SNOCAPとCD Babyが提携解消

MySpaceなど自分のホームページにダウンロード販売のストアを埋め込めるSNOCAPは、CD BabyのメンバーがSNOCAPに登録しなくてもストアが使えるようになる提携を解消する。これはCD Babyが、「アーティストが自分で登録できるデジタル販売サービスには自分で登録した方が良い」という考えを持っているからとされる。実際のところ、1年前に提携が始まってから、データの転送、両方に登録しているアーティストの扱い、ストア設置手順の分かりにくさ、など問題が完全には解決できていなかったので、この提携解消は仕方がないという感じだ。しかしSNOCAPは、米国以外からの登録を受け付けていないため、日本のインディにとっては、CD Baby経由でSNOCAPを使えるメリットは大きかった。今後、SNOCAPを使い続けたい場合は、簡単な手続きで登録を移管することになるが、日本からは公式には登録を受け付けていないため、日本のインディはSNOCAPから撤退を余儀なくされるだろう。

Last.fmがNow Form A Bandを公開

Last.fmは、音楽を作ったり、バンドを組んだ経験はあるが、楽曲を世に出すに至っていないインディ予備軍に、積極的に楽曲を公開することを促すページ、Now Form A Bandを公開した。このページでは、以前は、曲を発売しても、ラジオにもTVにもかからないため売れ行きに期待できなかったアーティストでも、今日では、デジタル販売で曲を発売し、Last.fmでもプロモーションして売り上げを上げることができる時代だとしている。これはindierevolution.jpが言っていることと同じだ。さらに、Now Form A Bandでは、デジタル録音/ミックスした音源は、TunecoreCD Babyなどを使ってデジタル販売サービスに転送して発売し、その後、Last.fmで有料のサービスも使って積極的にプロモーションすれば良い、としていて、これもindierevolution.jpがすべてのインディに薦めていることとほぼ同じ方向性と言ってよい。

同じページで、
Lucky Soulという、いわゆるネット時代のインディバンドの成功にも触れている。要約すると、1)ホームページからレーベル運営まで、すべてを自分たちでコントロールする、2)知りうる限りすべてのPRとラジオプロモーションのエージェントに会い、楽曲を聴いてもらい、その中から一番良いエージェントを選び、レコード店への流通経路を確保してもらう。そこまでやって、はじめてレコードを制作する、3)パブリッシング(音楽出版)も自分でコントロールする、4)お金をかけてプロモーションする人もいるが、とにかくライブで露出してファンを増やすことが大事、5)ファンに口コミで宣伝してもらう、6)日本へ行ったら結構反応が良かったので、日本のすべてのレコード会社に楽曲を送ったら、SONYからオファーが来て、6ヶ月の交渉の末、発売3週間で20,000枚を出荷して、インターナショナルチャートの6位になった、そうだ。

このシナリオは、まさしくindierevolution.jpが日本のインディにもお薦めしているものに近い。ネット時代の今、ファンは全世界にいる。ライブを活動の中心に据え、ファンのコミュニティを育て、全世界で露出する、というのが、これからのインディの基本的な戦略と思って間違いない。

ちなみにNow Form A Bandでは、Mutoolsの
LunaというフリーウェアのDTMソフトを紹介している。パソコンさえあれば、高いソフトを買わなくても、すぐに録音/ミックスが行え、CD-Rにも焼ける優れものだから、日本のインディも試してみると良い。

