SONYがネックバンド式WALKMANを発売

今週末には、SONYからネックバンド式のWALKMAN、NWD-W202が発売になる。

機能的にはiPod Shuffleの競合製品だが、新型が発売されても以前のような「これでiPodに挑戦」といった雰囲気がメーカからも市場からも感じられなくて、ちょっと寂しい。

indierevolution.jpでも、WALKMAN関連の情報は、注目するに値しないと考え、ここしばらく取り上げていなかった。でも、NWD-W202には、ちょっと興味を引かれる。というのも、SONYが発表した資料によれば、「著作権保護された音楽ファイル(音楽ダウンロードサイト「mora」[モーラ]などからダウンロード購入した楽曲や、EZ「着うたフル®」EZ「着うたフルプラスTM」など)は本機で再生することはできません。」となっているからだ。しかもNWD-W202に添付されたSonicStage Vを使ってのはなしなのだ。

つまりNWD-W202専用とは言え、SonicStageの名を冠したソフトウェアを使っても、moraで購入したDRMのかかった楽曲を再生できないわけだ。しかも、パソコンにつないで楽曲ファイルをドラッグコピーすれば、再生できるので、SonicStage Vを使う必要さえないのだ。

これは、いったい何を意味しているのだろうか。

以前書いたように、海外のWALKMANでは、すでにSONY独自のATRACフォーマットは無視されている。ATRACに執着し、固執しているのは、日本のSONYだけだ。そこには、ATRACを前提に設計されたmoraというダウンロードストアで自社コンテンツを抱え込もうという内向きな戦略があったからに他ならない。

このmoraとSONYが持っているコンテンツの関係は、多くのアーティストとミュージックファンにとって、百害あって一理もない目の上のたんこぶのようなものだった。携帯電話を除けば、ポータブルミュージックプレイヤの約7割がiPodという現状で、moraがあるからiTunes Storeにコンテンツを出さないというSONYの判断は、会社にとってもアーティストにとっても大きな機会損失を生んでおり、経営判断的にも倫理的にも明らかに間違っている。

それが今回moraを重視するより、ユーザの利便性を優先させた製品が出てきたのは、単に経営不振のあおりで開発資源を削った結果なのか、近い将来の同社のコンテンツ解放を見据えたのか、果てはmoraの終焉を意味するのか、見極めるまで目が離せない。

なおSONYが音楽事業全体の見直しを始めるとなれば、auのlismoにも影響が出るのは必至で、携帯電話での音楽の楽しみ方にも大きな変化が訪れるかも知れない。