったとは思うが、mora winにしろmora touchにしろ、徐々にATRACという足枷から解放されつつあるのはいいことだ。海外同様に、SONYが日本でもATRACを放棄する日も近いかもしれない。

indierevolution.jpは、レーベルゲートやその主体であるSONYのビジネスについて興味がないから、とりあげるつもりもなかったニュースだ。moraにしても、パソコンおよびポータブルオーディオプレイヤ向けのデジタル販売サービスとしてのシェアが低すぎて、インディからすれば、どうでもいいという感じだろう。

しかしAndroid携帯を第二のiPodと見て、その市場に期待しているインディも多くいるようで、どうやってAndroid携帯向けに楽曲を販売すればいいか、という問い合わせがindierevolution.jpにもちらほら来るのだ。

なので、Android携帯絡みの情報として、遅ればせながら、とりあげた次第だ。とはいえ、事実上SONYのサービスであるmoraを冠するmora touchが、iTunes Storeのようにインディミュージシャンに門戸を解放するとは思えないから、あまり気にすることもない。むしろ、インディに門戸を開放するぐらいの英断を下せれば、大したものだ。

で、Android携帯に対して、どうやって楽曲を販売するかだが、日本ではまだこれと言ったサービスがないので、様子見が無難だと思う。

Amazon MP3が、噂通り、近日中に日本で始まれば、これで決まりになるだろう。その場合、多分、CD Baby経由でデジタル販売しているインディのアルバムは、自動的に日本でも買えるようになると思う。

RealNetworksがRhapsodyを分離

RealNetworksとViacomがデジタルミュージック配信サービス、それぞれ51%と49%の株式を持っている子会社Rhapsodyを分離し、独立させると発表した。

Rhapsodyは、デジタル販売サービスの中では、iTunes、Amaozon MP3、Napsterなどの後塵を拝しており、採算ラインにもなかなか乗れず、RealNetworksの利益を圧迫し続けているから、この決断は正しいのだろう。

RealNetworksもViacomも、プレスリリースでは、独立がお互いのためのように書いているが、このまま終息しても驚くには当たらない。

Mo-Sic.comがMo-Sic Pro betaを公開

indierevolution.jpが提唱するMo-Sicというコンセプトを実現し、進化、発展させるために立ち上げられた、Mo-Sic.comが、Mo-Sicコンテンツを作成するためのソフトウェア、Mo-Sic Pro betaを公開しました。

SpinApp情報の補足

先日、ここでも紹介したSpinAppだが、同じ問い合わせばかり来るので、少し補足しておこう。

SpinApp自体には、ストアの機能がないので、外部のストアにリンクすることが前提になる。そのため、オンラインストアでダウンロード販売を行っていないアーティストやストアのデザインがiPhoneの画面に最適化されていないアーティストにとって、SpinAppを有効利用できるか判断しかねているようだ。

このリンクできるストアには、iTunes Storeが含まれていて、非常に親和性が高い。そのため、例えば、
CD Babyを使ってiTunes Storeでアルバムを販売しているなら、iTunes Storeにリンクしておけば、見栄えの良い、iPhoneらしいストアを内蔵できるので心配ない。

SpinAppがサービス開始

かねて噂だった、インディバンドが自分のiPhone Appを作成できる、SpinAppがサービス開始となった。$195のiLikeの同様のサービスに比べて、初期費用の$299.99に加えて$25.99/月と、ちょっと高い気がするが、iLikeでは売り上げの半分をiLikeと分け合うので、どちらが高いかの判断は、毎月の売上高で分かれるところだ。

SpinAppでは、オンラインのデザインツールを使い、自分だけのiPhone Appを作り、外部のストアにリンクを張ることで、あたかも、そのストアが自分のiPhone Appの一部であるかのように表示できる。好きなだけリンクを張れるので、ファンは、iPhone Appだけで、ミュージックダウンロード、CD、Tシャツ、など、何でも購入することができる。

もちろん、プロフィール、フォトギャラリーやツアースケジュール、ブログなどを表示することも可能だ。

近日中に、北米であれば、
Livenation.comと連動させて、ツアースケジュールから直接チケットを販売することもできるようになるそうだ。

なお、SpinAppは、インディバンドが自分のホームページにオンラインストアを埋め込める
Fizzkicksの姉妹サービスだが、Fizzkicks側のストアはFlashで作成されているため、Flashに対応しないiPhoneでは表示できない。将来は、Fizzkicks側のコンテンツにもリンクできるようになるそうだ。もっともFizzkicks自体は、まだ日本からの利用に完全対応していないので、あまり関係ないかもしれない。

MySpaceがimeemを買収

米MySpaceが、音楽SNSのimeemを買収して、MySpace Musicに統合した。すでにimeemのサイトは閉鎖されており、URLはMySpaceのimeemのページへ転送される。

imeemは、有料会員になると、自分が購入した楽曲をウェブサイトからいつでも、どこからでもストリーミング再生できるサービスだ。基本的には、やはり先日Appleが買収した
Lalaと同様のコンセプトだ。

Appleによって買収された後も、レーベルやレコード会社との契約が維持されるLalaの場合と異なり、imeemに登録されているアーティストアカウントは抹消されると考えられる。実際、MySpaceのimeemのページでは、imeemの登録アーティストは、今後はMySpace Musicに登録し直すように勧められている。

これはMySpaceによるimeemの買収が、サービスとしての買収でなく、imeemの一部の機能、インフラ、人材の獲得を目的としているからだ。純粋にストアであり、基本的にレーベルやアーティストプロモーションの機能を持たないApple iTunes Storeと、アーティスト自身がメンバーとして登録してコンテンツを公開するMySpaceの違いが現れた形だろう。

MySpaceがアクセス解析ツールを公開

海外のMySpaceに遅れること約1ヶ月、日本のMySpaceでもアーティスト向けアクセス解析ツールのベータ版が公開された。楽曲の再生回数や訪問者の国や年齢と性別などの統計情報が簡単に確認できる。

Livecheers!がサービス終了

全国のライブハウスをネットワークし、ライブ映像をオンラインで中継するLivecheers!が、11月30日で中継を停止、サービスも来年の1月31日で終了すると、去る11月13日に発表した。

当初は、他に類のない独創的なアイデアで注目されたLivecheers!ではあったが、その後は特に話題になることもなく、提携するライブハウスの数も伸びず、ひっそりと終了するのは寂しい限りだ。

インターネットの世界は、上位2社か3社か市場を寡占するのが常で、規模の小さいサービスが独立してやっていくのは本当に難しい。Livecheers!も、例えば、iTunes Storeにライブ専門のレーベルとして音源を提供していれば、違った展開があったかも知れない。もちろん、そんなことは同社も承知のはずで、検討もしたはずだが、その方向へ踏み出すことはできなかったのだろう。

Livecheers!に限ったことではないが、アーティストを囲い込んだり、特定のレーベイルを優遇したり、すぐに代理店契約したがったり、日本の業界は、まだまだ古くさいというか、内向きというか、利権の確保や、既得権益の維持に頭がいってしまい、アーティストとファン本位になりきれていないところがある。業界の大物が、鳴り物入りで立ち上げたサービスが、鳴かず飛ばずで、その内そっと消えていくのを、我々はいつまで見ることになるのだろうか。

インディが音楽で食っていけるようになる、業界全体があっと驚くサービスが、いつかは登場すると思うが、そんなサービスは、業界側ではなく、もうアーティストあるいはファンからしか生み出されない気がする。

Live NationがiTunes Storeで限定音源を発売

米国で80カ所に上るライブハウスやホールをネットワークし、ライブを録音/録画してLive Nation Studioとして販売しているライブプロモータ、Live NationがiTunes Storeと提携し、ライブミュージックのページにiTunes限定ライブ音源/ビデオを販売するセクションを開いた。ただし日本のiTunes Storeでは発売にならないようだ。

今のところ、超大物は登場していないが、Live Nationがプロモートするアーティストには大物も結構いるので、その内に、iTunes限定のスタジアムライブなども発売になるのではないだろうか。

このLive NationやEMIのAbbey Road Liveなどの動きを見ると、海外では、ライブ指向がどんどん強まっている。ファンからしてみれば、ごひいきのアーティストのライブはすべて観たいが、そうもいかないのだから、せめて音源だけでもできるだけ公開して欲しいというのは、ごく当たり前の要望であり、そこには膨大な市場があるはずなのだ。

ひるがえって日本では、ライブ音源の二次利用はあまり進んでいないが、iTunes Store限定のようなやり方が可能なのであれば、インディのライブ音源をせっせと集めて、ライブに特化したレーベルのようなものにもチャンスがありそうな気がする。

Echo & The BunnymenがiPhone Appを公開

以前から公式サイトTwitterなどで積極的に情報発信し続けて、オンラインのプロモーションに力を入れている英国のアーティスト、Echo & The Bunnymenが無料iPhone Appを公開した。

最近では、アーティストがiPhone Appを公開することは珍しくないので、indierevolution.jpでもいちいちとりあげていないのだが、今回のAppは非常に使いやすい設計となっていてアーティストがiPhone Appを作成する際の手本になりそうなので、触れておくことにした。

アーティストがiPhone Appを公開する場合、奇抜なデザインで、インタフェースも分かりにくく、はっきり言って使いにくいものが多い。iPhone Appでも、何か芸術性というか、独自の表現を打ち出したいということだろう。これはファンにとっては楽しいかもしれないが、一般のミュージックファンには敷居が高く、取っ付きにくいものとなる。以前とりあげた、Snow Patrolなどはその最右翼だろう。

今回のEcho & The BunnymenのAppは、The Fountainという彼らの新譜のプロモーションが一番の目的で、特に年末の予定はキャンセルされて来年の春まで延期になったが、ツアーが予定されていた米国でのプロモーションを意識していることは明らかだ。

内容を見ると、まずThe Fountainの楽曲がすべてストリーミング再生できる。次に公式サイトおよびTwitterのニュースが閲覧できる。そしてショーカレンダーがあり、ファンウォール、写真、ビデオ、ディスコグラフィ、バイオグラフィ、リンク、ストア、とアーティストのiPhone Appに必要と考えられるすべての要素を奇麗に整理して並べてある。

iPhone Appの最新技術であるプッシュにも対応しているなど、単にきれいなAppを作ったというだけでない点も興味深いのだ。

Griffin大学のOnline Marketing Reserach Paperが面白い

オーストラリアのGriffin Universityとミュージックプロモーションサービス、musicadiumが、同サービスを使う99のアーティストを対象に、主要なオンラインプロモーションツールやサービスの利用が、デジタル販売の売り上げにどのように反映するのかを調査した、Online Marketing Reserach Paperを公開した。

オーストラリアの限定されたアーティストが対象ではあるが、その結果は非常に面白いものとなっている。詳細は、自分で読んでもらうとして、日本のインディにも有益そうなところを抜き出して、
解説してみた