Amazon MP3がベータに

かねてより近日開始と報道されていた米Amazon.comのDRMフリーのダウンロード販売サービス、Amazon MP3のベータが公開された。EMIやUniversalなどのメジャーおよびインディの2万以上のレーベルから200万曲程度を、DRMフリー、256kbsとiTunes StoreのiTunes Plusと同等の仕様で提供する。価格は、1曲が89から99セントで、アルバムは5.99から9.99ドル程度となる。全体にiTunes Storeよりは安めに設定されるようだ。海外では、DRMフリーは当然となって来た。しかも価格は下がる傾向にある。日本の状況は遅れていると言えるが、それは売る側だけでなく、作る側の意識が遅れていることも一因となっている。インディの中にも、盛んにDRMの必要性を訴える人がいるが、一体、何のために音楽を作り発表しているのかもう一度考えてみた方が良い。より多くのリスナーに曲を聴いてもらうには、ありとあらゆる場面で曲が聴ける状況になければならないが、DRMをかけるということは、その機会を減らすことにしかならない。WMを使えば、iPodで聴けず、FairplayをかければiPod以外で聴けない。DRMを外すことが生み出す弊害ももちろんあるが、音楽活動というその根本的な部分を見つめ直してみると、インディはライブを中心としたリスナーとの関わりにこそ存在意義があると言っても過言ではないだろう。となると、発表した楽曲はできるだけ多くの人に聴いてもらうことが重要で、DRMなどというビジネスの論理の上に生まれた発想は、インディにはそぐわないと考えるべきだろう。

Virgin Megastoreがデジタル販売から撤退

Virgin Groupの小売店、Virgin Megastoreのオンラインダウンロード販売版として2004年9月にサービス開始したVirgin Digitalが、3年でその歴史に幕を閉じることになった。ただし英国と米国で若干対応は異なり、英国は事実上すでにサービスは停止しており、既存のメンバーだけがサービスを利用できる状態だ。それも次の会費の期限までで、それ以降は使えなくなる。サイト自体は、10月19日には閉鎖される予定だ。一方、米国側はすべてNapsterに引き継がれることになった。Virgin Digitalは、元々ダウンロード販売としては後発で、当初から先行きが危ぶまれていたが、そのブランド力と、小売店のノウハウをダウンロード販売にも持ち込む、というアイデアに一部の期待もあった。特に、その特長とされた音楽のエキスパートがメンバーを互助するというソーシャルネットワーク的な機能がどの程度訴求するか、注目を集めたが、さほど効果はあげていなかったようだ。海外では、iTunes Storeの一人勝ちを阻止すべく、WalMartやAmzonなど新規参入も相次ぐ一方、閉鎖や統合も進んで、現時点でのデジタル販売サービスの勝敗は明らかになりつつある。日本も実態は勝敗がついているのに、悪あがきして群雄割拠を装うとするサービスもあり、一部で消費者の利益を阻害する状況が続いている。早く淘汰されて、自然な形になって欲しいものだ。

iPod touch出荷開始

Appleは、国内でもiPod touchの出荷を開始したそうだ。当初9月28日から出荷という感じで情報が流れていたが、どうやら当初予約分は、すべて28日までに出荷するという方針らしい。indierevolution.jpでも、iPod touchを買う予定だが、しばらくは様子を見るつもりだ。これはiPodに限らず、ハイテク製品の場合は、新製品の初期出荷分には初期不良というものがつきもので、しばらくすると改良版がでるのが普通だからだ。今のところ、iPod touchについては、WindowsでiPod touch側からiTunesが認識できない問題とディスプレイの画質が低いという2点が報告されている。後者は、現在出荷されている製品ではすでに修正されているので、これから買う人は心配する必要はない。なお該当するiPod touchは、交換になるようだ。一方のWindowsとの問題は、たちが悪く、Appleでも現在調査中だ。そのため、Windowsでは、買ったは良いが、全く使えない状況が続いている。一度Macに接続して認識させれば、次回からWindwosでも正常に使えるので、どうもソフトウェア的にかかっているロックがWindowsでは解除できない問題らしい。とりあえず、これからiPod touchを買おうと思っている人で、特にWindowsのユーザは、ちょっと待つのが得策だと思う。

CD Babyが8月のコンテストの結果を発表

CD Babyがこの8月から毎月行っている、Ryko/Warnerを通じて全米で流通するCDを決めるコンテストだが、8月の受賞者がKenny RankinLike A SeedJames BrauschLife Management 101に決まった。前者は、いかにもアメリカンなクリーンなギターとボーカルのフォークアルバムで、後者は自己啓発っぽい講義を収めたオーディオブックだ。両者とも、何に使っても良い$3,000と来年初頭のCDの全米発売の栄誉を受け取る。9月以降は、米国でライブを行っているアーティストのレコード店に並べるにふさわしいアルバムが受賞することになったので、オーディオブックが受賞するのはこれが最初で最後だろう。デジタル販売、オンライン販売、手売りを合計した売り上げの詳細は発表されていないようだが、8月だけでアルバム換算してそれぞれ400枚から500枚程度は売れたと考えられる。

