インディには、ジャケットを軽視する傾向があります。

ミュージシャンが必ずしもグラフィカルな才能を持っているとは限らないので、あまり凝ったジャケットが作れないのは仕方ないことです。

しかし、だからといってジャケットを作らず、CD-Rのレーベル面にマジックでバンド名とアルバムタイトルを書いただけ、などということはしてはいけません。「音楽がよければ、それで良いじゃないか?」という意見もあります。本当にそうでしょうか?

例えば、インディのCDを扱うお店へ行くと、アマチュアバンドが宣伝のためにお店に置いていった無料のCD-Rがあります。たくさんある場合、一カ所にまとめて箱に入れてあったりします。

そんな見たことも聴いたこともないアマチュアバンドのCD-Rの山の中から、何か1枚を選んで持って帰ろうと思った場合、どうやって1枚を選びますか?

まず自分が好きなジャンルであることが大事でしょう。ロカビリーが好きなのに、ヘビーメタルのCD-Rを持って帰ることはまずあり得ません。

それ以外の情報は、ジャケットから得るしかありません。メンバーの写真が使われていたら、その見た目、人相、風体、ファッション、などを見るでしょうし、風景写真やイメージ写真なら、それを音楽性に結びつけて判断するでしょう。

つまり、何も知らないCDを選ぶとき、確実にジャケットに記載された情報を基準にするはずなのです。ジャケ買いという言葉があるように、ジャケットを見て購入を決める消費者行動は確かに存在するのです。

「虚飾を排除し、CDレーベル面にマジックで直に書くこと —— それが俺たちの生き様」という説明はできますが、実際のところ、そのような態度はほとんど音楽性を表しません。そして、多くの場合「ちょっとした手間を省いて、いい加減でだらしない仕事しかできないバンド」と思われるか、「貧乏でジャケットも作れないバンド」と思われるだけです。アーティスト側から見た場合、ほとんどメリットはないでしょう。

だから、ジャケットは必ず必要です。絵でも写真でも何でも構いません。そしてバンド名とアルバムタイトル以外に、ぱっと見てバンドや音楽の方向性が分かるキャッチコピーやスローガンのようなものも書き添えておきましょう。スローガンについては、
インディプロファイリングのページでも触れているので、そちらも参考にしてください。