THE CHARLATANSが新譜を無料配信

今やアーティストがレコード会社の呪縛から自由になり、自らの新譜を無料で配る(あるいは、買い手の言い値で売ったり)する時代が来たようだ。90年代から活躍する英国のThe Charlatansが、新しいシングルを10月22日からxfm経由で無料ダウンロードさせると発表した。また新しいアルバムも来年初頭にxfm経由で無料ダウンロードさせる予定だ。xfmは、英国のラジオ局だが、アーティストへのインタビューなどを積極的にPodcastしているので、日本でもよく知られているだろう。

デビッドボウイが「近い将来、レコード会社はなくなる」と予言したのは、もう5年以上前になるだろうか。その後、インディがインターネットを使って世界的なヒットを出したり、ボブディランが「CDに収められた音楽は死んだ音楽。本当の音楽はライブでしか聴けない」と言って、ライブチケット付きのアルバムをiTunesでライブチケットの値段程度で売ったり(つまりアルバムは無料と言う考え)、プリンスが新譜CDを新聞のおまけに付けたり、レコード会社が堅持したい枠組みに収まらない動きが拡大している。そのいずれもライブでの集客につながれば、デジタル音源はプロモーションとして無料で配っても良い、という考え方が根底にあると言うことは見逃せない。そして、ここ数年、ライブこそがレコード会社のコントロールを離れ、アーティストあるいはレーベルが主導権をしっかりと握り始めたジャンルなのだ。実際のところ、レコード会社や音楽出版社が間に入った場合、アーティストにとって録音した音源の利益率は総じて小さい。大ヒット曲でもなければ、アーティストに支払われる売り上げは微々たるものだ。その点、ライブは、利益率はかなり高い上に、Tシャツだの、バッジだの、グッズの売り上げもついて来る宝の山だ。後は、いかに多くライブを行い、そのすべてをどうやって満員にするかと言う手法だけが問題となる。ここ最近活発な、CDや音源を無料で配ると言う動きは、この目的を達するための実験的なアプローチだろう。

ライブと言えば、インディの主戦場だ。インディこそ、いかに多くのライブを成功させるか、というアイデアを試し続けなければならないはずだ。でも日本では、ライブをそういう風に見ているインディはまだ少ない。しかし、そろそろメジャーデビューとか、著作権使用料とか、そんなことに思い煩わされるのでなく、効果的なライブを実現する手法と手段について真剣に考える時ではないだろうか。