EMIがAbbey Road Liveを発表

EMI Musicは、ライブを録音した音源を、即座にミキシングおよびマスタリングし、USBメモり、CD、DVDなどのメディアで、当日、会場で販売できるAbbey Road Liveを発表した。音源は、後日、ウェブサイトや携帯電話で販売したりストリーミングすることもできる。

海外のことであるし、インディとは直接関係ないので、とりあげないつもりだったが、ライブ録音を当日会場で販売する、というコンセプトが、indierevolution.jpのお土産音源のコンセプトと同じであることもあり、やはりちょっと触れておくことにした。

EMIは、傘下のMute Recordsを使い、2004年からLive Here Nowとしてライブ音源を販売して来た。今年の7月のBlur再結成やDepeche Mode、Nick Cave and The Bad Seeds、The Pixies、などのツアーで音源を販売して成功を収めている。

特にBlurのHyde Parkにおける再結成コンサートでは、ウェブサイトでCDあるいはダウンロードで販売されたが、来場者の10%にあたる数が売れたそうだ。2日間の合計来場者は十数万人に上ると言われているので、一万数千件の売り上げがあったことになる。

このLive Here Nowが、試行錯誤と実験、成功を経て、Abbey Road Liveに進化したわけだ。

この10月のDeadmou5のロンドンでのコンサートでは、当日、会場で、音源と壁紙がロゴ入りUSBブレスレットに保存された状態で販売されたが、これでライブ音源の販売というビジネスモデルが完成したことから、満を持して、今回のAbbey Road Liveが発表されたと想像される。

今回、図らずもEMIによって、ライブ音源を当日、会場で販売することが可能であると証明された。indierevolution.jpのお土産音源になるか、何か別の方法になるかも知れないが、インディが同様に音源を会場で販売できる方法が確立する日もそう遠くないかも知れない。

Googleの音楽サービスとは?

Google.comがミュージックストアをはじめるという噂は、以前からあったが、ここへきて、その詳細が少しずつ分かって来た。

まずGoogle.comがiTunes Storeのような「ストア」を開くわけではないようだ。

Google.com自体から公式発表がないので、確実ではないが、どうやら曲を検索した結果に、試聴と購入というオプションが表示されるというものらしい。実際の試聴と購入は、
Lala.comから行われる。価格は、ストリーミング用が$0.10でダウンロードが$0.90と予想されている。

Lala.comと言えば、Facebook.comとも同様に提携しており、ここへ来て、他のサービスへ楽曲カタログとストア機能を提供するオープンなインフラストラクチャ的な地位を固める方向を見いだしたようだ。

ただしメジャーおよびインディを含めた8百万曲が用意されているというLala.comのカタログだから可能なのであって、サービスの数は多いが、それぞれのカタログの充実が進まない日本では難しいビジネスモデルと思われる。

日本でLala.comに匹敵するカタログは、iTunes Storeしかない。そしてiTunes Storeと
Yahoo!ミュージックが比較的緩やかな提携を行っており、それが新しいGoogleの音楽サービスに近いかも知れない。Yahoo!ミュージックがiTunes Storeとさらに有機的に統合されれば、Googleのサービスに対抗できる可能性はありそうだ。

しかしiTunes StoreにSONY(とその多くのグループ)が楽曲提供していないことから、どうしても海外の同様のサービスに見劣りし、決定打と呼ぶに至っていない。決して大成功しているとは言えない
mora.comを擁するSONYのiTunes Storeへの頑な対抗心が、どこまでも日本のデジタルミュージック市場の発展の足を引っ張り続けそうで残念だ。

Facebookがミュージックギフトを開始

米国だけの話なので、とりあげるか迷っているうちに鮮度が落ちてしまったニュースだが、Facebook.comがGift ShopにMusic and MP3sを追加した。

これによりFacebook.comが提携しているミュージックストア、
Lala.comにあるメジャーおよびインディの楽曲を含む8百万曲のカタログから、楽曲をFacebook内で再生できるWeb Songとして、あるいはDRMのないMP3として、フレンドにプレゼントできる。なおWeb Songをプレゼントするには1クレジット($0.10)、フルダウンロードは9クレジット($0.90)必要となる。

曲がギフトとして購入されると、Lala.comに登録している該当アーティストに規定の売り上げが支払われる。これは、CD Babyなどを介して登録している日本のアーティストも同じだ。

SNS内でメンバー同士がミュージックをプレゼントするというのは、膨大なメンバー数と、膨大な楽曲数、共通の再生プラットフォームがないと成り立たないので、日本では難しいかもしれないが、一つのビジネスモデルとして検討の価値がありそうに思える。

CD-Rを一枚焼くくらいの値段なら、お気に入りの曲を買って友達にプレゼントしたいという音楽ファンは結構いるかもしれない。

ただし、これまでのようにSNS側が専用ソフトや偏った楽曲カタログ構成などで囲い込みをしようとすれば、うまくいかないことは明らかなので、膨大な楽曲カタログを揃え、共通プラットフォームで誰でも、どこでも聴ける、ということが前提条件にはなるだろう。

レコミュニがリニューアル

大成功しているとは言えなかったが、国産の音楽SNSとして特異な地位を築いているrecommuniが、OTOTOYとしてリニューアルされた。これに伴い、サービスの内容も、SNSからストレートなデジタル販売ストアよりに舵を切り直したものとなる。

当初recommuniが目指したビジネスとは、メンバーが他のメンバーに紹介したい曲のデータをアップロードし、その配信許可をrecommuniが取得して、ダウンロード販売するというものだった。このアイデアは、世界的に見ても斬新で、現在でも特筆に値するが、いかんせん、商売としては成り立たなかったようだ。

indierevolution.jpもrecommuniに注目して来たが、それは、デジタル化されていない曲をリクエストするという機能をもっていたからだ。日本においては、今でもデジタル化されていない古い音源が大量に存在する。そんな埋もれた音源を掘り起こし、デジタル化を促すということで、
たのみこむのようなサイトに成長していくものと思っていた。だが、この機能は、あまり注目されず、その内に忘れられていったようだ。

今回のリニューアルで、分かりやすいストアを目指していくことになるだろうが、日本に限らず、デジタル販売のストアは次々に生まれるが、そっと閉鎖されているのが現実だ。面白いアイデアをいっぱい持っていたサービスだから、今後に頑張りに期待したいと思う。

Creators.Rockband.comがベータテスタを募集開始

Xboxの大ヒット・リズムゲーム、Rockband用の楽曲を誰でもオーサリングして販売できるThe Rockband Networkが近日提供開始となるようだ。オーサリングには、Rockbandで実際に使用されているツールと同じものが用意され、投稿された楽曲がThe Rockband Networkコミュニティの審査を通れば販売開始される。Creators.Rockband.comでは、このツールとサービスのベータテスタを募集しているので、興味があれば、早速メールアドレスを登録しておこう。

MySpaceがiLikeを買収

MySpace側の発表はまだのようだが、iLikeからMySpaceとの提携(実際は買収)が発表された。

iLikeは、last.fmに似たミュージックSNSだが、早くからMySpaceのライバルFacebookと連携しており、音楽に主軸を置くMySpaceにとって目障りな存在だった。

今回の買収以降も、iLikeは独立した存在として進化し続けるが、当然ながらFacebookからは遠のくことが求められるだろう。

いずれにしろiLikeは、日本語の扱いなどで問題があるし、日本のミュージシャンにとっては、あまり関係ないかもしれない。

Mixiミュージックが終了へ

mixiで楽曲再生リストを共有し、楽曲を購入できるオンラインラジオ、mixiミュージックが12月10日で終了する。

ユーザー数が伸びなかったのが理由ということだ。元々、クローズドなSNSであるmixiがなぜオンラインラジオのビジネスモデルにトライしたのか疑問もあるが、試した結果、日本でのオンラインラジオの難しさが再確認された形だろう。

SNS型のオンラインラジオは、海外では日本と比較にならないくらい普及しているが、有名なlast.fmやPandraでさえ手探りの状態が続いている。日本と違うのは、現状に危機感を覚えた音楽業界がこうした将来性のあるサービスに積極的に投資して、共に新たなミュージックライフスタイルを構築しようと試行錯誤している点だ。

そんな中、last.fmは、運営もCBS側に手渡すことが決まり、もうすぐベンチャーを卒業して音楽業界の新たな屋台骨を支えるべく新たな一歩を踏み出そうとしている。日本は、ゴールの位置さえ定かでないまま、完全に周回遅れとなったようだ。

米Sound Exchangeとネットラジオ局が使用料で合意

米Sound Exchangeとネットラジオ局が、楽曲のインターネットストリーミングの著作権料率に関してやっと合意に達したようだ。

ネットラジオ局を大規模、小規模、シンジケート型・会員制サービス型の3種類に分類し、それぞれに異なる使用料の算出方法を設定するやり方だ。基本的に包括契約ではなく、再生回数に基づくやり方になった(再生回数による算出金額が少ないと、包括契約の料金が適用される場合もある)。

日本は法整備が遅れていて、ネットラジオを放送と認めているのかいないのかも微妙ですが、NMRC(ネットワーク音楽著作権連絡協議会)などの活動を見ると、現場では少しながら変化の兆しはあるようです。

SMEがIODAと提携

米SME(Sony Music Entertainment)は、米IODAとの提携を発表した。IODAは、日本ではあまり知られていないが、インディレーベル版のCD Babyのようなもので、インディレーベルの作品をiTunes、amazon.com、MySpace Musicや携帯電話などで配信するサービスとプロモーションを行っている。

CD Babyは、すべてを自分で決定し処理するインディアーティストに好まれるのに対して、IODAはもう少し業界よりというか、組織立ったレーベルを対象にしている点に違いがあり、米国ではきれいに住み分けされている。

今回SMEは、IODAに戦略的な資本参加も行い、SMEのインディ向けディストリビューションを行う子会社REDのデジタルディストリビューション機能の補完を狙う。

米国のSMEは、すでにiTunesなどのデジタル配信サービスに積極的に楽曲提供をしているし、IODAとはうまくいくかも知れない。本来なら、日本のSMEが抱えるインディアーティストもIODAを使って世界に向けて作品を販売できればいいのだろうが、今のところ日米のSMEで連携が行われている節はないので、残念ながらIODAとの提携も日本は無関係のままだろう。

Mos DefがTシャツでアルバム販売

最近は、様々なアーティストが、アルバムを売るための新しいアイデアを試みているが、Mos DefはTシャツということらしい。

LAのTシャツメーカと提携し、新譜、The Ecstaticのジャケットを印刷したTシャツを作り、そこに無料ダウンロード用のコードも印刷するということだ。つまりTシャツを買うと、アルバムが無料でダウンロードできる(あるいは、アルバムのおまけがTシャツと考えることもできる)。

