Nine Inch Nailsの新譜は5ドルで36曲

昨年のRadioheadに続き、デジタル販売の革新的な手法を試すと予想されていたNine Inch Nailsの新譜、Gohsts I-IVは、全36曲で、CDなら2枚組で10ドル、ダウンロードは5ドルと破格の値段設定になった。最初の9曲は無料ダウンロードが可能で、これはお試しの位置づけだろう。面白いのは、2枚のCDに加え、マルチトラックの楽曲データを収めたDVDと、96/24という高品質のトラックとスライドショーをBlu-rayディスクに収めたデラックス版、およびさらに2,500枚限定でシリアル番号とTrent Reznorのサイン入りというウルトラデラックス版もあり、それぞれ75ドルと300ドルで発売される。

全曲DRMフリーで、クリエーティブコモンズに則ってライセンスされることも興味深い。

MP3版は安価(あるいは無料)で、高品質版はそれなりの値段で販売するというのは、indierevolution.jpが予想した将来の音楽市場の姿に近いが、まだ数年かかると思っていたものが、いきなり登場した感じだ。今後、この方向はさらに加速すると思う。また本来ならSA-CDへの移行を促すべきだったレコード業界の怠慢でSA-CDが忘れ去られようとする今、高品質版はBlu-rayで提供するというのは、予想されたていたものの、実際に出てみると、ちょっと興奮する。これはPS3の売り上げにも貢献しそうだ。

SA-CDのような高品質音源は、聴いたことが無いと分からないと思うが、アナログレコードからCDへの移行で、音質の著しい低下に幻滅した世代なら、懐かしいアナログ音源が戻って来たような気がするくらいに素晴らしいものだ。今後は、FMラジオ程度の音質の音源をiPodのようなポータブルプレイヤで聴く層と、高音質音源をコンポできちんと聴く層と、音楽ファンも分かれていくだろう。