Nine Inch Nailsに見るインディの必然性

すでにご存知の向きも多いと思うが、Nine Inch NailsのTrent Reznorは、彼らのアルバムYear Zeroのオーストラリアでの定価が34.99豪ドル(3,500円程度)に設定されたことで、今年5月に、自身のブログを通じてレコード会社UMG(ユニバーサル)に対して文句を言っている。レコード会社が自ら招いた苦境を消費者から搾り取ることで乗り切ろうとする考え方は間違いだというわけだ。オーストラリアは日本同様に、英米よりもCDが高いが、この価格設定は、多分、最高値の部類だ。しかも5月に行われたこの抗議に対して、UMGの幹部は、コアなファンはいくらでも金を払うんだからいいんだ、といった回答をしたと伝えられている。

そのTrentが、この9月16日にシドニーのホーデーンパビリオンで行われたNine Inch Nailsのライブで、観客に向かって、レコード会社が消費者から搾取し続ければ音楽は盗まれて当然だ、というニュアンスで「俺たちのアルバムをどんどん盗んで友達に配れ、そして盗み続けろ(
Steal it! Steal, steal, and steal some more and give it to all your friends and keep on stealing.)」と煽動した。その怒りの大きさが計り知れる事件だろう。なお一部の報道で「(CD)を盗め」と言ったとされているが、彼の過去の「レコード会社が消費者から搾取を続けるから、音楽を盗むファンが出て来ても仕方ない」といった発言から推すと、CDを万引きして配れと言ったのではなく、P2Pで音源を配りまくれ、と言ったと考えるのが妥当だろう。

この5月の騒動でも、ファンから搾取することになるマキシシングルはもう出さないと言っているし、その後の一連の流れから、Nine Inch Nailsが遅かれ早かれUMGを離れ、インディレーベルでの活動に移行するものと考えられる。

レコード会社がアーティストの意向を無視して、アーティストと全面戦争になった例は、Princeや
George Michaelの例を出すまでもなく、日常茶飯事だ。しかし、以前なら世界的な成功にはメジャーレコード会社との契約は必須だったが、今は時代が違う。ファンを大事にし、ライブを活動の中心に据えるなら、そこにインディたる必然性が生まれる時代だ。日本でも、夢はメジャーデビューというインディが多いようだが、この機会に一度、インディとしての活動の真の意味を見つめ直して欲しいものだ。仮に今見つめ直さなくても、海外では、時代がインディの方を向いていることは事実で、遅かれ早かれ日本でもインディのパラダイムシフトが起きることは避けられないから、否応無しにインディの再定義は迫られることになる。

CD Babyがコンテストの要項を変更

この8月から、CD Babyが開始した「毎月のトップセラーアルバムをRyko/Warnerを通じて全米で流通させる」コンテストだが、9月分から要項が変更され、「cdbaby.comで販売されたCDのトップセラーの中からCD Babyが選んだアルバムをRyko/Warnerを通じて全米で流通させる」ことになった。これは8月のコンテストにおいて、トップセラーになったのが、James BrauschLife Management 101といういわゆる自己啓発の講義を収めたオーディオブックだったからだ。CD Babyでは、オーディオブックでも分け隔てなく今回のコンテストの勝者として全国発売してレコード店に並べるつもりのようだが、James Brausch自身がいつまでも勝者が発表されないため、オーディオCDでない自分のアルバムがコンテストから除外されたとクレームを付けている(公式にはクレイムしていないが、彼の信奉者にはそのように印象づけているようだ)。発表が遅れているのは、8月のデジタル販売およびライブで手売りされたCDの集計がまだ出ていないからだが、今後は同様のクレームが出ないように、cdbaby.comでの販売だけに限定することになった。またオーディオブックのようにレコード店の店頭に並べることが適当と思われない場合や実際は米国でライブを行っていないようなアーティストなど、全米展開に不適切と判断されれば、最も売れたCDでも除外されることがある。日本のバンドのチャンスは減るが、受賞時にもらえる$3,000を元手に、米国ツアーを組むなどのプロモーションにチャレンジする気があれば、別段心配することはないだろう。