CDという物理媒体の販売が難しくなって行く中、デジタルだけではない、手で触れる媒体としての販路を確保しようという注目すべき試みだ。実際、ポップスとファッションは切っても切れない関係にあるわけで、親和性は高そうに思う。

日本でもミュージックカードが使えるなら、そのコードをTシャツに転載しておけばいいわけで、インディでも、かなり使えるアイデアだと思う。問題は、そんなミュージックカードのサービスが、まだ日本にないということなのだが。

Derek SiversによるPandoraビデオレポート

CD Babyの創業者で元社長のDerek SiversがPandora取材したビデオを公開しました。

Pandoraは、ライセンスの関係で、現在日本から利用できない状況が続いていますが、米国で着実に成長しており、先行する英国のlast.fmのよきライバルになるものと期待されています。

このビデオの最後の方で、バンドにアーティストではなくてネット上の最先端の技術などを利用する担当者を1人メンバーとして入れることをお勧めする、という助言が創業者のTim Westergrenからありますが、indierevolution.jpもまったくその通りだと思います。

SONYがネックバンド式WALKMANを発売

今週末には、SONYからネックバンド式のWALKMAN、NWD-W202が発売になる。

機能的にはiPod Shuffleの競合製品だが、新型が発売されても以前のような「これでiPodに挑戦」といった雰囲気がメーカからも市場からも感じられなくて、ちょっと寂しい。

indierevolution.jpでも、WALKMAN関連の情報は、注目するに値しないと考え、ここしばらく取り上げていなかった。でも、NWD-W202には、ちょっと興味を引かれる。というのも、SONYが発表した資料によれば、「著作権保護された音楽ファイル(音楽ダウンロードサイト「mora」[モーラ]などからダウンロード購入した楽曲や、EZ「着うたフル®」EZ「着うたフルプラスTM」など)は本機で再生することはできません。」となっているからだ。しかもNWD-W202に添付されたSonicStage Vを使ってのはなしなのだ。

つまりNWD-W202専用とは言え、SonicStageの名を冠したソフトウェアを使っても、moraで購入したDRMのかかった楽曲を再生できないわけだ。しかも、パソコンにつないで楽曲ファイルをドラッグコピーすれば、再生できるので、SonicStage Vを使う必要さえないのだ。

これは、いったい何を意味しているのだろうか。

以前書いたように、海外のWALKMANでは、すでにSONY独自のATRACフォーマットは無視されている。ATRACに執着し、固執しているのは、日本のSONYだけだ。そこには、ATRACを前提に設計されたmoraというダウンロードストアで自社コンテンツを抱え込もうという内向きな戦略があったからに他ならない。

このmoraとSONYが持っているコンテンツの関係は、多くのアーティストとミュージックファンにとって、百害あって一理もない目の上のたんこぶのようなものだった。携帯電話を除けば、ポータブルミュージックプレイヤの約7割がiPodという現状で、moraがあるからiTunes Storeにコンテンツを出さないというSONYの判断は、会社にとってもアーティストにとっても大きな機会損失を生んでおり、経営判断的にも倫理的にも明らかに間違っている。

それが今回moraを重視するより、ユーザの利便性を優先させた製品が出てきたのは、単に経営不振のあおりで開発資源を削った結果なのか、近い将来の同社のコンテンツ解放を見据えたのか、果てはmoraの終焉を意味するのか、見極めるまで目が離せない。

なおSONYが音楽事業全体の見直しを始めるとなれば、auのlismoにも影響が出るのは必至で、携帯電話での音楽の楽しみ方にも大きな変化が訪れるかも知れない。

iLikeのiPhone Appが始動

先日お伝えした米国のミュージックSNS、iLikeによるアーティスト用のiPhone/iPod touch Appのサービスが開始された。

非常によくできたシステムで、専用のiPhone Appでビデオ、写真、楽曲、ファン、ブログ、掲示板など、を公開できる。

iLike側のアーティスト情報を更新するだけで、iPhone Appも追って更新されるので、iLikeだけをメンテしていればいいのも便利だ。

なおiPhone Appには、無料、$0.99、$1.99、$2.99から値段を選ぶことができ、有料で販売した場合、売り上げはiLikeと折半される。ちなみに無料で公開したiPhone Appを後で有料にすることはできないそうなので、注意が必要だ。

問題は、このサービスを利用するために初期費用として$99かかることだろう。しかも来週には、通常料金に引き上げられるらしい。通常料金がいくらなのか、定かではないが、同種のサービスでは$400以上かかるということなので、数百ドルになることは確実と思われる。

自分専用のiPhone Appは無料で公開したいと考えるインディは多いと思うが、となると$99は高いと思うだろう。iPhone Appをよほど積極的にプロモーションに利用してCDやダウンロード、Tシャツなどの販売に結びつけるか、iPhone App自体を有料で販売しないと元を取るのは難しそうだ。

iLikeがiPhone Appの開発を発表

米国でアーティストとそのファンに高い人気のミュージックSNS、iLikeがアーティスト用のiPhone/iPod touch Appを開発中だ。

詳細は明らかでないが、すでにiPhone Appとしてリリースされている
PinkDeath Cab for Cutieのように、プロフィール、ディスコグラフィ、試聴、購入リンク、写真、ビデオ、などのマルチメディアコンテンツを縦横に利用するウィジェットのようなものを、アーティスト毎に生成し、iLikeがApp Storeで公開することになる思われる。

iLike上の情報を更新するだけでiPhone Appも自動的にアップデートされるため、アーティストはiLike上のプロフィールだけをメンテナンスすれば良いはずだ。

登録アーティストの中からベータテスターを募集しているので、興味があるアーティストは、
このページから応募してみよう。なお、現在登録していなくても、今から登録すれば応募はできるようだ。

MySpaceの楽曲数が最大10曲に

MySpaceのミュージックプレイヤに登録できる楽曲数が、最大6曲から10曲に増えた。これで収録曲が10曲までなら、アルバムを丸ごと公開することも可能になった。

DiscRevoltがメディアセンターを発表

アーティストが自分の楽曲をアップロードして、販売できるストアとミュージックカードを提供するDiscRevoltが、自由にホームページに貼付けることができるウィジェット方式のオンラインストア、Digital Media Centerを発表しました。

実は、DiskRevoltは、以前からこうしたウィジェットをカスタムで提供していたが、これを標準サービスとして提供し始めたわけだ。同様のミュージックカードとウィジェットの組み合わせは、
FizzKicksが以前から提供しているので、これで同じ土俵に登ったということだろうか。

ただしFizzKicksは日本からもメンバー登録して楽曲アップロードができるが、DiscRevoltは日本からの登録は事実上できない。またカードの注文方法や前出のウィジェットの使い方も、非常に複雑で分かりにくいので、日本から使えるようになるのはまだまだ先だろう。

ミュージックカードの利用を検討しているインディは、
ミュージックカードのページも参照して欲しい。

Amie Street Japanがサービス停止

ターボリナックスジャパン100%小会社で、米Amie Streetの日本向けサービスとして2007年にサービス開始したエイミーストリートジャパンがこの2月10日でサービス停止した。すでにホームページもなく、URLは、米国のサイトに転送されているようだ。

サービス停止に至った理由については、よく分からないが、サービスの内容が日本に馴染まなかったのかも知れない。面白いサービスなので、頑張って欲しかったが、デジタル音楽販売が安易に参入できない難しい市場であることを証明した1例でもあるだろう。

Derek SiversによるMIDEMビデオレポート

世界のインディの総本山的位置付けにあるCD Babyの創業者Derek Siversが、先月フランスで開催されたMIDEMで13の出展者にインタビューしたビデオレポートを公開した。

MIDEMについては、昨年から日本も業界をあげて積極的に参加するようになり、ある程度詳しい情報が入ってくるようになったが、このレポートはこれまでになく貴重で重要な情報と言えるだろう。

JASRACに排除命令

2008年4月の放送各局とJASRAC(日本音楽著作権協会)の間の包括契約に関する立入検査に続き、公正取引委員会がJASRACに対し、独占禁止法違反(私的独占)で排除措置命令を出すことを事前通知した。

包括契約は、決して悪いものではないが、放送事業収入の1.5%をJASRACに払うだけで、JASRACに信託されている楽曲を使い放題となるため、放送局では、JASRACに信託されてない楽曲あるいはJASRAC以外の使用料徴収代行団体に信託されている楽曲を使わない実態がある。

そのため、テレビやラジオでかけてもらおうと思えば、好むと好まざるに関わらずJASRACに信託せざるを得ない状態になっている。また包括契約では、楽曲の使用回数をサンプリングで算出しているため、分配される使用料が実際の使用回数に基づかない不正確なものだという問題もある。

以前からindierevolution.jpでは、
はじめにのページでも触れている通り、私的録音保証金のようにJASRACが正確に記録を取り、信託されていない楽曲の使用料も分配できるようにするべきだと考えている。

今回の排除命令により、まずJASRACは、放送で使用されたすべての楽曲の正確な記録をとり、その内容に基づき、他の使用料徴収代行団体に使用料を分配することになるだろう。ここで問題なのは、使用料徴収代行団体に信託していないインディの場合だ。JASRACが、放送に使用された楽曲の情報を何らかの形で公開することで、インディが自分で調べて使用料を請求できるシステムが生まれることに期待したい。

eJAMMING AUDiiOがアップグレードしてリニューアル

インターネット経由でディレイのないセッションができるeJAMMING AUDiiOがbeta14にバージョンアップした。同時にサイトも完全リニューアルされた。

なお、過去にeJAMMING AUDiiOに登録していたベータユーザも、新たにユーザ登録し直す必要がある。

eJAMMING AUDiiOは、これまで離れた友達とセッションを行う技術と考えられて来たが、今回のバージョンアップでは、そのセッションをファンに向けてリアルタイムにライブストリーミング配信する機能に焦点が当てられ、新たな次元に進化したと言える。

離れた場所にいるメンバーと一緒にセッションするだけでも楽しいが、それをライブとして公開できるとなると、1人で創作活動を行っているインディにも、全く新しい活動の場が広がる可能性がある。

また異なるファンを持つアーティストが何人か集まってライブを行えば、そのファンの数は相対的に倍加するわけだから、新しいファンとの出会いの場としても有効だろう。

いつまで経ってもベータが取れないeJAMMINGだが、そろそろ本格的に始動して欲しいものだ。

Alien ApparatusがSPSCをアップグレード

Alien Appratusは、ソロでライブパフォーマンスを行うアーティスト必携のツール、Solo Performer Show Controller SystemをVer. 4にアップグレードしました。お世辞にもかっこうよいとは言えなかった以前のインタフェースは、完全に今風にリニューアルされています。

