AmazonがAmazon Cloud Playerの提供を開始

Amazon.co.jpが遅ればせながら、Amazon Cloud Playerの日本での提供を開始した。

このサービスは、Amazon MP3ストアで購入した楽曲がAmazonのクラウドストレージ上に保存され、パソコン以外に
Android用アプリiOS用アプリを使って、パソコンを含め最大10台の端末で再生できるというもの。

特にiOS用のAmazon Cloud Playerアプリは、iTunesライブラリにもアクセスできるので、Amazon MP3ストアで買った楽曲も、iTunes Storeで買った楽曲も一つのアプリで再生が可能だ(ただし互いの楽曲をシャッフルしたり、互いに混在するプレイリストは作成できないようだ)。

これまで、インディがスマートフォンを念頭に楽曲をプロモーションする場合、Android用の標準ミュージックストアと再生環境がなかったため、どうしても買いやすく聴きやすい(つまり売りやすい)iOS端末とiTunes Storeを前面に出さなければならなかった。

その結果、膨大な数のユーザがいるにも関わらず、Android端末に対する手当が後手に回るというか、おろそかになりがちだった。

しかしAmazon Cloud Playerで、パソコンでもAndroidでもiOSでも、自由に楽曲を再生できるとなれば、今後は、Amazon MP3ストアに一本化してプロモーションしても良いかもしれない。

販売する時に、iTunesはこっち、Amazon MP3はこっちとやるより、Amazon MP3へのリンクだけ張って、Amazon Cloud Playerを使えば、パソコンでも、iOS端末でも、Androidでも聴けますよ、とした方がスマートな気がする。

余談だが、Amazon MP3ストアで複数の楽曲を一度に買うと、パソコンにダウンロード用のソフトであるダウンローダをインストールし、楽曲ファイルをまとめてダウンロードするように促される。

iOS端末のユーザは、ダウンローダのインストールやダウンロードしてiTunesライブラリにコピーするのが面倒で(実際には、コピーは基本的に自動だが)、Amazon MP3ストアを無視してきたに違いない。

しかし、今後は、目的がiOS端末にしろAndroidにしろ、スマートフォンでの再生なのであれば、パソコンへのダウンロードを促された時点でダウンロードはキャンセルしてもよい。もちろん、後でパソコンへダウンロードすることも可能なので、心配しなくても良い。

ダウンロードしなくても、楽曲はAmazonのクラウドストレージ上に保存されている。

このままだとスマートフォン側のAmazon Cloud Playerが楽曲を認識できないので、購入後にパソコンのブラウザを使ってAmazon Cloud Playerで購入した楽曲を一度認識させてやる。これで、スマートフォン側のAmazon Cloud Playerにもアルバムが表示されるようになる。こうして、パソコンに楽曲をダウンロードしなくても、スマートフォンで楽曲が再生できようになる。

楽曲を販売する側から考えると、端末による購入方法や再生環境の違いを考慮しなくてよくなるのはありがたいことだ。

Tunecore Japanに大江千里氏のメッセージが掲載

全世界のiTunes StoreおよびAmazon MP3で音源を販売できるアグリゲータ、Tunecore Japan大江千里氏からのメッセージが掲載されている。

有名アーティストでも、自ら音源を配信/販売する時代が到来したことを知るのは、感慨深いものである。

FizzKicksのFacebookページにQ&Aが追加

ダウンロードカードサービスのFizzKicksのFacebookページに、Q&Aが追加された。

なお、このQ&Aページは、Facebookアプリなので、他のFacebookアプリ同様、モバイル用のFacebookサイトでは表示されない。

スマートフォンで表示するには、ウェブブラウザでFacebookを表示し、画面下部の「デスクトップサイト」を選んで、パソコン版のFacebookサイトに移動して、タブからQ&Aを呼び出す必要がある。なお、Androidでは、「デスクトップサイト」を選んでいても、操作する度に強制的にモバイルサイトが呼び出されることがあるので、注意が必要だ。

headliner.fmについて

どういうわけか、急に「headliner.fmって使えますか?」という問い合わせが増えてきた。

基本的にindierevolution.jpでは、日本から利用ができない、あるいは日本からの利用で効果がほとんど見込めないサービスについては、取り上げないことにしているが、headliner.fmについて、国内で興味が高まっているようなので、今回は例外的に少しだけ触れることにしよう。

インディミュージシャンなら、ネット上のソーシャルネットワークを使ったプロモーションについて、日々試行錯誤していることだろう。

ソーシャルネットワークを使って何かしらプロモーションを行えば、ファンベースの拡大や売り上げの増大に繋がることは確かだが、その効果をはっきりと実感することは、なかなかできないはずだ。

MySpaceでフレンドが3,000人いますとか、Twitterでフォロワーが10,000人いますとか、Facebookページで「いいね」が1,000を超えましたとか、ソーシャルネットワークの「つながり」を表す数字をせっせと稼いでも、その数字が売り上げにどのように反映するのか、その数字に本当に「価値」があるのか、それが分かりにくいのが実情だ。

headliner.fmは、このソーシャルネットワークのつながりの数に、具体的な「価値」を与えたはじめてのサービスと言ってよいだろう。

headliner.fmがどのように動作するか、その手順を単純化して説明しよう:

  1. 自分のイベント、楽曲、アルバムなどを宣伝するための短い宣伝文句を書く。
  2. 他のメンバーに対して、上記の宣伝文句をそれぞれのソーシャルネットワークへ転送してくれるようにリクエストを出す(自動)。
  3. リクエストを受け取ったメンバーは、宣伝文句の内容を読み、問題がなければ、自分のソーシャルネットワークにそのまま転送する(半自動)。

あなたが自分のソーシャルネットワークを使って宣伝を配信しても、結局、すでにつながりがあるファンにしか届かないが、上記のように他のアーティストのソーシャルネットワークを使って拡散すれば、今まで接点のなかった、新しい音楽ファンにメッセージが届くということなのだ。

Twitterで1,000人のフォロワーがいる10人のアーティストが転送してくれれば、単純に考えて、本来届かなかったはずの10,000人の音楽ファンにメッセージが届くというわけ。

しかも、特定のアーティストとソーシャルネットワークでつながっているのは、ほとんどがそのファンである。そんなファンは、自分が好きなアーティストが「これ聴いているよ」や「これ気に入った」と書いたアーティストや曲について興味を持ち、チェックする可能性が高い。

リクエストを受け取ったアーティストが宣伝文句を許可して転送すると、Karma Cashというポイントがもらえる。このポイントがたくさんあると、自分がリクエストを出す時に、より多くの他のメンバーへリクエストを出すことができる(ポイントを買うことも可能)。

余談だが、登録時にFacebookページ、MySapce、Twitterのつながりの数に応じてポイントがもらえるので、登録後、即座にリクエストを出すこと(キャンペーン)も可能だ。

ちなみに宣伝文句は、他のアーティストが自分のアカウントからそのまま投稿できるように、最初から「今、このバンドの新曲聴いてます。癒されます」のようなそのアーティスト視点で、かつ宣伝色を排除しなければならない。「俺たちの新曲聴いてくれ。もう最高!」などと書けば、間違いなく、誰も転送してくれないだろう。

ここまで読むと、それってステルスマーケティングじゃないの?、と思うかも知れない。

確かに、あなたが自ら書いた宣伝文句を、他のメンバーに、あたかもそのメンバーが書いたかのようにソーシャルネットワークに投稿してくださいとお願いするわけだから、ステルスマーケティングと誤解されるかも知れない。

しかし、headliner.fmは、ある一点において、ステルスマーケティングとは一線を画している。それは、宣伝文句の転送を行うのも、アーティストであると言うことだ。

つまり、リクエストを受け取ったアーティストは、ポイント欲しさに無条件に宣伝を転送するのではない。なぜなら、その宣伝文句は、そのアーティスト自身のアイデンティティに関わってくるからだ。

例えば、フォークシンガーがラッパーのリクエストに応えて「indierevの最新ラップ、魂のライム、心にくさび打ち込む」などという宣伝文句を自分のTwitterに投稿するだろうか?

また、仮にジャンルが同じであってさえ、今ひとつのバンドについて「このバンド、最近で一番良い」などと嘘を投稿するだろうか?

そんなことをすれば、アーティスト自身の感性が疑われるだけだ。

つまり、リクエストを受けたアーティストは、そのバンドの情報を確認し、ホームページを確認し、楽曲を試聴し、確かに良いじゃないか、と確信を持ち、その宣伝を転送しても恥ずかしくないと判断して、はじめて転送を許可するのだ。

これは、ステルスマーケティングとは、まったく異なる。

つまり、アーティスト同士が互いの宣伝を助け合うという、一時MySpaceなどの音楽系ソーシャルネットワークに期待されたようなシステムを、限りなく簡便で効率のよい方法で実現したら、結果として、ちょっとステルスマーケティングっぽくなったということだろう。

で、どれくらいの効果があるのか、ということなのだが、ジャンルや宣伝文句の内容、キャンペーンの規模にもよるので一概には言えないが、indierevolution.jpが約2年間試した感じでは、一般的な一回のキャンペーンで、少なくとも3,000人から10,000人くらいにはリーチするという感触だ。

こんなに素晴しいサービスだから、どんどんお薦めしたいところだが、いかんせん、ほとんどのメンバーが米国人のため、そのソーシャルネットワークのつながり先も、米国人ということになってしまい、日本から効果的に利用できる可能性がほとんどない。

唯一、効果が期待できるのは、海外のiTunesや他のオンラインストアでダウンロード販売をしており、海外の音楽ファンに訴求する音楽を作っているアーティストが、海外の新たなファンの開拓を目指す場合だけだろう。

海外で比較的受けやすい、ヒーリング、ビジュアル系、アニソン系、エレクトロ、などのジャンルなら、試してみても良いのかも知れない。

ただし、まちがっても宣伝文句を日本語で書かないように。