デジタル販売の項を追加

デジタル販売についてのアイデアやヒントを考える、デジタル販売の項を新規に追加しました。

SONYがRollyを発表

SONYのRollyだが、蓋を開けてみたら、iPodに対抗した携帯プレイヤではなかった。SONYは、すでに米国においては、iPodとiTunesに真っ向勝負を挑む気がないことを態度で示しているが、Rollyもそんな方向の現れかも知れない。

しかし床起きで、スピーカ付きの、卵形MP3プレイヤという見た目は、決して目新しくない。また音を鳴らしながら光ったり動いたり、というのも、実は、SONYが5年ほど前に、Q.taroという名前で発表した試作機で実現している(Q.taroは、自前のメモリやスピーカは持たず、入力される音に反応して光ったり動いたりするものだったが)。Rollyが、このQ.taroの延長線上に開発されたか、Q.taroそのものが改良されたものであることは、多分、確かだ。このQ.taroを開発したのは、AIBOの開発をしていたエンターテインメントロボットカンパニーに近しい、ソニーモーバイルネットワークカンパニー
パーソナルオーディオカンパニーで、発表当初も、AIBOと異なるアプローチながら、パートナーロボットの一形態としてのコンセプトを持っていたらしいから、単なるMP3プレイヤという見方は間違っているに違いない。何か新しいおもちゃが登場した、と見るのが正しいのだろう。

実際に音を聴かないと分からないが、ひょっとしたら凄く音がいいのかも知れない。またボタンは2つしかなく、選曲にはリングを回す、というインタフェースは、触ってみたら意外と良い、ということもあり得る。さらにBluetoothを搭載しているので、複数のRollyが集まると連携する、という隠し技の可能性もある。結局、実機に触れるまで、その評価はお預けということか。

ラジオでかかっている曲をiTunes Storeで購入

前回のニュースで、店舗などのBGMを、その場でiTunes Storeで購入する、というアイデアについてちょっと書いたが、少し方向は違うが、似たようなサービスが発表された。米国でデジタルAM/FMラジオ技術を開発およびライセンスするiBiquityとApple、そして同社のHD Radio技術をライセンスする全米のラジオネットワークが発表したもので、ラジオでかかっている曲をその場でiTunes Storeで購入するiTunes Taggingという機能だ。同種の機能は、欧州ではそこそこ見られるが、どれもインディ系のサービスで規模が小さく、普及はしていない。このサービスのキモは、デジタルラジオ対応ハードウェアにiTunes Taggingボタンが搭載され、ボタン一発で楽曲の購入ができることだろう。すでにJBLとPolk Audioが対応ハードウェアの発表を行っているようだが、他社も追従するはずだ。日本でもクラリオンがカーオーディオでiBIquityと契約していたりするから、意外と早い時期に国内でiTunes Taggingが使えるようになるかも知れない。できれば、次期iPodにHD Radioを搭載し、iTunes Taggingさせてもらいたいものだ。