またイベントウインドウでは、タイムライン上での波形表示ができるようになったので、より正確にイベントスケジュールを確認できます。

新規購入は$595ですが、既存ユーザは、$79でアップグレードできます。

最も大きな変化は、
Solo Performer Show Controller SEとしてソフトウェア部分だけを$299で購入できるようになったことです。Solo Performer Show Controller Systemは、MIDIコントロール、MP3再生、歌詞スクロール表示などを行うソフトウェアと、それをコントロールするフットスイッチで構成されていますが、MP3によるバッキング(カラオケ)の再生と歌詞表示程度の機能があれば十分というアーティストにはソフトウェアだけを購入できるのは朗報でしょう。あとでカラオケの再生停止と再開をフットスイッチでコントロールしたくなったら、$299(日本への送料別)で追加購入も可能です。

最近流行のNetBookなら持ち歩いても邪魔にならないし、
Solo Performer Show Controller SEをインストールしてライブを行うのも、ソロのアーティストに取って現実的な選択肢となるはずです。

英EMIがEMI.comを立ち上げ

英EMI Musicは、自社のアーティストと作品をプロモートするEMI.comを立ち上げた。今のところ、英米からしか利用できないため、日本からアクセスすると「EMI.com is currently only available in the UK and the US. 」というメッセージが表示されるが、このページでメールアドレスを登録してJapanを選んでおくと、サービス開始した際に知らせてくれる。

楽曲の試聴は可能だが、デジタル販売まで踏み込むのか、まだ詳細は分からない。好きなアーティストを選ぶと、似たようなアーティストを推薦してくれるなど、単なるレーベルのポータル以上の機能を持っている。

こうしてレコード会社やレーベルが所属アーティストのプロフィールと楽曲を網羅的にまとめて情報提供してくれると、ネットの使い道もさらに広がって楽しくなる。

Walmart.comがDRMサーバ停止へ

Wal-Martは、同社のwalmart.comで販売しているミュージックのDRMサーバを、2008年10月9日で停止すると発表した。これにより、10月9日以降は、同社が2008年2月まで販売していた保護されたWMA形式の楽曲をコンピュータやプレイヤ間で移動することはできなくなる。

同社は、2007年8月からDRMのないMP3でのミュージック販売を開始しているわけで(2008年2月以降はMP3のみを販売している)、本来であれば、WMA版からMP3版へ無料で差し替えるのが、正しいユーザサポートだと思うが、なぜか一切の救済措置はない。同社では、ユーザに「CDに焼いてバックアップ」することを勧めている。

すべてのDRMが失敗したわけではないが、DRMから撤退するサービスが相次ぐと言うことは、ユーザの利便性を無視したDRMは、やはり市場に受け入れられないと言うことだ。

MySpace Music Store始まる(改訂)

この4月に発表されて、開始が待たれていたMySpaceによるiTunes対抗のデジタルミュージックストア、MySpace Music Storeがついに始まった。このMySpace Music Storeは、実体がamazon.comのMP3ダウンロードストアなので、CD Babyでデジタル販売しているアーティストは、遅かれ早かれMySpace Music Storeでも販売が可能になるはずだ。なお購入する際には、amazon.comのアカウントを使う。

なお、アカウントの言語設定がJapanだと、新しいMySpace Music Storeのページは表示されず、旧来のページが表示されるので、せめて内容だけでもチェックしたいと言う場合は、言語設定をU.S.A.にして上のリンクを試してほしい。

当然ながら、日本のamazon.co.jpは、MP3ダウンロード販売を行っていないので、日本から購入することはできないし、日本のMySpaceもこの機能を提供することはできないだろう。

日本のMySpaceでは、ミュージシャン向けのストアとして
ViBirthを使っているが、その値段とサービスの内容を考えるとMySpace Music Storeには見劣りする。せめてViBirth側の条件を米国のMySpace Music Storeとバランスが取れる内容にしてもらいたいものだ。

SanDiskがslotMusicを発表

SanDiskは、1GBのmicroSDカードにDRMのない320Kbpsという高音質MP3を保存した状態で販売する、slotMusicを発表した。詳細が明らかになっていないのだが、Universal Music GroupSONY BMGWarner Music Group、およびEMI Musicのアーティストの楽曲が発売になるようだ。ホームページに書かれた内容からすると、ごく普通の1GBのmicroSDカードにMP3PDF、ムービー、などのマルチメディアコンテンツを保存し、小さなUSBコネクタを同梱した状態で販売されると見られる。

SDカードで音源を販売する試みは過去にもあるが、DRMなしの通常のMP3というのは、アマチュアやインディを除けば初の試みだろう。

Indierevolution.jpがslotMusicに注目しているのは、その音質であるとか、メディア形式とか、DRMの有無とかそう言うことではない。こうしてSanDiskという大手がSDカードにMP3を保存して販売すれば、自ずと日本の携帯電話メーカーも対応した携帯電話を出さざるを得なくなるだろうと言うことだ。これにより、例えば、ライブをレコーディングした音源を当日の内にSDカードで配布するなど、多様なプロモーションに応用できるようになるはずだ。

もちろん日本でslotMusicが普及するか未知数だが、携帯電話をミュージックプレイヤとして使っているユーザがこれだけいるのに、未だにほとんどの携帯電話でMP3が再生できない不自然な現状がslotMusicによって変わることに期待したい。

MixiがMixi Radioを開始

国内最大のSNSであるmixiがmixi Radioという名前のネットラジオを開始した。これはMixi内にあるPlayボタンをクリックすると、メジャー、インディ合わせて40万曲から楽曲が再生されるサービス。ウェブブラウザだけで再生できる。

無料コースと有料コースがあり、無料の場合は、CMが入る。

マイ・ラジオ,アーティスト・ラジオ,シャッフル・ラジオの3種類がある:

マイ・ラジオは,Last.fmのように聴いている楽曲により、好みを判断して自動的にお勧めの楽曲を流すようになる。

アーティスト・ラジオは,指定したアーティストと似たアーティストを選んで再生してくれる。

シャッフル・ラジオは,会員が作成したプレイリストをシャッフルして再生する。

今となっては、40万曲というカタログ数は少ないが、国内のメジャーレーベルは網羅しているので、Last.fmなどに比べれば圧倒的に日本人向きだ。mixi自体がクローズドなSNSなので広く普及することはないと思うが、将来の携帯電話への対応には大いに期待したい。

Brett Andersonが新譜をUSBメモリで配布

もとSuedeのボーカリスト、Brett Andersonの新譜は、今年の後半に発売予定だが、それに先駆け、7月7日にロンドンのThe Mermaid Theatreでお披露目ライブを行う。そして、そのチケットを買うと、何とUSBメモリに入った新譜の音源がチケットと共に送られてくるそうだ。音質や発売されるアルバムと全く同じ音源なのかなど詳細については、明らかになっていない。

海外のミュージシャンの活動は、ますますライブに比重が置かれる傾向にあるが、今回のケースもそうした流れにあるのだろう。お披露目ライブの前に、来場者に曲を覚えてもらっておけば、ライブ自体は盛り上がるはずだ。お披露目がイベント的な要素を強く含む日本の現状とは、すでにかなり離れた感覚とも言える。

日本では、業界の腰が重いので、海外と同じようには行かないと思うが、ならば日本独自にライブを中心にしたインディアーティストの活動を支援するサービスがたくさん出てくれば面白いだろう。

Electric Eel ShockがSellabandで3万ドルを超える

これまでindierevolution.jpでは、ドイツのSellabandについて取り上げてこなかった。それは、日本から参加するには敷居が高いことと、日本でも似たようなサービスが出てくる可能性があり、それまで待とうと思ったからだ。Sellabandについては、いずれ詳細を紹介する機会が来ると思うが、日本でもよくあるインディCDのファンドとはまったく違う。まれに日本でSellabandが話題になると、「日本にも似たようなファンドあるじゃん」という反応が返ってくるが、そういう人はSellabandの仕組みを完全に勘違いしている。業界寄りで、頭がガチガチの人達に多い反応だと思う。新しい時代のアーティストプロモーションの形が受け入れられない人達もまだまだ多くいるわけで、それはそれで仕方ない。

で、国内よりも海外での評価のが高いかも知れない日本のバンド、
Electric Eel ShockがSellabandで3万ドルを超えた。Sellabandの目標は5万ドル分の賛同者を集めることだから、まだ先が長いような気がするが、4万ドルを超えると投資を目的とした大口の賛同者が入ってくるので、もう大団円は近いと考えられる。indierevolution.jpも陰ながら応援したい。一部には、Sellabandの契約内容がアーティストを無視した、メジャーレコード会社のそれに近いことを問題視している人もいるが、Sellaband自体がボランティア団体などでなく、しかも根本的な部分では欧州のBMGというメジャーレコード会社のやり方を踏み台にしているわけで、何から何までインディが神様ですと公言しているCD Baby辺りとは体質そのものが異なる。この辺もいつか機会があれば説明したい。

Sellabandに似たサービスは英国にもあり、あちらもそれなりに成功しているようだ。日本でも陳腐なファンドなんぞ作るのはもうやめて、Sellabandと同等のサービスが登場することを切に願いたい。

iStockphotoが音源素材を募集

写真やビデオなど、クリエータ向けの素材をロイアルティフリー(一度料金を支払って購入したら、自分の作品で自由に使える販売方式)で安価に提供して急成長を続けるiStockphotoが、音源の販売にも乗り出した。現在、アーティストとその作品を募集している。indierevolution.jpでも、映画やゲームなどで音源を使うための同期権を販売するサービスについて研究したことがあるが、今回のような素材として販売するというのも、インディミュージシャンの作品発表と販売の仕方としては、ありかも知れない。すでに手元にある作品を短く編集し直してBGMとして使いやすくしたり、ループにして素材化するなど、方法は色々とありそうだ。もちろん一曲丸ごとを素材として販売しても良いかもしれないが、需要については未知数だ。比較的新しいジャンルなので、しばらくは試行錯誤が続くだろうが、将来が楽しみなサービスが始まったものだ。

Facebook日本語対応

米国でMySpaceを猛追しているSNS、Facebookが今月から日本語対応している。一説によると、本格的に日本に参入してくるそうだ。Facebookは、日本で言えばMixiに当たるようなSNSで、元々は大学生を対象にしていたので、全体の雰囲気が若々しく、エネルギーがやや過多な傾向にある。MySpaceも当初はティーンばかりでちょっと異常な雰囲気だったが、参加者が増えて平均的なところに落ち着いたように、Facebookも人気が高まるに連れてその雰囲気は一般化しつつあるように思う。

若者が興味を持つ分野で面白い機能を持つ点では、MySpaceに似ており、ファッションや音楽を介した友達作りで人気が高い。また出会い系的な側面も持っているのが、大学生用として始まったSNSならではだろうか。

