MySpaceがMySpace Musicを発表

長らく噂されていた通り、MySpaceがMySpace Musicという名前で音楽販売に本格的に乗り出すことになった。とりあえず、ストリーミングから始まり、DRMフリーのMP3ダウンロード販売、マーチャンダイズ販売、チケット販売へと、数ヶ月かけて展開し、音楽のワンストップストアを目指すという。携帯電話向けのデジタル販売も、何らかの形で始まるとされる。

またリスナはプレイリストを構築して公開できるようになるらしいので、MySpaceのミュージックSNS的側面がより強まることになる。

MySpaceの会員は1億1千万人いるとされ、登録アーチストが5百万人、リスナは3千万人程度いるようだ。この数字は、last.fmのリスナ数である2千万人強に匹敵する。メジャーレーベルがこぞってlast.fmに楽曲提供を行って新たなデジタル販売の道を模索しているが、MySpace MusicにもEMIを除く3大レーベルが参加を表明しており、英国と米国で最大のミュージックSNSで大規模な実験が始まったとも言えるだろう。

メジャーレーベルでもすでにCDの終焉を見据え、次の道をデジタルに見出そうとする動きな訳だが、利益率の低いiTunes Storeが一人勝ちという現状を打破し、市場への影響力を取り戻したい思惑もあると考えられる。

一方、日本のMySpaceについては、将来像が不鮮明だが、同じくソフトバンク傘下であるYahoo! Musicとの連動という解決策もあるかも知れない。

いずれにしろ、MySpaceに限らず、そろそろレコード会社や著作権使用料徴収代行団体側からミュージックSNSやデジタル販売に対する積極的な動きが出てきて海外の動きに追いつかないと、アーチストが機会損失する結果になりかねない。違法コピーによる損失については、声高に糾弾する人や団体は多いが、法律や制度、業界の構造的な問題などで、多くのアーチストが機会損失していることは、話題にはなっても議題になることがほとんどない。このような現状だと、ある日突然外圧によって規制緩和を迫られ、制度崩壊させられてしまう危険さえあるように思われる。

例えば、国内の提携レーベルがiTunes Store Japanになかなか楽曲提供しないため、業を煮やして海外のiTunes経由で楽曲提供し始める海外アーチストは意外といる。last.fmにしても、英語インタフェースを選べば日本からでもラジオは聴ける。対応が遅れる日本と海外の現状の差はどんどん乖離するばかりということだ。