新しいiTunesは凄すぎる

昨日は、新しいiPod touchについて書いたが、それだけではJobsの発表のキモの半分にしか触れていない。iPod touchは、素晴らしい携帯プレイヤだが、それはすべてiTunesあってのことだ。新しいiTunesでは、iPod touchおよびiPhoneのワイアレスネットワーク機能を使って、パソコンを使わなくても直接にiTunes Storeにアクセスし、曲や動画を購入/ダウンロードできる。購入したものは、次回パソコンに接続してiTunesと同期した際に、iTunesライブラリにコピーされる。凄いは凄いが、これだけでは、携帯で音楽を買うのとあまり変わらない。Appleらしいのは、ここからで、何とStarbucksと提携し、Starbucksに入店すると、その時にかかっている曲(と直前の10曲)を、iPod touchの画面で確認できるようになっている。Starbucksに入ると、Starbucksボタンが表示されるという徹底ぶりだ。かかっている曲、あるいは直前に聴いて気に入った曲を確認したら、その場で購入ができる。今の所、Starbucksだけだが、このAPIが公開になれば、BGMがかかっている場所に入ったら、自動的にネットワークに接続し、曲を確認して購入できるようになるだろう。店側にしてみれば、曲が売れれば売り上げになるわけで、積極的にワイアレスネットワークを無料で公開するようになるかも知れない。

新しいiTunesでもう一つ凄いのは、着メロだ。iTunes StoreでiPhone用の着メロの販売が始まったのだが、何と、楽曲のどの部分を着メロにするかをユーザが決められる。iTunesストアで販売している曲で、着メロ対応している曲を選び、その内の気に入った部分を30秒間選択すると、その部分が着メロになるのだ。他人が作った着メロを我慢しながら使う必要がない。着メロ対応楽曲は、当初50万曲から始める。しかも価格が、99セント(約110円)だ。iPhoneがまだ使えない日本では意味がないが、低音質で高価格と二重苦に悩まされている日本の着メロ市場には、外圧でも良いので、iTunesの着メロ方式が風穴を開けてくれることに期待したい。

AppleがiPod touchを発売

かねて噂の新型iPodが、9月5日に発表された。nanoは新しくなり、従来の最上位機種はclassicという製品に生まれ変わったが、目玉はiPhoneの電話なしバージョンとも言える、iPod touchだろう。ワイアレスネットワークに接続でき、iTunes Storeから直接楽曲を購入/ダウンロードできる。またOS XのウェブブラウザであるSafariが搭載されており、ウェブブラウジングが可能だ。YouTubeにも一発で接続できる。これでメールが送受信できればPDAぽく使えるのだが、多分、ウェブメールは使えても本文の入力にはそうとう手こずるだろう。再大容量が18GBと小さいし、カメラがないのも不満だが、デモ動画でインタフェースをみる限り、本当に凄く良くできている。Wal-MartやAmazon.comなどが、iTunes Storeへの挑戦は続いているが、ことMP3プレイヤのジャンルでは、ZuneにしろWalkmanにしろ、iPod touchに勝てそうな製品は見当たらない。こうなるとSONYのRollyがどんな製品となって現れるか楽しみだが、iPod touchを凌ぐかは疑問だ。せめてiPod touchより早く公開しておけば良かったと思うが、ティーザ戦略が裏目に出そうだ。

米SONYが新型Walkmanを投入

米国に限定されたニュースなので、採り上げるかしばらく悩んだが、いずれ日本にも飛び火して来ると思われるので、触れておくことにした。8月30日に、SONYは、H.264ビデオ再生機能を持つWalkman NWZ-A810NWZ-S610を9月から米国のSONY Styleで発売すると発表した。DRMはWindows Media DRMを採用し、これまで使い続けて来た自社開発のATRACは採用しない。管理ソフトも自前はやめてWindows Media Playerとする。また米国でSONYが展開する音楽販売サービス、CONNECT Music Serviceを2008年春に閉鎖することも発表した。これは自社のサービスと製品で消費者を囲い込もうとして来た同社が、少なくともデジタル音楽販売については、iTunes StoreとiPodとの戦いを諦めたことを意味する。この背景には、SONYとしては、勝てない市場はさっさと捨てて、次の市場、つまりデジタルビデオ販売へ早々に照準を合わせ、リソースを集中させたい思惑がある。

日本のデジタル音楽販売市場におけるSONYは、事実上同社の会社とも言えるレーベルゲートという業界一団となった(すでに空中分解しているが)護送船団の旗艦としての責任を負っているため、簡単に米国の現状と比較はできないが、ATRAC3/3Plusを採用するレーベルゲートの
Moraが閉鎖され、昨年9月にWindows Media Player上のストアとしてサービスが開始されたMora winに完全移行する日が来るかもしれない。この辺は、同社の新しい携帯プレイヤ、Rollyの仕様が公開されれば明らかになるだろう。