海外では、iTunesで聴いた音楽の情報をFacebookに送信して、同じ音楽的趣味を持つ友達同士のコミュニケーションに使える、last.fmのような機能をもつ
iLikeというプラグインが使えることから、インディのプロモーションにもよく使われている。

iLikeについては、この3月にもR.E.M.が新譜を無料配布したりして、米国では広く普及しつつあることが分かる(なおR.E.M.自体が、そもそも米国の大学のラジオで火がついたバンドなので、大学コミュニティとは深いつながりがあることから、iLike/Facebookというプラットフォームをプロモーションに選んだという見方もある)。

Facebookには、日本から既に10万人以上が参加しているが、Mixiの一人勝ちに加え、ティーンは携帯電話でSNSすることが多い日本で、今後どこまで参加者が増えるか微妙だ。またインディにとっては、iLikeが日本語に完全対応していないため、当面は利用する価値が低い。今後は、iLikeの日本語対応の動向に注目したい。

JASRACに公取委の調査

ついに公取委によるJASRACの立ち入り調査があった。遅すぎるとも言えるが、これでJASRAC帝国の崩壊が始まるだろう。

indierevolution.jpは、JASRACを否定しているわけではないが、そのシステムや構造、成り立ちなどに、大いに疑問を持っている。例えば、今回の調査は「JASRACと放送事業者の間で結ばれる包括契約により、放送事業者が他の使用料徴収代行団体と契約しにくくなっている」という、一般には分かりにくい理由なのだが、これはJASRACの包括契約というやりかたが時代遅れてあることと、ある種の矛盾を抱え込んでいることに原因がある。

詳しい話をし始めるとここに収まりきらないので割愛するが、現在、JASRACと放送事業者が包括契約を結べば、JASRACに著作権使用料徴収代行を信託している楽曲については、放送事業者(基本的にTVとラジオなどで、ネットラジオは入らない)は使い放題、かけ放題ということになっている。JASRACは、放送事業者からもらう包括契約の使用料(放送事業収入の1.5%)を信託楽曲に分配している。ここで問題になるのは、分配の基準が明らかになっていないため、JASRACが恣意的に分配を行っている、あるいはその基礎となるモニタリングを操作しているのではないか、という疑惑があることと、他の使用料徴収代行団体に信託されている楽曲が、この包括契約でカバーされないという2点だ。この問題は、相互に関連しているのだが、理解するのはちょっと難しい。

例えば、放送事業者は、包括契約を結んでいるのだから、支払っている1.5%ですべての楽曲を自由に放送したいのだが、JASRAC信託曲以外については、別途それぞれの徴収代行団体と別の包括契約を結ばなければならない。しかしそんな団体と1.5%ずつ契約していたら、利益が出ないので、結果、JASRACとだけ包括契約を結ぶということになる。さらに言えば、インディのように徴収代行団体に信託していない場合は、個別に契約する必要があるため、事実上、放送される可能性はない。

しかし、放送事業者はキューシートというものを持っており、どの曲がいつ放送されたかという情報は存在している。ということは、その情報を一括して管理して計算し、それぞれの信託先に1.5%から分配すれば、JASRACとだけ契約しなくてもいいはずなのだ。しかも信託されていない楽曲についても、ネット上のデータベースにでも公開しておけば、アーティスト自身が自分で検索して、必要に応じて請求を行うことができるはずだ。実際、海外では、このやり方に近い方法がとられている。なお、ネットラジオについては、日本では現在放送として認められていないが、楽曲の放送データはすべて自動でログできるので、海外のように放送と認めて、包括契約を許せば、もっと話が簡単になる。

JASRACは独立した団体だから、包括契約の一括管理は仕事ではない、という反論もあるだろうが、あれだけ天下りがいて、ほぼ市場を独占していて、独立した団体だから、勝手にやらせてもらいます、というのは、無責任だ。今回の調査がJASRACに対するプレッシャーになって、一気に状況が好転することに期待したい。

MySpaceがMySpace Musicを発表

長らく噂されていた通り、MySpaceがMySpace Musicという名前で音楽販売に本格的に乗り出すことになった。とりあえず、ストリーミングから始まり、DRMフリーのMP3ダウンロード販売、マーチャンダイズ販売、チケット販売へと、数ヶ月かけて展開し、音楽のワンストップストアを目指すという。携帯電話向けのデジタル販売も、何らかの形で始まるとされる。

またリスナはプレイリストを構築して公開できるようになるらしいので、MySpaceのミュージックSNS的側面がより強まることになる。

MySpaceの会員は1億1千万人いるとされ、登録アーチストが5百万人、リスナは3千万人程度いるようだ。この数字は、last.fmのリスナ数である2千万人強に匹敵する。メジャーレーベルがこぞってlast.fmに楽曲提供を行って新たなデジタル販売の道を模索しているが、MySpace MusicにもEMIを除く3大レーベルが参加を表明しており、英国と米国で最大のミュージックSNSで大規模な実験が始まったとも言えるだろう。

メジャーレーベルでもすでにCDの終焉を見据え、次の道をデジタルに見出そうとする動きな訳だが、利益率の低いiTunes Storeが一人勝ちという現状を打破し、市場への影響力を取り戻したい思惑もあると考えられる。

一方、日本のMySpaceについては、将来像が不鮮明だが、同じくソフトバンク傘下であるYahoo! Musicとの連動という解決策もあるかも知れない。

いずれにしろ、MySpaceに限らず、そろそろレコード会社や著作権使用料徴収代行団体側からミュージックSNSやデジタル販売に対する積極的な動きが出てきて海外の動きに追いつかないと、アーチストが機会損失する結果になりかねない。違法コピーによる損失については、声高に糾弾する人や団体は多いが、法律や制度、業界の構造的な問題などで、多くのアーチストが機会損失していることは、話題にはなっても議題になることがほとんどない。このような現状だと、ある日突然外圧によって規制緩和を迫られ、制度崩壊させられてしまう危険さえあるように思われる。

例えば、国内の提携レーベルがiTunes Store Japanになかなか楽曲提供しないため、業を煮やして海外のiTunes経由で楽曲提供し始める海外アーチストは意外といる。last.fmにしても、英語インタフェースを選べば日本からでもラジオは聴ける。対応が遅れる日本と海外の現状の差はどんどん乖離するばかりということだ。

iTunes Storeが全米1位の音楽ストアに

Appleは、iTunes Storeが音楽ストアとしてWal-Martを抜いて全米1位になったと発表しました。基本となったのは、今年1月時点の売り上げのようですが、Appleのシェアは19%で、2位以下はWal-Martの15%、Best Buyの13%、amazon.comとTargetが6%とかなり離れて続き、それ以下は3%以下となっています。発表によれば、これまでの顧客数が5千万人で40億曲を売り、現在の楽曲カタログは6百万曲となっているので、名実共に世界最大のデジタル・ミュージックストアと言えるでしょう。

興味深いのは、これがデジタル販売とCD販売の総合的な売り上げの結果ということです。つまり、米国の音楽購買行動は、確実にCD離れしているということです。このまま行けば、一部のビジョナリー達が予測しているように、5年から10年以内にCDは終焉を迎え、レコード会社もなくなっているかも知れません(少なくとも、現在のレコード会社と同じ状態/状況ではないでしょう)。

日本のデジタル販売は、携帯電話が中心で、着歌/着歌フルが主流だから、米国のようにiTunes Storeの一人勝ちという状況にはなっていません。しかし、最近の携帯電話ユーザを対象としたアンケートによれば、着歌/着歌フルの音質の低さと価格の高さが不満の上位に入っています。iPhoneがiTunes Storeから直接楽曲をダウンロードで購入できるように、今後は携帯電話がスマートフォン化してパソコンとの境が曖昧になっていくと、MP3をダウンロード販売するサービスも出てくるでしょうから、現状の着歌/着歌フルの音質と価格を維持することは不可能でしょう。

iPhoneがいつ日本で発売になるかまだ分かりませんが、最短ではこの5月か6月が予想されています。国内のサービスが対応を誤れば、日本でもiTunes Storeが1位になる日も近いと思われます。アーチストは、サービスを利用するだけですから、何か積極的に行動することはできませんが、携帯向けの音楽配信/販売サービスを行っている方は、要らぬおせっかいではありますが、携帯向けのMP3ダウンロード販売を真剣に検討することをお勧めしておきます。

R.E.M.がiLikeで新譜を無料配信

海外では、大物アーティストが新譜を無料配信したり、ダウンロードさせたり、言い値や非常な安値で売ったりと、ネットを露出の場ととらえ、そこからライブへの集客を狙う動きがはっきりして来たが、この動きに載った次の大物アーチストはR.E.M.だ。R.E.M.は、新譜、AccelerateをiTunes Storeで予約販売開始しているが、実はiLikeで無料配信も開始している。新譜の評価は避けるが、R.E.M.は、相変わらずR.E.M.だと言う感じだ。

iLikeは、日本ではあまり知られていないが、last.fmと似た音楽のSNS(ソーシャルネットワーク)だ。iTunesにプラグインを追加することで、自分が聴いている曲の情報をアップし、同じ曲を聴いているメンバーを捜して友人になったり、メッセージ交換したりできる。また楽曲を試聴できる点でもlast.fmに似ている。iLikeの母体はgarageband.comだが、iLikeがFacebook(こちらも日本での知名度はほとんどないが、MySpaceのライバル)のプラグインになってから、ものすごい勢いで人気が上がって、garageband.comとの立場が逆転したため、社名も先ほどiLikeに変更されたほどだ。

iLikeのiTunesプラグインには日本語の扱いに問題があり、日本で普及するのはまだまだ先だと思われるが、海外市場を狙う日本のインディなら、アカウントを作成して楽曲をアップロードしておくのは良い考えだ。アップロードする限りについては、日本語の問題は見受けられない。日本からの楽曲アップロードが増えれば、プラグインの日本語対応も真剣に検討してくれるだろう。

イーライセンスが著作物の放送利用モニタリングシステムの実証実験成果を発表

indierevolution.jpでは、インディのJASRACや他の著作権使用料徴収代行団体への楽曲の登録について、積極的に勧めていない立場だ。それは、JASRACのような団体は、テレビ、ラジオ、カラオケ、BGMといった、包括契約からの著作権使用料の分配以外にインディにとって必須とは言えないからだ。

まずインディの場合、テレビやラジオに登場する機会は著しく低い。場合によっては、皆無かも知れない。その上、JASRACなどの使用料算出方式は正確ではないため、大ヒットした曲以外は、使用料の分配を受けられない可能性がある(そこそこヒットしてさえも分配されない例も多々ある)。このような現状において、インディが費用と手間をかけて、著作権使用料徴収代行団体に楽曲を登録するメリットはほとんど無い(海外の使用料徴収代行をメリットに上げる向きもあるが、ヒットが無ければ国内でも国外でも状況は同じだから、特段のメリットにはならない)。

しかし、ついにというか、やっとというか、
イーライセンスがラジオ放送を24時間録音し、放送された楽曲のフィンガープリントを登録楽曲と比較して、自動で正確に放送回数を把握する技術とシステムの実証実験から良好な結果と得たと発表した。

こうなると状況は劇的に変わり、1度放送されただけでも規定の使用料が分配されるようになる(1度しかかからない場合、実際のところ手数料のが高いので分配されないと思うが、少なくとも自分の曲が何回どこでかかったかなどは把握できるようになるだろう)。

indierevolution.jpでは、テレビやラジオでの露出はプロモーションの一環と考え、インディは無料で許可した方が良いという立場だが、上記のシステムが稼働し始める2009年以降は、インディそれぞれの立場と考え方で著作権使用料徴収代行団体の利用も積極的に検討してよいと考えるものだ。

Nine Inch Nailsの新譜は5ドルで36曲

昨年のRadioheadに続き、デジタル販売の革新的な手法を試すと予想されていたNine Inch Nailsの新譜、Gohsts I-IVは、全36曲で、CDなら2枚組で10ドル、ダウンロードは5ドルと破格の値段設定になった。最初の9曲は無料ダウンロードが可能で、これはお試しの位置づけだろう。面白いのは、2枚のCDに加え、マルチトラックの楽曲データを収めたDVDと、96/24という高品質のトラックとスライドショーをBlu-rayディスクに収めたデラックス版、およびさらに2,500枚限定でシリアル番号とTrent Reznorのサイン入りというウルトラデラックス版もあり、それぞれ75ドルと300ドルで発売される。

全曲DRMフリーで、クリエーティブコモンズに則ってライセンスされることも興味深い。

MP3版は安価(あるいは無料)で、高品質版はそれなりの値段で販売するというのは、indierevolution.jpが予想した将来の音楽市場の姿に近いが、まだ数年かかると思っていたものが、いきなり登場した感じだ。今後、この方向はさらに加速すると思う。また本来ならSA-CDへの移行を促すべきだったレコード業界の怠慢でSA-CDが忘れ去られようとする今、高品質版はBlu-rayで提供するというのは、予想されたていたものの、実際に出てみると、ちょっと興奮する。これはPS3の売り上げにも貢献しそうだ。

SA-CDのような高品質音源は、聴いたことが無いと分からないと思うが、アナログレコードからCDへの移行で、音質の著しい低下に幻滅した世代なら、懐かしいアナログ音源が戻って来たような気がするくらいに素晴らしいものだ。今後は、FMラジオ程度の音質の音源をiPodのようなポータブルプレイヤで聴く層と、高音質音源をコンポできちんと聴く層と、音楽ファンも分かれていくだろう。

Play.comが英国でDRMフリーのMP3販売へ

Play.comが、英国でDRMフリーのMP3形式でメジャー(とりあえずはEMI)およびインディレーベルの楽曲販売を開始すると発表した。DRMフリーの販売は、iTunes Storeに続きAmazonの参入以来、もう珍しいことではないが、iTunesのAACと比べるとMP3ということで汎用性も高く、また英国では初めての試みとなる。いずれにしろ、世界のデジタル販売の流れはDRMフリー、高音質、低価格という方向で固まったと言えるだろう。

それに比べ、日本の現状は嘆かわしい。数年の内に、この世界の波が日本にも押し寄せるのに、知ってか知らずか、まるで無かったことかのように無視を決め込んでいる。このままだとインディアーティストのJASRAC離れ、メジャーレーベル離れが加速するということが、本人たちには全く分かっていないようだ。

EMIが楽曲を無料配布

Princeが新譜を新聞のおまけに付け、Radioheadが言い値で新譜を売る時代だから、何が起きても驚きはしないが、さすがにレコード会社自身が無料配布を行うとなれば、無視はできない。EMIは、New York Daily News紙の2月3日の紙面に記載されたコードをNydailynews.comで入力することで、12万曲のラインアップから3曲を無料でダウンロードできるキャンペーンを行う。

音楽を無料配布すると、音楽の価値が下がると言う向きもあるが、元々音楽の価値とは金額換算されるものではなく、その作品としての質で決まるはずだ。もちろんその「質」の評価は、時代や環境によって変わるだろうが、無料で配布したら価値が0になってしまうことはあり得ない。ましてや、無料といっても、どこかでだれかがお金を払っているか、放棄しているか、別の手段で対価が見込めるか、なわけだから、金銭的な意味での音楽の価値云々という議論は全く意味をなさない。あるとすれば、音楽ファンが音楽を軽んじる時代が来るのではないか、という不安と恐怖なのかも知れないが、原初的な音楽の意味を考えれば、音楽とは宗教や哲学とも関係しているし、ライフスタイルとも関係しているわけで、無料で入手したから軽んじる、ということは想像しにくい。軽んじられる音楽は、その程度のものだったと思うしかない。

今起きていることは、単に新しい音楽の販売の仕方が生まれつつあるだけだ。やや試行錯誤して入るが、確実に新しい時代の夜は明けつつある。海外では今後もこの傾向が続くだろうし、その波は否応無しに日本にも届く。対岸の火事を決め込んでいる業界関係者は、後で泣きを見ないように今から準備しておくべきだ。

SONY BMGもDRMフリーへ

米国の話だが、ついにSONY BMGもDRMフリーMP3での楽曲販売に移行するようだ。当面は、実験的にAmazon.comで販売することになるらしい。これでEMI、Universal MG、WarnerとSONY BMGの4代メジャーレーベルすべてが、何らかの形でDRMフリーに移行したことになる。

そしてNapsterも楽曲販売はDRMフリーのMP3に移行していくことを発表した。

こと音楽に関する限り、MSのDRMは廃れて忘れ去られていくことになる。

日本ではDRMフリーの形が見えてこない現状だが、過去の例から言っても、遅かれ早かれ、海外の動きに追従しなければならないことは明白だ。日本では着歌が売れているから、特殊な市場が形成されていくんだと言い張る向きもあるが、そのプラットフォームたる携帯電話こそが、今パソコンとの境界線がなくなりつつあるわけで、iPhoneに代表されるフルブラウザであらゆるインターネットのサービスが利用できる端末が現れたとき、低品質で高価格、ポータビリティも皆無な着歌が、現在と同じだけ売れるかどうかは疑問だろう。というか、今と同じ状態であり続けられないのは、あまりに自明のような気がする。

indierevolution.jpが米BEATWIRE.COMと提携

indierevolution.jpでは、米国ニューヨークのBEATWIRE.COMと提携し、日本のインディバンドのプレスリリースを海外1万を超える宛先に配信する「indierevwire.com」サービスを2008年1月から開始します。詳細については、こちらのプレスリリースを参照ください。

AppleがiTunesベストオブ2007 100曲プレゼントキャンペーンを実施中

Appleは、iTunes Storeベストオブ2007を発表すると共に、iTunes総合チャート上位100曲をダウンロードできるコード(総額19,000円相当)を10人にプレゼントするキャンペーンを実施中だ。応募の〆切りは、2008年1月8日となっている。ライブに次いでデジタル市場が主戦場となるインディにとって、デジタル販売で売れている曲を知ることは、今後のよい勉強となるだろう。オープン懸賞なので、どしどし応募しよう。

Saul Williamsも支払いの判断はファン次第

Radioheadに続き、Saul WilliamsもNine Inch NailsのTrent ReznorプロデュースでAlan Moulderがミックスした新譜、The Inevitable Rise And Liberation Of Niggy Tardustを無料か$5か購入者が選べるやり方で販売開始した。$5で購入すると、192Kbps MP3320Kbps MP3FLAC lossless audioの音源にPDFファイルが付いてくるが、無料でダウンロードすると192Kbps MP3の音源とPDFファイルだけがダウンロードできる。つまりCD音質が欲しければ、$5払ってくれ、ということだろう。購入すると、登録したメールアドレスにダウンロード用リンクが送られてくるので、そこからダウンロードする仕組みだ。ちなみにDRMはなく、MP3エンコーディングは音質で定評のあるLAMEとなっている。

日本でも
CD音質あるいはそれ以上の音質でデジタル音源だけ販売し、CDは発売しない動きが始まっているが、手軽にダウンロードでCD音質の音源が入手できれば(価格の問題は残るが)、CDの存在意義が半減することは確実で、今後はCDの売り上げがさらに落ちることは明白だ。こうなると音質面とアートワークの面で圧倒的に有利なアナログLP版を復活させるか、音質面ではデジタル音源が今後しばらくは追いつけないSA-CDに大々的にシフトするしかない。アナログ版の復活はあり得なさそうだから、CDを売り続けたければ、SA-CDにシフトするしかなく、その普及にはプレイヤを数千円から販売するしかないだろう。

indierevolution.jpは、特にSaul Williamsのファンではないので、とりあえず無料でMP3音源をダウンロードしてみた。聴いてみて、気に入ったら$5払って、ロスレス版を入手する予定だ。これはまさにパソコンにおけるシェアウェアの販売の仕方と同じだ。聴いてみて、気に入ったら買うという、こんなに気持ちよく清々しい購買行動は、音楽業界では長らく味わえなかった快感のように思う。聴いて好みかどうか確認するために、友達に音源をコピーしてもらうことさえも著作権違反かどうかなどと馬鹿げた議論を繰り返すような業界側には、この音楽ファンの心理は100年経っても分かるまい。

Radioheadに比べ、よりあからさまにレコード会社への反発を表明してきたNine Inch Nailsだから、単なる新しい音源販売の道を試すというよりも、今後はレコード会社不要論者の立場から積極的なインディ活動を展開することも予想される。Radiohead以上に過激なショックを業界に与え、日進月歩の音楽業界の改革/進化をさらに加速化するかも知れない。

ただし日本においては、JASRAC信託していると、たとえ著作者であっても、たとえ試聴の目的だとしても、音源をダウンロードさせれば、JASRACにお金を払わなければならない。海外の波が日本に押し寄せてくれば、逆転現象でJASRAC離れが起きる可能性もある。著作権管理団体の存在を否定する気はないが、包括契約や補償金とほとんど無関係なインディは信託するべきかどうか、これまでになく慎重に考える必要がある。

Radioheadの新作、日本でも自由価格でダウンロード販売

先日、indierevolution.jpでも購入して報告させていただいたRadioheadの新作アルバム、IN RAINBOWSだが、日本でも購入者が値段を決めてダウンロードできる英国と同じ手法で販売されることになった。現時点では、サイトはまだ準備中のようだが、発売になればiMode端末のドコモ ケータイ払いを使えるそうだ。この手法が日本で定着するかは未知数だが、パソコンソフト用シェアウェアの支払いについては、日本は他国に比べて倍以上の支払い率だそうだから、日本でこそビジネスとして成功する可能性はあるかも知れない。

シェアウェアはオナーシステムという、理想論というか、一種の性善説を基礎にしたコンセプトが基本にあるが、音楽業界も、ファンを泥棒扱いするのはもうやめて、オナーシステムを導入してみたらどうだろう。