Moraについていえば、2005年2月から楽曲提供を行っている
Yahoo! ミュージックが今年になってMoraのライバルであるiTunes Storeと提携したり、同様に2005年12月から楽曲提供していたORICON STYLEは2006年11月でPC向け音楽配信を終了するなど、求心力は完全に失われている。SONYが、日本でも米国の後を追うのは時間の問題なのかもしれない。当然、その時には、iTunes Store Japanへの楽曲提供も開始されるだろう。

オンディマンドでCD-Rデュプリケーション

最新ニュースではないが、ニューヨークで面白いサービスを見つけた。Kunaki.comというのだが、まずオーディオCDが出来上がったら、専用のソフトウェアを使って、ジャケット、インサート、CDレーベル面をデザインして、3D画像にして見栄えを確認する。OKだったら、オーディオCDの中身と一緒にKunaki.comへ転送する。これで商品としてアルバムが登録されたことになる。面白いのはここからで、アルバムの注文が入ると、全自動でCD-Rにデュプリケーションされ、印刷され、ジュエルケースに入れて、セロファンラッピングして、お客に直送してくれるのだ。つまり、アーティストは何もしなくていい。初期費用もかからず、UPCバーコードも無料で発行してくれる。アルバムが売れると、アーティストが指定した価格に3ドルの手数料を上乗せして販売する。売り上げからは、アルバム1枚につき1ドル60セントの製造コストが引かれる。なお180日間売り上げがないと商品登録が抹消されるので、最悪、三ヶ月に一度は自分で1枚購入する必要があるから注意が必要だ。

また
CD Babyに登録しているメンバーが、CD BabyへCDを納品する際にも、Kunaki.comから直接送ってくれるサービスがある。日本からCD BabyにCDを送ると、どうしても高く付くが、Kunaki.comを利用することで、必要な枚数だけ安価にCDを製造して納品できる。すべて英語のサービスなので、手が出しにくいと思うが、海外展開を考えるインディは、ぜひ一度検討して欲しい。

CD-Rデュプリケーションというと、日本では品質に不安を持つ向きもあると思うが、現在の技術では、きちんとデュプリケーションされたオーディオCD-Rは、下手な工場でプレスされたオーディオCDよりも品質が上だ。この辺は、「
CD or Not CD」のページでも少し触れているのでそちらも参照して欲しい。

モバイルスピーカ

8月27日に、iMainGoというiPod用のケース兼モバイルスピーカを紹介したが、国内の定価が1万円弱するので、手が出ないという反応が多かった。とりあえず、いつも持ち歩いているiPodにデモトラックを入れて、スタジオでバンドメンバー全員が一度に聴ければ、音量が小さくても、音質が悪くても構わない、ということであれば、うってつけのモバイルスピーカがある。丸七(株)というメーカのHappyStationシリーズの製品で、サイズは100円ライターを一回り大きくした程度の本体に、小さなスピーカが2つ横に並んで搭載されている。見た目は、LiNKAGE iPodコンパクトスピーカーのような感じの製品だ。同種の製品には、ROCKRIDGESOUND iPod Nano用miniスピーカーとそのシリーズもあるが、どちらの製品も単4電池が必要なのに、HappyStationは電池不要! 電池が要らないので、本体は非情に軽く、厚みはiPodと同じくらいしかない。そして、一番重要なのが、100円ショップで買えるということだ。つまり、実売が105円(税込み)なのだ。どこの100円ショップにもあるわけでないが、セリアという店には常備されているようだ。なお以前は、丸七のホームページで紹介されていたが、今は削除されているので、生産が終わっている可能性がある。見つけたら、即買っておくことをお薦めする。indierevolution.jpでは一年以上使い続けているので、iPodで使えることは確認済みだが、仕様的にiPodの規格に合っているのかは分からない。これが原因でiPodが壊れたという話も聞かないので、大丈夫だと思うが、保証はしないので注意して欲しい。