ニフティがデジタル販売から撤退

ニフティが2005年10月に後発で開始したデジタル販売サービス、MOOCSを段階的にサービス停止し、来年の春には完全閉鎖すると発表した。PCと携帯の両対応というコンセプトで発表された時は、注目されたが、開始時の取り扱い楽曲が15万曲からと圧倒的に少なかった上に、PCから携帯へ曲を移動するにはSD-Audioとして著作権保護機能付きのSDメモリーカードを使うなど、制約が多く、稼働後は話題にもならなかった。今後の詳細は決まっていないが、来春には別の総合的なミュージックポータルとして出直すということだ。

MOOCSは、決して大手とは言えないが、鳴り物入りで始まったサービスが早々に終焉を迎えるということで、日本でもデジタル販売サービスの淘汰の始まりが予感される。

前後するが、エキサイトも2004年に開始した
エキサイトミュージックでの楽曲販売を終了しており、本来のポータルに戻っている。もっともエキサイトは、曲がりなりにもエキサイトミュージックモールという新たな試みも始めており、積極性は失ってはいないようだが。

海外の例を見ても、特定のレーベル、レコード会社、ミュージックプレイヤ、著作権権利技術など、ある種の利権と制約が先走り、流行っているからと始まったデジタル販売サービスはいずれは終わらざるを得ない運命であることは明白だが、その波は思ったより早く日本へ到達し始めたようだ。

NTTがMUSICOでDRMなし配信

NTTコミュニケーションズが同社のデジタル販売サイトMUSICOで、この10月30日からDRMなしの配信を開始する。iTunes Store並かそれ以上の音質で、J-POPへの強みを前面に出してiTunesに対抗する狙いだ。1曲の価格が邦楽の260円と洋楽の190円と格差があること、徐々に拡張するとはいえ当面はEMIミュージック・ジャパンの約10万曲だけ、というのが気になるが、大手の楽曲をDRMなしで配信するのは、日本初であり、高く評価できる。邦楽の値段が高いのが気になるが、高額/低音質の着歌の存在が洋楽と同等の値付けの障害となっているのだろう。しかし、高音質でDRMなしの音源が広まれば、自ずと着歌離れも進み、いずれは全体の値段と音質はPC向けデジタル販売サービスの標準へと収斂するに違いない。

indierevolution.jpでは、かねてより、本来の「より多くのファンに聴いてもらう」という目的を考えれば、DRMなしが自然な流れと説いているが、日本のインディではDRMに異常に執着する例が多いことを危惧してしていた。しかし、こうして大手からDRMなしに移行してくれれば、業界の末端までDRMなしが標準となる日も近いだろう。

Radioheadの新譜について

indierevolution.jpにも、この10月10日の夕方に予約しておいたRadioheadの新譜In RainbowsのダウンロードURLがメールで届いた。新譜の評価は、indierevolution.jpの仕事ではないので、触れずにおこうと思ったが、今回の動きを非常に興味深く見ている方々も多いようで、問い合わせがちらほら来るので、その感想など書いておこう。とはいえ、やはり楽曲そのものを評価するつもりはないので、あくまで購買体験全般についての感想となる。

インディバンドの場合、自分たちのサイトで楽曲を売って、直接ダウンロードさせることは珍しくない。しかし今回、実際にダウンロードしてアルバム全体を聴いてみて、通常は味わえない、不可思議な感動があった。それは、このアルバムの値段を自分が決めたことに起因すると思われる。indierevolution.jpでは、4ポンドを指定したが、聴いた直後に「もう少し払っても良かった」ような気がした。しかし、そんな気がしただけで、根拠はない。何がそんな気にさせたのか、いずれは分析が必要だろうが、とにかくアルバムの値付けを自分で行うという新しい体験が、何かエモーショナルな部分に作用して、購入した楽曲に付加価値を与えるようだ。同じ商品なのに、値切って買った方が愛着が湧くのと同じかも知れない(逆に、値切って買った商品は、その後の扱いがぞんざいになることもあるが)。

新しい体験とは書いたが、買い手がアルバムや楽曲の値段を付けるというデジタル販売サービスはこれまでにもあったし、現在も存在する。しかし多くの場合、「とりあえず公開しましたので、気に入ったら、好きな値段で買ってください」という、パソコンソフトでいうところのシェアウェアやドーネーションウェアみたいなノリが多い。しかし今回のRadioheadの場合、メジャーレコード会社から出ても良いはずのアルバムを、好きな値段で買え、と言っているわけだから、似たようなサービスとは一線を画していると言えよう。さらにアンチメジャーというメッセージをこちらが勝手に投影しているということも確実にあって、その点でも、自分が何か新しいムーブメントの一部になったような錯覚を無意識に起こしている可能性も否定できない。

内容に少し触れておくと、音的にはかなりインディっぽい感じで、荒削りな雰囲気が全体に漂っている。とは言え、Radioheadは、これまでも曲によっては非常に荒っぽい録音も存在していたので、目新しいわけではない。むしろ、全体の空気が沈鬱な方向に向かっているところが、インディっぽいのだろう。それでいて暗いわけではなく、地下に充満したエネルギーが、地表の直下で渦巻き、今にも地上に爆発して出そうで、出ないと言う、文字通りアンダーグラウンドなパワーを感じる。メジャーレコード会社から出ていれば、一曲くらい少しは華やかで一般受けしそうな曲を入れて来そうだが、そんな思惑はあっさりと排除している。そんな音を聴くと、今回の試みにも必然性があるような気がする。同時に、そこで好みが分かれそうだ。

ダウンロード販売した売り上げについては、一切発表しないそうだが、非常に良く売れているらしい。来年初頭にCDとしてリリースされれば、それなりにチャートを上がるだろう。いずれにしろ、インディによるアルバム販売の新しい手法を大規模に試し、成功に導くことができることを証明してくれた功績は大きい。すべてのインディが同じやり方でアルバムを売れるわけではないが、インディがアルバムのデジタル販売を考える際の一つの指標となることは確かだろう。

Oasisの新譜はデジタルオンリー

英国の人気バンド、Oasisのニューシングル、Lord Don't Slow Me Downは、1021日からダウンロード発売されるが、CDでの発売はないそうだ。これだけメジャーなバンドがダウンロード販売のみで新譜を発売すると言うのは、CDに固執し続けているように見えたレコード会社(Oasisの場合は、Universal)がついに新たな道へ踏み出したことを意味する。同曲は、現在、99ペンス(230円前後くらいだろうか)で予約受付中だが、The Meaning Of Soul (Live at City of Manchester Stadium '05) Don’t Look Back In Anger (Live at City of Manchester Stadium '05)の2曲を加えた3曲セットも1ポンド50ペンス(350円前後だろう)で予約でき、予約と同時にThe Meaning Of Soul (Live at City of Manchester Stadium '05) がダウンロードできる。

売り上げが落ち込み続けるCDを発売するかというのは、インディにとってもそれなりに問題だが、その売り上げで莫大な利益を上げ続けて来たメジャーレコード会社に取っては、さらに大きな問題となっている。CDの流通には膨大な人的、経済的、時間的なリソースを必要とするからこそ、レコード会社も強い立場でアーティストと向き合ってこれたが、CDの販売から撤退すれば、楽曲に対するアーティストの主導権はより強まることになる。新譜のデジタルオンリーでの発売は、メジャーレコード会社にとって大きな賭けのはずだ。しかしパラダイムの転換と言うのは一夜にして訪れるわけで、一番電車に乗り遅れたがために、その業界全体が凋落し、あらたなメディアやビジネス、システムに取って代わられるというのは珍しいことではない。これから数年、様々な実験が活発に行われることになるだろう。こうした実験は、本来インディこそが得意とするはずなのに、日本にはメジャーの真似事ばかりするインディが多く見受けられるようで、ちょっと心配だ。そろそろ世界に向けて、新しい方法や表現を積極的に試して、暴れてみても良いのではないだろうか。新しいインディの潮流が日本から生まれて、世界へ発信されることに期待したい。

THE CHARLATANSが新譜を無料配信

今やアーティストがレコード会社の呪縛から自由になり、自らの新譜を無料で配る(あるいは、買い手の言い値で売ったり)する時代が来たようだ。90年代から活躍する英国のThe Charlatansが、新しいシングルを10月22日からxfm経由で無料ダウンロードさせると発表した。また新しいアルバムも来年初頭にxfm経由で無料ダウンロードさせる予定だ。xfmは、英国のラジオ局だが、アーティストへのインタビューなどを積極的にPodcastしているので、日本でもよく知られているだろう。

デビッドボウイが「近い将来、レコード会社はなくなる」と予言したのは、もう5年以上前になるだろうか。その後、インディがインターネットを使って世界的なヒットを出したり、ボブディランが「CDに収められた音楽は死んだ音楽。本当の音楽はライブでしか聴けない」と言って、ライブチケット付きのアルバムをiTunesでライブチケットの値段程度で売ったり(つまりアルバムは無料と言う考え)、プリンスが新譜CDを新聞のおまけに付けたり、レコード会社が堅持したい枠組みに収まらない動きが拡大している。そのいずれもライブでの集客につながれば、デジタル音源はプロモーションとして無料で配っても良い、という考え方が根底にあると言うことは見逃せない。そして、ここ数年、ライブこそがレコード会社のコントロールを離れ、アーティストあるいはレーベルが主導権をしっかりと握り始めたジャンルなのだ。実際のところ、レコード会社や音楽出版社が間に入った場合、アーティストにとって録音した音源の利益率は総じて小さい。大ヒット曲でもなければ、アーティストに支払われる売り上げは微々たるものだ。その点、ライブは、利益率はかなり高い上に、Tシャツだの、バッジだの、グッズの売り上げもついて来る宝の山だ。後は、いかに多くライブを行い、そのすべてをどうやって満員にするかと言う手法だけが問題となる。ここ最近活発な、CDや音源を無料で配ると言う動きは、この目的を達するための実験的なアプローチだろう。

ライブと言えば、インディの主戦場だ。インディこそ、いかに多くのライブを成功させるか、というアイデアを試し続けなければならないはずだ。でも日本では、ライブをそういう風に見ているインディはまだ少ない。しかし、そろそろメジャーデビューとか、著作権使用料とか、そんなことに思い煩わされるのでなく、効果的なライブを実現する手法と手段について真剣に考える時ではないだろうか。

Radioheadが価格のないレコードを直販

英国の人気ロックバンド、Radioheadは、新譜In RainbowsをRadioheadの公式サイトから直販すると、この10月1日に発表した。サイトへ行くと、予約受付中で、ボックスセットは12月に発売だが、ダウンロードは10月10日までに可能となっている。試しに予約してみようとすると、Priceが空欄になっていて、?マークが付記されている。?をクリックすると、好きな値段を決めろ、と言われる。試してはいないが、0ポンドを指定すれば、クレジットカード決済の手数料0.45ポンドだけで、無料ダウンロードもできるようだ。1ポンドは240円前後だから、4ポンドが約1,000円と考えて良いだろう。indierevolution.jpもRadioheadが好きなので、とりあえず4ポンドで予約してみた。発売と同時にダウンロード用の情報がメールで送られて来るはずだ。Radioheadは2003年でEMIとの契約が終わっているので、現在はインディという状態のはずだから、新譜をサイトで直販しても驚くことはない。しかし買い手に価格を付けさせると言うのは、一部のインディが行っているが、一般化はしていない。しかも、聴いてから適正と思われる値段をつけるのでなく、内容がまったく分からないままに値段をつけると言うのは他に例がないだろう。過去の例からすると、買い手に値段を付けさせると、概ね、平均的な価格より高く値付けする傾向にあるらしい。この辺の買い手の心理と言うのは、学術的に分析されるべきだろうが、インディとファンのコミュニティの将来の姿を模索する意味では、面白い試みだ。いずれにしろ、インディとは、すべてを自分で決めて、自分で制御することに他ならない。正しいと思った道、あるいは単に面白そうだと思った方法を、バンバン試してみることができる。それこそインディならではの醍醐味ではないだろうか。

この辺、米国のファイル共有による著作権侵害に関する訴訟の中で、SONY BMGの
Jennifer Pariserが10月2日に証言した「自分で買ったCDから曲をリッピングするのは窃盗です」という内容とからめて考えると面白い。Jennifer Pariserによれば、レコード会社は、レコードを売る以外に収入がないので、ファイル共有に代表される違法利用が直接会社を傷つけ、SONY BMGの場合は、今では2000年の半分の会社規模になったそうだ。レコード会社がレコードを売る以外にも収入を得ていることは周知の事実で、なぜこのような発言を行ったのかは分からないが、CDから曲を複製する行為自体が違法だとする考え方は、かなり極端なものと言えるだろう。この発言が、すべてのレコード会社の考えを代弁しているとは思えないが、レコード会社が「レコード」は自分たちのものであると信じてきた証拠にはなる。しかし、本当にレコードはレコード会社のものだろうか?少なくとも、録音された「作品」は、作詞作曲者のものであり、演奏したアーティストのものであり、プロデュースしたプロデューサのものであり、応援したファンのものであっても、レコード会社のものではないはずだ。この辺、一時代前のレコード会社とアーティストの関係や原盤権の考え方や解釈の違いもあるので、これ以上は突っ込まないが、レコード会社側がこのような発言を繰り返せば、Radioheadのように、レコード会社とは距離を置くアーティストが増えていくだろう。海外では、インディだけでなく、メジャーの間でも、原盤権も含め、作品そのものの権利は自分たちで維持し、レコード会社はあくまでレコードを流通させるための会社として外注あるいは下請け的に契約する、という流れができ始めている。以前なら、スタジオでの録音やツアーの経費などをレコード会社が負担することで、作品やライブの権利をレコード会社が持つと言う図式だったから、アーティストはレコード会社の言いなり、ということもあり得たが、今や録音もミックスダウンも自分たちで行い、ライブの告知やブッキングも、チケット販売さえ自分たちでできる時代だ。自分でできることは自分でやると決めれば、おのずとレコード会社との関係や互いの立ち位置も明らかになるだろう。日本のインディシーンにも、数年遅れでこの波は訪れると思うから、その時になってショックを受けたり、右往左往したりしないように、今から心の準備をしておいた方が良い。

SONYがRollyを発表

SONYのRollyだが、蓋を開けてみたら、iPodに対抗した携帯プレイヤではなかった。SONYは、すでに米国においては、iPodとiTunesに真っ向勝負を挑む気がないことを態度で示しているが、Rollyもそんな方向の現れかも知れない。

しかし床起きで、スピーカ付きの、卵形MP3プレイヤという見た目は、決して目新しくない。また音を鳴らしながら光ったり動いたり、というのも、実は、SONYが5年ほど前に、Q.taroという名前で発表した試作機で実現している(Q.taroは、自前のメモリやスピーカは持たず、入力される音に反応して光ったり動いたりするものだったが)。Rollyが、このQ.taroの延長線上に開発されたか、Q.taroそのものが改良されたものであることは、多分、確かだ。このQ.taroを開発したのは、AIBOの開発をしていたエンターテインメントロボットカンパニーに近しい、ソニーモーバイルネットワークカンパニー
パーソナルオーディオカンパニーで、発表当初も、AIBOと異なるアプローチながら、パートナーロボットの一形態としてのコンセプトを持っていたらしいから、単なるMP3プレイヤという見方は間違っているに違いない。何か新しいおもちゃが登場した、と見るのが正しいのだろう。

実際に音を聴かないと分からないが、ひょっとしたら凄く音がいいのかも知れない。またボタンは2つしかなく、選曲にはリングを回す、というインタフェースは、触ってみたら意外と良い、ということもあり得る。さらにBluetoothを搭載しているので、複数のRollyが集まると連携する、という隠し技の可能性もある。結局、実機に触れるまで、その評価はお預けということか。

ラジオでかかっている曲をiTunes Storeで購入

前回のニュースで、店舗などのBGMを、その場でiTunes Storeで購入する、というアイデアについてちょっと書いたが、少し方向は違うが、似たようなサービスが発表された。米国でデジタルAM/FMラジオ技術を開発およびライセンスするiBiquityとApple、そして同社のHD Radio技術をライセンスする全米のラジオネットワークが発表したもので、ラジオでかかっている曲をその場でiTunes Storeで購入するiTunes Taggingという機能だ。同種の機能は、欧州ではそこそこ見られるが、どれもインディ系のサービスで規模が小さく、普及はしていない。このサービスのキモは、デジタルラジオ対応ハードウェアにiTunes Taggingボタンが搭載され、ボタン一発で楽曲の購入ができることだろう。すでにJBLとPolk Audioが対応ハードウェアの発表を行っているようだが、他社も追従するはずだ。日本でもクラリオンがカーオーディオでiBIquityと契約していたりするから、意外と早い時期に国内でiTunes Taggingが使えるようになるかも知れない。できれば、次期iPodにHD Radioを搭載し、iTunes Taggingさせてもらいたいものだ。

米SONYが新型Walkmanを投入

米国に限定されたニュースなので、採り上げるかしばらく悩んだが、いずれ日本にも飛び火して来ると思われるので、触れておくことにした。8月30日に、SONYは、H.264ビデオ再生機能を持つWalkman NWZ-A810NWZ-S610を9月から米国のSONY Styleで発売すると発表した。DRMはWindows Media DRMを採用し、これまで使い続けて来た自社開発のATRACは採用しない。管理ソフトも自前はやめてWindows Media Playerとする。また米国でSONYが展開する音楽販売サービス、CONNECT Music Serviceを2008年春に閉鎖することも発表した。これは自社のサービスと製品で消費者を囲い込もうとして来た同社が、少なくともデジタル音楽販売については、iTunes StoreとiPodとの戦いを諦めたことを意味する。この背景には、SONYとしては、勝てない市場はさっさと捨てて、次の市場、つまりデジタルビデオ販売へ早々に照準を合わせ、リソースを集中させたい思惑がある。

日本のデジタル音楽販売市場におけるSONYは、事実上同社の会社とも言えるレーベルゲートという業界一団となった(すでに空中分解しているが)護送船団の旗艦としての責任を負っているため、簡単に米国の現状と比較はできないが、ATRAC3/3Plusを採用するレーベルゲートの
Moraが閉鎖され、昨年9月にWindows Media Player上のストアとしてサービスが開始されたMora winに完全移行する日が来るかもしれない。この辺は、同社の新しい携帯プレイヤ、Rollyの仕様が公開されれば明らかになるだろう。

Moraについていえば、2005年2月から楽曲提供を行っている
Yahoo! ミュージックが今年になってMoraのライバルであるiTunes Storeと提携したり、同様に2005年12月から楽曲提供していたORICON STYLEは2006年11月でPC向け音楽配信を終了するなど、求心力は完全に失われている。SONYが、日本でも米国の後を追うのは時間の問題なのかもしれない。当然、その時には、iTunes Store Japanへの楽曲提供も開始されるだろう。

オンディマンドでCD-Rデュプリケーション

最新ニュースではないが、ニューヨークで面白いサービスを見つけた。Kunaki.comというのだが、まずオーディオCDが出来上がったら、専用のソフトウェアを使って、ジャケット、インサート、CDレーベル面をデザインして、3D画像にして見栄えを確認する。OKだったら、オーディオCDの中身と一緒にKunaki.comへ転送する。これで商品としてアルバムが登録されたことになる。面白いのはここからで、アルバムの注文が入ると、全自動でCD-Rにデュプリケーションされ、印刷され、ジュエルケースに入れて、セロファンラッピングして、お客に直送してくれるのだ。つまり、アーティストは何もしなくていい。初期費用もかからず、UPCバーコードも無料で発行してくれる。アルバムが売れると、アーティストが指定した価格に3ドルの手数料を上乗せして販売する。売り上げからは、アルバム1枚につき1ドル60セントの製造コストが引かれる。なお180日間売り上げがないと商品登録が抹消されるので、最悪、三ヶ月に一度は自分で1枚購入する必要があるから注意が必要だ。

また
CD Babyに登録しているメンバーが、CD BabyへCDを納品する際にも、Kunaki.comから直接送ってくれるサービスがある。日本からCD BabyにCDを送ると、どうしても高く付くが、Kunaki.comを利用することで、必要な枚数だけ安価にCDを製造して納品できる。すべて英語のサービスなので、手が出しにくいと思うが、海外展開を考えるインディは、ぜひ一度検討して欲しい。

CD-Rデュプリケーションというと、日本では品質に不安を持つ向きもあると思うが、現在の技術では、きちんとデュプリケーションされたオーディオCD-Rは、下手な工場でプレスされたオーディオCDよりも品質が上だ。この辺は、「
CD or Not CD」のページでも少し触れているのでそちらも参照して欲しい。

CD Baby DIY Music Podcastがエピソード8を公開

CD Babyの社員がインディ・ミュージシャン向けに提供しているPodcastDIY Music Podcastの第8回、「Episode 008 : Fran Snyder - Concerts in Your Home」が公開された。このFran Snyderは、ミュージシャンがホストの「家」で、ワインなど飲みつつ、落ち着いた雰囲気の中で、和やかに、フレンドリーに演奏する機会を提供し、その様子を公開するConcerts in Your Homeの代表者。Concerts in Your Homeには、毎月数千人の訪問者があり、これでホストの家から家へとツアーするアーティストが現れるなど、インディの新しいライブの形として注目されている。このサイトの成功は、大規模なライブからは遠ざかりがちなインディに、全く新しい市場が開かれる予兆かも知れない。